漢方ライフ読む(コラム一覧) > 寒い冬のあたためと滋養強壮対策【豚バラの八角煮、黒豆とクルミのキッシュ】
公開日:2014.12.01 更新日:2020.05.224258view

寒い冬のあたためと滋養強壮対策【豚バラの八角煮、黒豆とクルミのキッシュ】

簡単薬膳レシピ(6)

12月にもなると、寒さもいよいよ本番。
冬の養生のポイントは、早寝早起きではなく、朝日が昇ったらゆっくり目覚め、活発に動く春・夏の為に、植物同様に体力を蓄える事です。
今回ご紹介する薬膳は、寒さに負けない体作りの為の滋養強壮メニューです。冬を乗り切るために沢山働いてくれる腎(生命力、生殖、泌尿器など)を補う食材をたっぷり使いました。
またパーティーメニューにもなるので、ご友人ご家族とのクリスマスパーティーの一品としても作って頂けたら嬉しいです。

「豚バラの八角煮」

滋養強壮と潤いをくれる豚肉を、体を温める八角の香りをポイントとして一緒に煮込んだ豚バラ煮です。山査子も一緒に煮込むことで、お肉の消化を促してくれます。いつもの一品も少し変わった香りがすることで、パーティーメニューに早変わりします。

◎豚肉
腎を補い、精力を高めるので、滋養強壮に適した食材です。また体を潤す働きもあるので、肌や喉の乾燥、便秘が気になる時にもおすすめの食材です。

◎八角(スターアニス)
独特の香りが特徴の八角ですが、体を温めるので、冷え性や、冷えからくる痛みを緩和させます。脾の働きを良くするため、食欲不振時にもおすすめです。

<豚バラの八角煮レシピ>
■材料(4人分)
・豚バラかたまり:600g
・ネギ(青い部分):1個
・しょうが:1片
・にんにく:2片
・粒マスタード:適量
A
・水:500cc
・酒:60cc
・だし汁:100cc
・しょうゆ:大1
・山査子:2スライス
・八角:1個
・塩/胡椒:少々

■作り方
1.豚バラを3cm幅にカットし、塩・胡椒で下味をつける。
2.生姜、にんにくをスライスします。ネギの青い部分は洗って鍋に入れやすい大きさに切ります。
2.鍋に少し多めの油を入れ、1の表面を揚げ焼きにします。
3.2の油をペーパーで取り除き、Aと、スライスした生姜、にんにくを入れ、落とし蓋をし弱火で30分煮ます。
4.いったん火をとめて味を染み込ませておき、出す前に再び温め、器によそい(お好みで薄くスライス)、粒マスタード添えて頂きます。

「黒豆とクルミのキッシュ」
女性が好きなキッシュに、エイジングケアを司る腎を補う黒豆を敷き詰め、滋養強壮の働きのあるクルミを乗せた、見た目も豪華な一品です。漢方では「似類補類」といって、「似た姿形のものは、似た姿形の部分を補う」という言葉があるのですが、クルミは脳に似ている事から、脳の働きを促すと言われています。お正月の黒豆煮のアレンジとしても活用頂けます。

◎黒豆
腎の働きを高め、滋養強壮、生理不順、老化防止に良い食材。冬の寒さで滞りがちな血の巡りも促す働きも有ります。

◎クルミ
腎と肺の働きをよくする為、滋養強壮だけではなく、慢性の咳や喘息にもよい食材。肺と繋がる腸も潤すため、便通も促します。

<黒豆とクルミのキッシュレシピ>
■材料(タルト型:直径21cm)
【材料_黒豆煮】
・黒豆:80g(乾燥時)
A
・水:400ml
・甜菜糖:40g
・日本酒:大1.5
・しょうゆ:大1.5
・重曹:小1

【材料_クルミのキャラメリゼ】
・クルミ:20g(殻をむいたもの)
・甜菜糖:大1
・はちみつ:小2
・水:90cc

【材料_タルト生地】
・小麦粉:100g
・無塩バター:55g
・塩:小1/2
・全卵:1個

【材料_キッシュ生地】
・全卵:1個
・牛乳:130cc
・生クリーム:80cc
・塩胡椒:少々
・ナツメグ:少々

【作り方】
1.黒豆煮を作ります。Aを鍋にかけ甜菜糖が溶けたら火を止め冷やします。
2.冷やした1に黒豆を入れ、一晩冷蔵庫で寝かせます。
3.黒豆を炊飯器に入れ、おかゆモードで炊きます(約30分)。保温状態のまま置いておきます。(圧力鍋がある方は圧力鍋で)
4.タルトを焼きます。タルト生地の材料を混ぜ、タルト型に張り付け、底面にフォークで穴を空け、オーブンシートを敷き重石を乗せ、予熱180度のオーブンで25分焼きます。
5.クルミのキャラメリゼを作ります。クルミを半分に割ります。小鍋に水、甜菜糖を加え、甜菜糖が溶けたら、はちみつ、クルミを加え、強火で一気に全体を混ぜつつ絡めます。(飴状になると固まるので、一つずつオーブンシートの上に置いておくとくっつきません。)
6.キッシュ生地の材料を混ぜておきます。
7.焼き上がったタルト生地に、3の黒豆を乗せ、キッシュ生地を流し入れ、その上に5のクルミを乗せ、予熱180度のオーブンで25分焼き完成です。

市川 三弓
市川 三弓 - Miyumi Ichikawa

漢方スタイリスト、養生薬膳アドバイザー、ハーバルセラピスト、フードコーディネーター。一児の母。自身の体調不良をきっかけに漢方・薬膳を学ぶ。肉親の病も薬膳でサポートし克服。飲食店舗での薬膳イベント開催や薬日本堂でのセミナー講師を経て、現在は子供向けの薬膳を日々研鑽中。

◎レシピ協力
『薬日本堂の漢方で体をととのえる穀菜食』(主婦の友社)
『はじめての漢方ライフ 薬膳レシピ&食材べんり帳』(主婦の友社)
◎子供のご飯記録:https://www.instagram.com/ikumeshi2017

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

ページトップへ