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2016.12.01624view
トナカイも真っ青、赤鼻に効く漢方薬 ~葛根紅花湯(かっこんこうかとう)

知っておこう!漢方薬の意外な力 vol.19

一年は早いもので、もう12月…世界中で赤鼻のトナカイが活躍する季節です。
ところで赤鼻に効く漢方薬があることをご存知ですか?それが葛根紅花湯です。

街中を歩いていると、鼻の頭が少し脂っぽく赤く、ポツポツとこぶのようになっている方に出会うことがあります。これを漢方では酒さ鼻(しゅさび)といいます。
酒さ鼻はお酒の飲みすぎ、香辛料や刺激物の食べすぎなどが原因で起こります。これらの食べものは温熱の性質を持つもので、摂りすぎると胃や大腸に熱を起こします。この熱が鼻に上がっていくと考えるのです。
なぜ大腸の熱が鼻に行くのでしょう?
漢方では自然や体のつながりを重視します。その自然哲学が陰陽論と五行説にまとめられています。
五行説は、自然にある「木火土金水(もっかどごんすい)」という5つの基本要素から万物は成り立っているという考え方で、関連するものを五行配当表にまとめています。

<五行配当表抜粋>

五行
五臓
五腑小腸大腸膀胱
五根
五色
五気湿


五行配当表の金の縦ラインに着目すると、肺―大腸―鼻というつながりがみえますね。このように五臓や五腑の不調が五根という顔にあるパーツにあらわれるという理論です。

さて鼻にあがった熱は血行を悪くさせて腫れ物を作ります。それが鼻の頭にできた赤く脂っぽいこぶなのです。まずは熱をさまし、血行をよくして噴き出た毒を解消する必要があります。
葛根紅花湯は8種類の生薬で構成されています。主役は葛根(かっこん)と紅花(こうか)です。葛根が体の上部にある熱を発散させ、紅花が血流をよくして鼻の頭にたまった毒を散らしてくれます。他にも顔の赤みをとる黄連(おうれん)、山梔子(さんしし)という生薬も配合されていて、酒さ鼻だけでなく赤ら顔や赤みのあるシミなどにも有効です。
服用にあたっては、注意点がいくつかあります。紅花は強く血を巡らせるので妊娠中は服用禁忌です。また下剤の大黄が配合されているので、お腹が弱く軟便・下痢気味の方は注意して使いましょう。

齋藤 友香理 - Yukari Saito
[ 薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]
1969年北海道生まれ。東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務めていた。多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら社員教育にも携わり、「養生を指導できる人材」の育成に励んでいる。分かりやすい解説と気さくな人柄で、幅広い年齢層から支持されている。薬日本堂漢方スクール:http://www.kampo-school.com/

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