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公開日:2019.01.01 更新日:2020.05.1912986view

血流改善法~気血水の養生

ようこそ!はじめての漢方 Vol.9

漢方で考える血とは?

血(けつ)とは? 身体を構成する赤く色がついた体液のこと。
人の身体は、目には見えない生命エネルギーである気(き)と、体液である血と水(すい)で構成されていると考えます。

血と水には、身体を潤す働きがあります。
さらに血は、体の隅々まで栄養を提供する働きと精神活動を整える働きもあると考えられています。

血の不足・血の停滞

血が不足すると、どのような症状が現れるでしょうか?
栄養を提供しきれなくなるので、身体の末端に栄養失調のような症状が出やすいとイメージしてみましょう。

血が不足すると、あかぎれやしもやけ、手先足先が冷える、爪が割れやすい、髪のパサつきなどといった症状が現れやすく、精神活動も乱れやすくなるので、物忘れや集中力の低下、寝つきが悪いなどが現れます。
このような状態を、血虚(けっきょ)といい、補血(ほけつ)をして調えます。
また、血は女性ホルモンとも関係が深く、ホルモンバランスを整えるためには、良質な血を作り出すことがとても重要になります。

では血が停滞すると、どのような症状があらわれるでしょうか?
血の停滞により身体のあちこちに、ドロドロ血がある状態をイメージしてみましょう。
生理痛や肩こり痛または打撲など、刺すような痛みが起こりやすくなりシミや目の下のくま、傷跡が治りにくいなどの症状が現れます。
このような状態を、瘀血(おけつ)といい理血(りけつ)をして血を巡らせます。
また、血液検査でわかる異常は、瘀血の要素が含まれると考えてみるのもよいでしょう。
採血によってわかる異常は、生活習慣病といわれることが多いことからも、生活習慣の乱れは身体をドロドロ血にしてしまい、瘀血の状態になっているとも考えられます。

血行がわるい、血流がわるいと感じている人は、良質な血を作り出し(補血)、サラサラに保つ(理血)ことが改善の秘訣になります。

血のバランス養生法

血流改善のための、おすすめ健康法を紹介しましよう。

① 赤黒食材で血の質を高めましょう
赤で良質な血を作り、黒で血を掃除すると考えるのもいいですね。
おすすめ食材食材としては、クコの実、ナツメ、山査子、黒豆、しいたけ、ひじきなどです。

② 種や実を意識してとりましょう。
ごまの実、松の実、クコの実、くるみの実、かぼちゃの種など
今はスーパーやコンビニにも売っています。ナッツ類やドライフルーツなどもおすすめです。

どちらも、一度に大量にとるよりは、毎日少量を続けてとることをおすすめします。

③ ストレッチ運動
血流が悪くなると身体が固くなると思ってください。身体を動かしたり伸ばすことはとても大切です。真剣にラジオ体操をしてみたり、お風呂上りに簡単なストレッチをしたり、乗り物を使わず意識して歩いてみたり・・・日常でちょっと意識してみましょう。

また、身体を冷やさない意識はとても大切です。冷えると川の水が凍ってしまうように、血流が悪くなる大きな要因になります。シナモンや山椒、生姜、シソなどのスパイスや薬味をうまく取り入れてみましょう。

無理をしなければいけないときは、頑張るしかないですよね。
ただ、身体から未病のサインが出たら、黄色信号です。生活を振り返る癖はつけていきたいです。
原因がわかれば、それが少しでも解消できる養生を楽しんで取り入れてみるプラスのとらえ方をしてみましょう。
養生が楽しくなりますね。

鈴木 養平
鈴木 養平 - Youhei Suzuki[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年宮城県生まれ。東北医科薬科大学卒業後、薬日本堂入社。臨床を経験し、店舗運営、教育、調剤、広報販促に携わる。札幌に勤務中、TVの漢方コーナーにてレギュラー出演。漢方薬による体質改善の指導・研究にあたる一方で、“漢方をより身近に”とセミナー講師・雑誌・本の監修(『おうちでできる漢方ごはん』『かんたん・おいしい薬膳レシピ』)で活躍中

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