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公開日:2025.06.07 更新日:2025.06.07605view

妊活はふたりのもの。だからこそ理解したい生理のこと。

漢方で妊活応援!パートナーと深める性養生vol.2

女性の性と精、身体と心のリズムを理解する

こんにちは。漢方スクール講師、漢方カウンセラーの荒毛です。
今回は女性の生理を深堀していきます!
女性の心と体に大きな影響を受け、体調や性欲などめまぐるしく変化させる生理。
「打ち明けづらいことだけど・・・パートナーには自分のことを理解してほしい!」
と思っている女性が多いと漢方薬局で働いていると感じます。
妊活・子宝に向け、あらためて女性の身体の仕組みを、男女ともに理解を深めていきましょう。

今回のコラムで得ていただきたいことは、
1.女性は自分自身の体をより深く理解する
2.男性は女性の、生理での変化を理解する
3.パートナーとの関係をより良くするための養生のヒントを得る

女性の生理周期は平均して28日、生理日数は5〜7日が正常と一般的に言われています。
生理周期は、4つの時期に分けられ春夏秋冬の四季のように変動し、体調・気分・性欲などに大きな影響を与えます。
では実際に見ていきましょう!

生理周期を四季にたとえると・・・


◆月経期(生理中) 「冬」
生理が始まり、不要になった子宮内膜が経血として排出されます。
経血の色が鮮やかで、生理痛が軽い、またはほとんどないのが良いです。
塊が出る、暗い色の経血、生理痛が強い場合は、血流が悪くなっている瘀血のサインです。

◆卵胞期 「春」
生理が終わり、体も心も開放的で回復していく、まさに春の季節!
この時期は、卵巣で複数の卵胞が成長し卵子になり、エストロゲンというホルモンが出ます。
漢方では、腎の精が働く事で、元気な卵子に成長にしていきます。

◆排卵期 「夏」
エストロゲンや黄体形成ホルモン(LH)がピークに達し、妊娠に備えるためプロゲステロンが分泌されます。
成熟した卵子は、卵胞を破って卵巣から排出され卵管に入ります。
卵管は、受精の場所として重要であり、精子が卵子とここで出会います。24時間以内に精子と出会うと受精が成立。
この時期は、女性の繁殖本能が働き、気づかぬうちに性欲が燃え上がりやすい夏のような季節です。

◆黄体期(生理前)「秋」
排卵後、子宮内膜が妊娠に備えて厚くなります。
プロゲステロンが分泌され、この時期は性欲が乱れがち・・・安らぎを求める気持ちが強くなることもあります。
受精卵が着床すれば妊娠が成立し、プロゲステロンの分泌が続きます。
もし妊娠しなかった場合、子宮内膜は剥がれ落ち、生理が始まることになります。
気持ちの変動が大きく、性欲が乱高下する女性が多い時期です。精神的なつながりを大切にすることが重要です。
秋のイメージでいうと、実りの秋。卵子と精子が結びつき、妊娠が実る時期に例えられます。
また「女心と秋の空」のように、気持ちの上がり下がりが激しい時期で要注意です。

パートナーも一緒に!生理周期ごとの養生

◆月経期(生理中) 「冬」
お腹周りは、温かく保つことが非常に大切!冬に体を温めることが大切なように、この時期の冷えは厳禁です。
出血や生理痛など、不調を訴える女性が多いので、男性の皆さんは率先してパートナーのケアを心がけましょう。
温かい飲み物を用意したり、腰や下腹部は温かくした手でさすってあげましょう。
血や精が不足するので、黒胡麻、黒豆などの黒い食べもの、プルーンやほしぶどう、なつめなどの赤い食べものを取り入れるといいですよ。

◆卵胞期 四季「春」
消耗した血・精も回復し精力・精神ともに安定し、性欲も高まります。
この時期に放出されるエストロゲンは「愛されホルモン」とも呼ばれ、感情的なつながりを深めます。
パートナーとの親密な関係を築くのに最適な時期です。
生理中に優しく支えてくれたパートナーには感謝の気持ちを伝えてみてはどうでしょうか?頼られることで、男性も嬉しいです。
この時期は気血を補う食事がおすすめです。
大豆などの豆類、赤身肉(牛肉だと鉄分が摂れ、豚肉だと脂質代謝がよくなります)、キャベツ、海老などもよいでしょう。

◆排卵期 「夏」
漢方の考えでは陰→陽に切り替わるので、陰から陽への気の変化を促すのに、香りのよい食材の、香菜、セロリ、春菊などがおすすめ。
または二人で好きなお香やアロマを焚いてみるのはいかがでしょうか。

◆黄体期(生理前)「秋」
妊娠に備える時期です。冷やさずに体の中と外からダブルで補温しましょう!
女性に比べ、男性の方が温かい傾向があります、パートナーをやさしく抱きしめてあげましょう。
食事では、生姜、ニンニク、キクラゲ、椎茸、鶏肉、ホタテ、人参、かぼちゃ、サンザシ など
ホルモンバランスの変化により、気が張りやすくなるので、リラックス出来るアロマや排卵期同様に香りのよい野菜を使うのもおすすめです。

いかがでしたか。
女性の体のことを知ることで、男性が出来ること気遣えることがあるのではないでしょうか。
どんなサポートが欲しいかお互いに話し合ってみるのもいいかもしれませんね。
次回は、漢方で妊活応援!パートナーと深める性養生 ~男性の体を漢方的に知ろう!~』
男性は自分自身をいまより知り、女性はパートナーを知る機会にしてください!ぜひお楽しみに!

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荒毛 克麻
荒毛 克麻 - Katsuma Arake

[カガエ カンポウ ブティック パルコヤ上野店店長・薬日本堂漢方スクール講師]
自身の体調を崩した事をきっかけに、薬日本堂漢方スクールにて漢方を学び始める。養生・漢方の魅力を多くの方に伝えたい想いから、2012年薬日本堂に入社。現在はカガエ カンポウ ブティック パルコヤ上野店店長として、漢方相談を行いながら、スクール講師を務める。ダイエットや美容の相談を得意とし、笑顔になれるカウンセリングに定評がある。テレビ新潟では、漢方コーナー「おしえて漢方」の出演経験も持つ。

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