漢方ライフ読む(コラム一覧) > なぜ手足の先だけ冷たいの?どうにかしたい!末端冷え
公開日:2024.01.25 更新日:2024.02.151498view

なぜ手足の先だけ冷たいの?どうにかしたい!末端冷え

漢方であなたを応援vol.22「末端冷え」

2つの異なる冷え
成人女性の2人に1人は冷えに悩んでいると言われる昨今、冬に寒いのは当然ですが、年中、どこでも寒いという冷え症さんもいます。まずはタイプチェックをしてみましょう。
温めるエネルギーが少ない「全身冷え」タイプと、温めるエネルギーを末端まで届けられない「末端冷え」タイプ、皆さんはどちらですか?

全身冷え
□全身、上から下まで寒い 
□お腹が冷えて軟便になりやすい
□腰やお尻が冷える
□夏でも冷える
□疲れやすく、足腰がだるい

末端冷え
□手足の先が冷たく、かじかむ
□しもやけになりやすい
□指先のしびれ、こむら返りが起こりやすい
□緊張すると手のひらや足裏に汗をかくが、指先は冷たい
□低血圧、貧血傾向

手足の先が冷える末端冷えタイプは、温めるエネルギーを全身に届けるための液体すなわち血(けつ)が不足していることが多く、血の流れも滞り末端まで行き渡りにくい状態です。

末端冷えに多い健康と美容のトラブル
赤い液体である血には、全身を滋養して潤す働きがあります。血が不足すると、身体はさまざまなサインをあらわして、「足りないから補充して!」と訴えかけてきます。

・爪が割れやすい、色が薄い
・目のかすみや視力低下
・顔色が黄色くくすんでツヤがない
・肌が乾燥して小じわが目立つ
・髪の毛が細くぱさつく
・物忘れが多くなってきた

このようなトラブルと末端冷えが同時にあらわれていたら、まず血を補充しましょう。
クコの実やなつめ、赤身の肉やレバーなど赤色食材は血を補います。プルーンやロンガン、黒豆やひじきなど黒色食材の中にも血を補う食材があります。積極的に食べましょう。
夜更かしして目や脳を酷使することは、血を消耗させます。出来るだけ日付が変わる前に就寝するように心がけてください。

・爪の色が紫がかっている
・顔にシミが目立つ
・下肢のむくみや静脈瘤が気になる
・知らないうちにアザができている
・生理痛や腰痛、肩こりなど痛みが強い

このようなトラブルと末端冷えが同時にあらわれていたら、血流が悪いサインなので、適度な運動やストレッチなどを心がけましょう。お風呂でしっかり温まることも血行促進に有効です。
玉葱やニラ、ニンニクなどは血を巡らせる食材です。血を補う食材と合わせて積極的に摂りましょう。
漢方薬では、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)が代表的な末端冷えの改善薬です。

手足の先まで温めるには・・・
手足の先まで温めるには、末端まで血を送ることが大切です。体の内側と外側、両方から巡らせて温めましょう。

◆和漢ブレンド茶
(材料)
紅茶ティースプーン2杯、シナモンスティック半分、クローブ(ホール)3粒、紅花ひとつまみ
(作り方)
①材料をティーポットに入れて、お湯500mlを加える
②3分蒸らしてからカップに注ぎ、黒糖を好みで加える

紅茶とシナモン、クローブが内側から温めて、紅花と黒糖が血行を促します。
(注意:紅花には強い血行促進作用があるため、妊娠中やその可能性のある女性は禁忌)

◆手浴・足湯
手首、足首まで浸かる容器に43~45度くらいのお湯を入れ、塩とヨモギまたは大根の葉(干したもの)を加えて手足を温める

◆腕のブラブラ、グルグル、グーパー体操
①足を肩幅に開いて立ち、両腕を前後に20回大きく振る
②続けて両腕を伸ばした状態で前まわしに大きく10回まわす
③再度①を行ってから、今度は後まわしに大きく10回まわす
④再度①を行ってから、ゆっくりグーパーを20回繰り返す

◆足のグルグル、ニギニギ体操
①床に座った状態で左足を右手で握り、足首をゆっくり10回まわす(逆回転も10回)
②足の甲を手のひらで前後に10回さする
③足裏側から手の指で足指を組むようにつかみ、握るようにしながら前後に動かす
④反対の足も①~③を行う

動かして末端に温かさを届ける方法は、繰り返すことで効果が出やすくなります。ぜひ試してみてください。

動画でも!女性の大敵「冷え」からだを温めるエネルギーが不足しているかも!? からだを整える漢方のすすめ


齋藤 友香理
齋藤 友香理 - Yukari Saito[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年北海道生まれ。東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務めていた。多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら社員教育にも携わり、「養生を指導できる人材」の育成に励んでいる。分かりやすい解説と気さくな人柄で、幅広い年齢層から支持されている。

漢方スクールでの担当コース・セミナーはこちら

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

ページトップへ