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公開日:2023.10.25 更新日:2024.06.132075view

目元口元のちりめんじわ、秋から増える乾燥肌に備える

漢方であなたを応援vol.19「肌の潤い養生」

乾燥した肌は、水分を失ってしわしわになった果実と同じ…
10月には秋が深まり、冬支度を始めるのが11月中旬頃。
この時期は、晴れて空気が乾燥する日が続き、洗濯物もよく乾きます。

8月のコラムでも書きましたが、今年の夏は例年以上に暑く、たくさん汗をかきました。汗は体表から出る時に体内の潤いと元気を奪うため、夏バテに伴う肌老化が多くみられます。
さらに外気が強く乾燥すると、髪や肌の潤いも奪われます。
例えば瑞々しい果物も、外気にさらして放置しておくとどうでしょう?水分を失い、数日で表面がしわしわになってしまいます。
それと同じことが肌でも起こるので、この時期は目元口元の細かなしわに要注意です。

『酸甘化陰』、酸味と甘味で潤い補充
薬膳では、酸味と甘味を一緒に摂ると潤いにかわるという考え方、『酸甘化陰(さんかんかいん)』という言葉があります。
旬の果物はほとんどが酸味と甘味を併せ持つので、秋冬の食事にとり入れましょう。
果物を食べる機会がないという方におすすめなのは、紅茶にハチミツとレモンを加えて飲むこと。少し気分を変えたい夕方のリフレッシュタイムに、潤い補充のルーティーンも加えてください。
レモン以外の果物、例えばキウイのスライスやドライイチジクなどもおすすめです。

クルミやマツの実、アーモンド、胡麻などのナッツは植物からの恵みで、上質な油分が豊富です。
ローストしたものをそのまま食べたり、サラダにトッピングしてもよいでしょう。休憩時間のカフェラテに砕いたナッツを添えるのもおすすめです。
ただし、吹き出物が多く出ている時は要注意。油分のとり過ぎで悪化させることもあるので、加減して食べましょう。

私自身は肌の潤い不足や血行が悪いと感じたら、スープに白キクラゲ、黒キクラゲを加えます。植物性のコラーゲンと食物繊維が豊富なキクラゲは、肌の潤いを補い、お通じの調子も整えてくれるので美容食材としておすすめです。

肌の乾燥対策も内側と外側、両面から!
漢方美容では、スキンケアは内側と外側、両面から行うのが基本と考えます。
酸甘化陰やナッツで内側から潤いを補充したら、外側からも潤しましょう。

手軽な方法として、エクストラバージンオイルやスクワランオイルに和漢植物のエッセンスを加え、目元口元を軽くマッサージするのはおすすめです。
ハトムギは古くからイボ取りにも利用されてきた植物です。薬局で購入できるハトムギ粉(ヨクイニン末)に少量の水とヨーグルトを加えたパックは、自分で好きな時に新鮮なものが作れる優れもの。乾燥肌だけでなく、肌のざらつきや毛穴が目立つ時などにもおすすめです。

身近な食材、植物の力を活かして、両面から肌を磨きましょう!

薬日本堂ではご自身の肌悩みに合ったスキンケアや漢方薬をご提案いたしております。気軽にお立ち寄りください。

動画で!漢方の視点から考える肌のシワと髪のパサつき対策 からだを整える漢方のすすめ


齋藤 友香理
齋藤 友香理 - Yukari Saito[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年北海道生まれ。東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務めていた。多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら社員教育にも携わり、「養生を指導できる人材」の育成に励んでいる。分かりやすい解説と気さくな人柄で、幅広い年齢層から支持されている。

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