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2019.03.012614view

7年周期で考える?~女性の養生・漢方薬~

ようこそ!はじめての漢方 Vol.11

女性の一生は7年周期

黄帝内経(こうていだいけい)という中国古典書に、女性の一生は7年周期、男性の一生は8年周期と記されています。体質が変わるタイミングとも考えられますね。
特に女性は、14歳頃に初潮が起こり49歳頃に閉経するまで、毎月の月経周期が女性の体調を左右していきます。
つまり、女性の一生は、血の道(ちのみち)と表現されるように「血」の影響をかなり受けるのです。
Vol.9 血流改善法 参照

この血を常に貯めておき、全身に気を巡らせる働きがある「肝」や、生命エネルギーを貯蔵し、生殖器を管理する「腎」をケアすることが、女性の養生にとって非常に大切です。
まさに、肝腎かなめですね。
肝はストレスや生活のリズムの乱れ、腎は冷えの影響を受けやすい特性があるので、女性は冷えやストレスに敏感で、ちょっとしたことでも女性ホルモンや自律神経のバランスを崩してしまいやすいのです。

【肝腎かなめ】の養生法

漢方の生理機能である五臓六腑に、「肝」と「腎」があります。
この肝と腎は、下腹部にあると考えますので、血を貯める肝、生殖器を管理する腎が、子宮の働きとして考えることが出来ますね。
下腹部が冷えると、血が停滞し、そこに痛みが現れます。
これが婦人科の痛みや不調につながりますので、女性はまず腰回りを中心とした下腹部を絶対に冷やさないことが大切です。
特に冷え性の方は、外から温めるのはもちろんですが、温かい飲み物に徹して冷たい飲料は極力避けましょう。
腰回りのストレッチも意識して行いましょう。外からの応援も必要ですね。

また、以下の食材もおススメです。ぜひ取り入れてみてください。
血を補い潤いをつくる : クコの実、ゴマの実、ナツメ
身体を温め潤いをつくる : クルミの実、松の実
気を巡らしイライラを取る : 菊花、薄荷、セロリ、グレープフルーツ
腎を補う : 黒豆、キクラゲ、山芋、昆布

くわしくは【薬膳食材辞典】をご覧ください。症状別でおススメ食材を調べることができます。

大切なのは、いつどんな時に身体からサインがでるのか、興味を持ち観察することです。
天気や生活環境、仕事環境、ホルモンバランス、食事内容などを総合すると自分の身体の法則がわかってきます。法則がある程度わかってくると、備えができるようになりますね。

女性によく使う漢方処方は?

女性によく使う漢方薬を紹介します。
血を補いホルモンバランスを整え、気血の巡りをよくするような処方が選ばれます。

◎当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
血を補い、水の巡りをよくする漢方薬です。

【効能効果】
体力虚弱で、冷え性で貧血の傾向があり疲労しやすく、時に下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸などを訴えるものの次の諸症:月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、産前産後あるいは流産による障害(貧血、疲労倦怠感、めまい、むくみ)、めまい、立ちくらみ、頭重、肩こり、腰痛、足腰の冷え、しもやけ、むくみ、しみ、耳鳴り

◎桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
血の巡りを良くする漢方薬です。

【効能効果】
比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足冷えなどを訴えるものの次の諸症:月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、血の道症、肩こり、めまい、頭重、打ち身(打撲症)、しもやけ、しみ、湿疹、皮膚炎、にきび

◎加味逍遥散(かみしょうようさん)
気の巡りを良くし血を補い巡りを良くする漢方薬です。

【効能効果】
体力中等以上で、のぼせ感があり、肩がこり、疲れやすく、精神不安やいらだちなどの精神神経症状、ときに便秘の傾向があるものの次の諸症:冷え性、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症、不眠症

漢方薬は、効能効果のみで判断せずに専門の相談員に症状体質をしっかり伝えたうえで選んでいただくことをお勧めします。

鈴木 養平 - Youhei Suzuki[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]
1969年宮城県生まれ。東北薬科大学卒業薬学部卒業後、薬日本堂入社。臨床を経験し、店舗運営、教育、調剤、広報販促に携わる。札幌に勤務中、TVの漢方コーナーにてレギュラー出演。漢方薬による体質改善の指導・研究にあたる一方で、“漢方をより身近に”とセミナー講師・雑誌・本の監修(『おうちでできる漢方ごはん』『かんたん・おいしい薬膳レシピ』)で活躍中。
薬日本堂漢方スクール:http://www.kampo-school.com/

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