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公開日:2014.11.01 更新日:2018.09.144781view

肌は内臓と心の鏡!?内外ケアでかなえるつややかな素肌 

女性にやさしい漢方コラム(6)

私は第二次ベビーブーム世代。なにをするにも競争が激しく、バブル後の就職活動がピークでした。就職内定をもらった後、突然顔面が真っ赤に腫れ上がり全身に湿疹が。人相が変わるくらいひどく、ショックとかゆみで眠れない日々が辛かったです。結局薬で抑えこみましたが、その後もストレスが溜まるとすぐに顔にでるようになりました。

不運なことに内定をもらったのが化粧品メーカー。それ以降いつも肌トラブルに悩まされていたので、仕事のストレスは倍増しました。30歳になったころ、湿疹を抑えるのではなく、体質改善してきちんと治したいという思いから漢方を学び始めることに。

漢方では「肌は内臓の鏡」というように、トラブルの原因がわかれば改善することも可能です。漢方は「繋がり」をいつも大切にしますが、五臓もそれぞれが他の器官と繋がっています。五臓の「肺(呼吸器系の働き)」は皮膚と鼻にも影響を与えるので、あの時の湿疹は肺が弱ることで起きたと考えられます。

当時の私は初めての一人暮らしで食生活が乱れていました。外食が多く、夜中にラーメンは日常茶飯事、かなり消化器系を弱めていました。さらに、ストレスや強い緊張が続き脾はかなりのダメージを受けていたのでしょう。このダブルパンチが肺へ影響し湿疹が出るはめに。

症状が出た時は、肺だけが弱っているのか?それともどこか違うことからの影響で肺が弱ったのか?を考える事がとっても大事!子供の頃からアレルギーがある場合は別として、成人してからの肌トラブルは消化器の脾が弱り肺へ影響を及ぼしていることが多くみられます。

養生ポイントは脾が弱っていると気が付いたらすぐにケアすること。むくみもそのサインの1つ。靴がキツいと感じ、そんなに食べていないのに急に1キロ体重が増えてしまったら、すぐにむくみを解消する運動をし、お風呂で汗をかき、ハトムギやトウモロコシのひげのお茶を飲む。お菓子などの甘い物も控えるようにします。このようにバランスをとることで、脾を立て直すと同時に肺への影響を防ぎ、私は湿疹の改善に成功しました。

器官と臓腑、心と体、自然と人間、そして人と人、様々な繋がりがみられる中で、漢方の五行説は「身体の中はすべて繋がっていて、不調な部位は一つだけではない」ことを教えてくれます。この理解を深めてからは、すべてのものに「繋がり」を発見できるようになりました。そしてその繋がりに気付くとすべてが円滑に廻り始めるのです。頑張りすぎたことも湿疹の原因でした。繋がりがわかると、「頑張り過ぎている自分」に気が付きます。身体は、いつも私たちに何かを訴えています。その声を、「繋がり」を意識して聞いてみませんか?「心と身体の良い関係」を作るコツ、五行説が教えてくれますよ。

天野 賀恵子 - Amano Kaeko
[ 薬日本堂漢方スクール講師、国際中医師・国際中医薬膳師・漢方スタイリスト ]
富山大学経済学部卒業後、化粧品メーカー、語学学校、サロン経営の仕事を経て、北京中医薬大学日本校で国際中医薬膳師、上海中医薬大学日本校で国際中医師のライセンスを取得。東洋医学と西洋医学を折衷させた病院で、食事、運動、精神ケアなどの健康指導に従事。当校にて漢方養生指導士養成講座、ワンデイセミナー「からだ巡らせ漢方ヨガ」などで活躍中。

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