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2016.10.014498view

魚のにおいが特徴?ドクダミで毒だし ~五物解毒散(ごもつげどくさん)

知っておこう!漢方薬の意外な力 vol.17

夏に白くてかわいい花を咲かせるドクダミ。このドクダミが主役の漢方薬があるのをご存知ですか?
それが五物解毒散、化膿した皮膚病の改善薬です。

ドクダミは毒溜めとも呼ばれ、日本で昔から民間薬として重宝されてきた薬草です。民間薬とは、古くから人々の間で習慣的に伝承されてきた治療法に用いるものです。ドクダミは便秘気味な時や肌荒れが気になる時に用いられてきました。今でもドクダミ茶として愛飲している方はたくさんいます。
おもしろい使い方としては、鼻づまりがひどい時に生の葉を塩で揉んでから鼻の穴につめると。驚くほどたくさんの鼻汁が出てすっきりするというものがあります。私は試したことがありませんが、チャレンジャー精神旺盛な方は試してみてはいかがでしょう。

ドクダミは別名を魚腥草(ぎょせいそう)といいます。意味は「魚のような生臭い草」。素敵な名前ではありませんが、端的に特徴をあらわしています。生命力の強いドクダミは、根が縦横無尽に広がりあちらこちらに生えます。草むしりが大変なのですが、この時に手袋をしないとものすごいにおいがついてしまうのです。石鹸で洗ってもなかなか落ちませんから、皆さまご注意を…

民間薬の中には漢方薬の原料である生薬(しょうやく)として有効なものもあります。そのひとつがドクダミで、生薬名や十薬(じゅうやく)といいます。熱を冷まして解毒し、膿を取り除くはたらきがあります。
このはたらきを活かした処方が五物解毒散です。日本で生まれた処方で、化膿しやすい皮膚の症状に有効です。昔は梅毒などの治療にも用いられてきました。

五物解毒散十薬、金銀花、荊芥、大黄、川芎体力中等度以上のものの次の諸症…かゆみ、湿疹・皮膚炎

十薬と金銀花(きんぎんか)には炎症を抑えて熱毒である膿を取り除きます。荊芥(けいがい)は体表部の毒を発散させるはたらきがあります。川芎(せんきゅう)が血のめぐりをよくして、大黄(だいおう)で毒を大便から排泄するというように、5種の生薬が連携して体内の毒が肌表面に出てしまった症状を改善してくれます。

身近な植物が主役となった漢方薬としては、以前にも紹介した柿蒂湯(していとう)があります。柿のへたが主役でしゃっくりを止めてくれます。桔梗湯(ききょうとう)は秋の七草でもある桔梗が主役で、のどの痛みを解消します。
散策に良い季節ですから、野山や街の公園を歩きながら、植物のはたらきに思いを馳せるのも楽しいですね。

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齋藤 友香理 - Yukari Saito
齋藤 友香理 - Yukari Saito
[ 薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]
1969年北海道生まれ。東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務めていた。多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら社員教育にも携わり、「養生を指導できる人材」の育成に励んでいる。分かりやすい解説と気さくな人柄で、幅広い年齢層から支持されている。薬日本堂漢方スクール:http://www.kampo-school.com/

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