TOP読む(コラム一覧) > 漢方医学に見る【命・相・卜・山・医】の5つの技術
2018.07.051340view
漢方医学に見る【命・相・卜・山・医】の5つの技術

鍼灸雑話 その6

玄学(げんがく)と漢方

「易」「老子」「荘子」
この3つの書を「三玄書」と呼び、これらを中心に勉強をする「玄学」が三国時代に流行ったそうです。

「玄」は、「暗くて目には見えにくいもの」の意味があり、物事の本質、原理といったものを指します。

これらの書物は、主に「道家(どうけ)」の修行者たちが学び、実践をするために用いられました。
道家は、黄帝内経(こうていだいけい)や傷寒論(しょうかんろん)などをまとめた人たちで、漢方医学のルーツは道家にあります。

私は鍼灸修行中に、
「東洋の医学を体得するには、医だけでは駄目。命(めい)相(そう)卜(ぼく)山(仙せん)を合わせた五術を学ぶことが重要」
と、幅広い知識を総合的に教わりました。
むしろ、治療法や理論を教えてもらった記憶はほとんどありません。

五術とは!?

五術には、命(めい)相(そう)卜(ぼく)山(仙せん)医(い)の5つがあり、万物の法則をマクロからミクロまで幅広く含んでいます。

【命術】
生年月日、時間などから計算し、運命、生死、物事の栄枯盛衰などを判断します。
四柱推命(しちゅうすいめい)、紫微斗数(しびとすう)が代表的で、日本なら九星気学(きゅうせいきがく)も含まれます。

【相術】
相というのは、具体的に形として現れたもののことを指し、相を得て具体的な問題や病状、その解決法を探ります。

人相:手相や骨相、顔相(面相)、気血色相などで判断する
名相:姓名判断
墓相:陰宅風水(龍穴(りゅうけつ)を探し、死者を埋葬する墓所を選ぶ)
家相:陽宅風水(巒頭(らんとう)と理気(りき)を用い、住居や職場に良い気を入れる)
印相:人や物、建物には印象があり、そこから判断する

後輩の死をきっかけに、東洋医学とは?という相談を先生にした時、道家の「相法」の書物を授かり、その実例を色々と聞かせてもらったのを思い出します。

【卜術】
易断(えきだん)と六壬(りくじん)があり、易断は易を基礎にした占いで、六壬には六壬神課(りくじんしんか)や奇門遁甲(きもんとんこう)などがあります。

何気ないことの中に、様々な現象が生じています。その現象を見逃さず、その意味を考えて吉凶を判断します。
(鍼灸雑話その2を参考にしてみてください)

「命」で出た数字は、具体的な象を持つことになります。それは「相」であり、そこから諸々を判断することは「卜」にも通じます。

【山(仙)術】
山術は、深山幽谷に入り、精神と肉体の修行をすることで「仙人」を目指すため「仙術」ともいい、現在の「気功」のことです。
陰陽五行、経絡(けいらく)といった法則を見いだしてきたのは、こうした修行を積んだ人たちでした。
五術のベースには、仙術、つまり気功があります。言い換えれば、気功は全てのルーツです。

玄典(げんてん):三玄書などを学び、心を修める
食餌(しょくじ):薬膳や薬を用い、病を治し、身体を強くする
築基(ちくき):精気神の三宝を練り、身体を鍛え、静座で心を調える
拳法:武術のことで、筋肉や骨を強くし、体力を増強させる
符咒(ふじゅ):霊術や法術ともいい、護符や呪術で凶を避け、吉を得る

【医術】
方剤(薬)や鍼灸、按摩、呪術などを用いて健康を得る方法です。

五術は、どれもが重なり合っています。ですから最終的に「一道」になります。

日々の中にある五術

漢方の四診と施術・処方にも、五術が内包されています。
見た目や問診からタイプを判断し、脈や舌という相から臓腑経絡の変調を卜占(ぼくせん)します。
そうして具体的な処方や鍼灸施術をし、日々の薬膳養生や気功を実践してもらいます。

同じように、玄学や五術は特別なものではなく、実は日々の中に潜んでいます。

例えば、新しい店を見つけた時に、「あ!良さそうな店!」と思ったとします。
なぜ「良い」と思ったのか?
例えば「店構えがいい」と思ったとすると、なぜそう思ったのでしょう!?
こういう「直感」から、具体的な数や記号がうまれ、五術へと発展してきたのです。

ぜひ、今からの生活の中で五術を意識してみてください。
漢方の学びが、もっと深くなってきますよ!

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

ページトップへ