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公開日:2021.12.20 更新日:2021.12.202287view

夏に収穫でも冬に重宝する「かぼちゃと小豆のお粥」

季節を感じて気軽に薬膳 vol.18

「一陽来復」で運が上昇する「冬至」
二十四節気の冬至、陰が極まり、一年で最も夜の時間が長い一日です。
ここから昼の時間が回復して陽に向かう日でもあるため、太陽が生まれ変わる「一陽来復(いちようらいふく)」運が上昇する日ともいわれています。

仕事納め、年末の大掃除、年始の準備など多忙を極める方々も多いでしょう。
体調管理に留意して元気に過ごしたいものです。

冬至といえばかぼちゃ
今でこそ、寒い冬でもさまざまな野菜を手に入れることが出来ますが、昔は大根の葉や白菜など数少ない緑黄色野菜が重宝されました。
そのひとつが、かぼちゃです。

かぼちゃは各種ビタミンが豊富に含まれ、食物繊維も多い食材です。
甘味があり、煮物やスープ、お菓子の材料としても重宝します。
種は南瓜子(なんかし)または南瓜仁(なんかにん)といって、古くから虫下しとして利用されてきました。
ただ、食べ過ぎるとお腹が下ってしまうので要注意です。

「冬至にかぼちゃを食べるとかぜをひかない」と言われています。
我が家では、ぜんざい風の小豆かぼちゃに、よもぎ餅を加えていただきます。
よもぎは身体を温める働きがあるので、寒い冬を乗り切るのにも有効です。

かぼちゃと小豆のゴールデンコンビ
かぼちゃはそのまま甘く煮てもおいしいのですが、小豆を合わせるとお互いの働きを高めることができます。
かぼちゃはお腹の調子を整えることで消化吸収を高め、小豆は体内の水を巡らせる働きがあります。
2つを合わせると、冷えの原因になる余分な水がたまりにくい身体作りに有効です。

かぜをひいたときやお腹の調子が悪い時にもおすすめなのが、かぼちゃと小豆のお粥です。
こちらは水を加減して、かぼちゃ入りの小豆ごはんとして炊くこともできます。
お好みの炊き方で、冬の身体を癒すかぼちゃと小豆のゴールデンコンビを摂りましょう。

【材料】(2人分)
かぼちゃ 150g
小豆   20g
米    1/4合
雑穀   大さじ1
水    1カップ
塩    少々

【作り方】
①小豆はたっぷりの水でやわらかく茹でておく。
②米はといで雑穀を加えて浸水しておく。
③かぼちゃを食べやすい大きさに切る。
④②に①を③、塩少々を加えてお粥モードで炊く。


【薬膳食材メモ】
かぼちゃ:温性/甘味 お腹の調子を整えて元気を補う。
小豆:微寒性/甘味 熱を冷まして水を巡らせる。余分な水を解消する。
 (書物によっては平性とされているものもある)

齋藤 友香理
齋藤 友香理 - Yukari Saito[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年北海道生まれ。東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務めていた。多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら社員教育にも携わり、「養生を指導できる人材」の育成に励んでいる。分かりやすい解説と気さくな人柄で、幅広い年齢層から支持されている。

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