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公開日:2021.12.01 更新日:2021.12.014550view

冷え症なのに口内炎!?

プチ不調は自分でカイゼン Vol.32

口内炎は、実熱?虚熱?
痛くてつらい口内炎!
一般的には、偏食や暴飲暴食による鉄分やビタミンの欠乏、かみ合わせ 、口内乾燥、ストレスや睡眠不足など、原因はいろいろと考えられますが、正確には解明されていません。
漢方ではどのように考えるのでしょう?

漢方では、実熱(じつねつ)の口内炎と、虚熱(きょねつ)の口内炎に分けて考えることができます。

実熱は、刺激物や味の濃いもの、脂っこいものの食べ過ぎや暴飲暴食が原因で出来る口内炎です。
また、ストレスや激しい感情の起伏などで出来る口内炎も、実熱にあたります。
痛みと炎症がひどいのが特徴です。
この場合は、余分な熱を冷ます漢方薬や養生で対策します。

虚熱は、実熱が長引くと体液などが消耗され、潤い不足になることにより出来る口内炎です。
過労や体調不良の影響で元気が不足し、熱のコントロールが出来なくなって現れる口内炎も、虚熱にあたります。
なかなか治らず、繰り返し口内炎が出来るのが特徴です。
潤いと元気を補う漢方薬や養生で対策します。

実熱、虚熱がごちゃごちゃしている場合が多いので、生活全般を見直す必要がありますね。

口内炎に使う代表的な漢方薬を紹介します。

実熱タイプに・・
◎黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
体力中等度以上で、のぼせぎみで顔色赤く、イライラして落ち着かない傾向のあるものの次の諸症:
鼻出血、不眠症、神経症、胃炎、二日酔、血の道症、めまい、動悸、更年期障害、湿疹・皮膚炎、皮膚のかゆみ、口内炎

虚熱タイプに・・
半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
体力中等度で、みぞおちがつかえた感じがあり、ときに悪心、嘔吐があり食欲不振で腹が鳴って軟便又は下痢の傾向のあるものの次の諸症:
急・慢性胃腸炎、下痢・軟便、消化不良、胃下垂、神経性胃炎、胃弱、二日酔、げっぷ、胸やけ、口内炎、神経症

※上記の漢方薬は一例です。専門の相談薬局で体質にあった漢方薬をご利用ください。

口内炎対策!おすすめ養生法
●スイカズラうがい
スイカズラの別名は金銀花。
煎じ液でうがいをして炎症を和らげましょう。
甘草(リコリス)と一緒に煎じるとさらに効果的です。
緑茶うがいでもいいですよ。

●肥甘厚味、辛みの摂りすぎ注意!
肥甘厚味(ひかんこうみ)とは、甘い味、濃い味、脂っこい食べ物のことです。
これらは、体内に熱を生じさせるので、ほどほどに。
特に夜には出来るだけ摂らないようにしましょう。

●食べるより寝ること優先!
治す力は、良く寝ることで養われます。
特に虚熱タイプの口内炎の方は、無理は禁物!
昼までダラダラ寝るのではなく、早寝を心がけ、朝は決まった時間に起きる方がおすすめです。

クマザサで胃もたれ、口臭、口内炎対策!
古来よりクマザサ(熊笹、隈笹)は、握り飯やお寿司など、魚の鮮度を保つ包材として広く利用されてきました。
冷蔵庫のない時代に、クマザサには防腐・抗菌効果があることを、昔の人々は知っていて、上手に生活に取り入れていました。

また、クマザサは、胃腸病、高血圧、喘息やカゼの時には煎じて飲み、すり傷や火傷、虫刺されなどには笹を熱抽出したエキスを塗るなどして、民間療法としても広く利用されてきました。

一般には、胃もたれのお茶として使われています。
消化を促進し口臭や体臭の予防、口内炎や歯槽膿漏などに応用して使われています。

煎じたものを、クマザサ茶として普段のお茶代わりとして使えます。
また、緑茶、レモングラス、ペパーミント、ハトムギなどをちょい足しすると、ブレンド茶しても楽しめますよ。

年末年始の暴飲暴食対策としてもおすすめです。

鈴木 養平
鈴木 養平 - Youhei Suzuki[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年宮城県生まれ。東北医科薬科大学卒業後、薬日本堂入社。臨床を経験し、店舗運営、教育、調剤、広報販促に携わる。札幌に勤務中、TVの漢方コーナーにてレギュラー出演。漢方薬による体質改善の指導・研究にあたる一方で、“漢方をより身近に”とセミナー講師・雑誌・本の監修(『おうちでできる漢方ごはん』『かんたん・おいしい薬膳レシピ』)で活躍中

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