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公開日:2021.11.20 更新日:2021.11.20580view

カゼかな?ゾクゾクする寒気に「葱鼓湯」と「ねぎ味噌湯」

季節を感じて気軽に薬膳 vol.16

山から冬の便りが届き始める「小雪」
二十四節気の小雪、山間部ではちらほらと雪の便りが届き始める時季です。

夕方になるとグッと気温が下がり、日が短くなったのを感じるようになりました。
北風が吹くと、冬のコートを着て襟を立てたくなります。
カゼを引き起こす風邪(ふうじゃ)は、首の後ろや肩の辺りから侵入しやすいので、寝ている時に肩が出ないように注意しましょう。

カゼの引き始めに「葱鼓湯」
前回、カゼの引き始めの養生をお伝えしました。
カゼの症状にはさまざまなタイプがあるので、ゾクゾクする寒気が強いか、のどのイガイガする痛みが強いかで、薬膳レシピも漢方薬も異なります。

カゼの引き始めに飲む漢方薬といえば葛根湯が有名ですが、中国にはもっとシンプルな自宅で作れる処方があります。
それが「葱鼓湯(そうしとう)」です。

葱鼓湯は葱白(そうはく)と淡豆鼓(たんずし)で構成されています。
葱白はネギの白い部分、淡豆鼓は大豆または黒豆に塩を加えて発酵させたもの。
中国の調味料、豆鼓(とうち)と言えばわかりやすいでしょうか。
どちらも発汗作用があるので、ゾクゾクとした寒気と軽い発熱があるものを改善します。

葱鼓湯は刻んだ葱白と豆鼓を煮るだけなのですが、ご家庭では生姜のスライスと鶏ガラスープの素、紹興酒を加えて作るとおいしくいただけます。

「葱鼓湯」の兄弟?!「ねぎ味噌湯」
日本で大豆を発酵させたものといえば、納豆や味噌が思い浮かびます。
そして民間療法で寒気のあるカゼに使うものといえば、「ねぎ味噌湯」。
みじん切りにしたねぎ大さじ1と、おろし生姜少々、味噌と砂糖小さじ1ずつをカップに入れて混ぜ、熱湯を注いで飲むというものです。
カゼかな?と思った晩に飲むと、身体の中から温まり、ポカポカの状態で眠れます。

ねぎと味噌を組み合わせると、アレンジ次第でご飯のお供や野菜をおいしく食べるためのディップにもなります。
今回は、余りやすいねぎの青い部分を使った、ねぎ味噌レシピを紹介しましょう。

【材料】(作りやすい分量)
長ねぎの青い部分 2本分
ごま油      小さじ1
(調味料)
生姜のすりおろし 小さじ1
味噌       大さじ3
砂糖       大さじ1(甘めが好みであれば大さじ2に)
みりん      大さじ1
酒        大さじ2
醤油       少々

【作り方】
①フライパンを熱してごま油をひき、みじん切りにしたねぎを加えて炒める。
②調味料はすべて合わせておき、ねぎがしんなりしたところに加える。
③こがさないようにへらで混ぜながら、水気がなくなるまで煮詰める。

【薬膳食材メモ】
ねぎ:温性/辛味 身体を温めて発汗させる働きがある
味噌:寒性/鹹味(かんみ:塩味) 身体の熱をとるので発熱時によい
豆鼓:寒性/鹹味 カゼの初期の発熱によい

齋藤 友香理
齋藤 友香理 - Yukari Saito[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年北海道生まれ。東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務めていた。多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら社員教育にも携わり、「養生を指導できる人材」の育成に励んでいる。分かりやすい解説と気さくな人柄で、幅広い年齢層から支持されている。

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