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公開日:2024.06.21 1009view

気象病のめまい・頭痛

漢方薬のつぶやき vol.20

気候は人の体に影響する
最近よく耳にする「気象病」。
気圧・温度・湿度など、気候の変動に伴い起こる不調全般を総称したものです。
雨が降るとき、梅雨時期、台風の接近時などにさまざまな不調が起こります。

自然と人のつながりを大切にする漢方では、季節や気候の変化が人のからだに変調をきたすと考え、養生を実践し、必要に応じて漢方薬を活用しています。

気象病の原因と漢方薬についてお伝えします。

気象病の症状と原因
気象病ではさまざまな不調が起こります。

めまい、頭痛、耳鳴り。
首や肩の重だるさ、吐き気、倦怠感。
関節の痛みやこわばり、手脚のしびれ、古傷の痛み。
気分が沈み、意欲が湧かないなど精神的な不調を感じることも。

一般的にいわれる原因は、自律神経のバランスの乱れや、内耳の機能低下などですが、はっきりわかっていないようです。

漢方では、曇天や雨の日、梅雨時期に起こる不調は、湿邪の影響と考えます。気候の湿度が高くなり人体に悪影響を与えるレベルになったものを湿邪といいます。

ただし、湿度が高いからといって、みんなが気象病になるわけではありません。
つまり、体の方にも原因があります。

気象病になりやすい体質
気象病の原因は、気候プラス気候の影響を受けやすい体質です。

その体質とは、水滞(すいたい)と、脾気虚(ひききょ)。
水滞は水分代謝不良、脾気虚は胃腸虚弱です。

これらの体質があると、気圧・湿度・温度などの気候の変動や、季節の変化によって不調が起こりやすい傾向があります。

水滞や脾気虚の体質がないか自分でチェックしてみましょう。

水滞では、めまい、ふらつき、頭痛、耳なりや耳塞感、吐き気、むくみ、関節のこわばりが起こりやすいです。
脾気虚では、食欲不振、食後に腹部が張る、食後の眠気、疲れやすい、軟便・下痢、胃下垂がみられます。



養生のポイント
養生ポイントは、水の巡りをよくすること、胃腸を労わることの2つです。
とくに曇天・雨・梅雨時期では、この2つを心がけると気象病を予防したり軽減することができます。

水の巡りを整えるには、適度に汗をかいて、体に停滞した余分な水分を出すことが大切。半身浴でじわっと汗をかくくらい温まりましょう。

水分摂取は温かいものを少量ずつ摂るように。はとむぎ茶、プーアール茶、トウモロコシのひげ茶、あずき茶は水分代謝を促進してくれるのでおすすめです。

気象病のめまい・頭痛の漢方薬
半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)
曇天・雨・梅雨時期に起こるめまいや頭痛に使われる代表的な漢方薬です。
水滞を取り除くことと、脾(胃腸の働き)をサポートするのが特徴です。

普段から胃腸虚弱で冷えやすい人の、頭痛・頭重、めまい、耳鳴り・耳閉感に用いられ、吐き気、食欲不振、乗り物酔いにも効果があります。
気象病のほか、メニエール病にも応用されている漢方薬です。

気象病は気候の変動だけでなく、体質にも原因があって引き起こされます。自分の体質を知り、養生を心がけることで予防・軽減することができます。
漢方薬は今回紹介したもの以外にもあります。症状と体質に合ったものを服用するようにしましょう。

飯田 勝恵
飯田 勝恵 - Katsue Iida[薬剤師・薬日本堂漢方スクール講師]

静岡県立大学薬学部卒業。1998年薬日本堂入社。約10年間の臨床と店長を経験。店舗運営や相談員教育などに携わり、その後「自然・人・社会に役立つ漢方の考えをより多くの人に伝えたい」と講師として活動。薬だけではない漢方の思想や理論に惹かれ、気功や太極拳、瞑想なども生活に取り入れながら漢方・養生を実践している。

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