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公開日:2021.11.10 1885view

冷え対策で、妊娠しやすい身体づくり

季節の不調と漢方相談Vol.6

なぜ冷えはよくないの?
二ホンドウ漢方ブティック柏髙島屋店、店長の岩田です。

日差しが弱まり、木枯らしが吹き始める季節になりました。
これから気温も日増しに下がっていきます。
気温が下がると、血管が収縮し、血流量が減ってきます。
血流量の減少はそのまま冷えにつながります。

赤ちゃんが喜ぶお母さんの身体とは
赤ちゃんを育んでいくための子宮をベッドに例えると、どんなベッドが好ましいでしょうか?

正解は①ポカポカの温度②包み込む心地よいクッションがあること、です。
子宮のベッドは血液です。
その血液がたっぷりあって、フレッシュで、栄養もたっぷりが良いということは、想像に難くないと思います。

そのために、まずは身体を冷やさないこと。
冷えは足元から上がってくるので、足首から腰回りは特に注意しましょう。

妊娠力アップには『腎』と『脾』の「気」を高めることも大切!
漢方でいう「気」とは、目に見えませんが、例えるなら自分を守ってくれる大きな手のような存在。
病気にならないように、外からくる病気の原因となるものから身体を守ったり、身体を温めてくれたり、血行をよくしてくれたりと、身体をいい状態に保ってくれる働きがあります。

このように身体を守り、温めて、動かすエネルギーである「気」には「先天の気」と「後天の気」があります。
この気を高めるためには、生命力である「先天の気」を蓄える“腎”、飲食物から「後天の気」を作る“脾”を大事にすることが重要です。
この2つの臓の働きに負担をかけないことが養生のポイントになります。

そのためには、睡眠をしっかりとり、季節に合ったものを食べましょう。
さらにおすすめの食材は、黒いもの(黒豆・黒ゴマ・ひじきなど)や赤いもの(人参・うずら豆・リンゴ)などです。

注)ここでいう”腎”や”脾”は、東洋医学で身体の機能を表すもので、現代医学でいう”腎臓”や”脾臓”とは異なります。

黒ごまと山芋だんごのポカポカ白玉風
今回は腎と脾を補い、冷えにも良いレシピをご紹介いたします。

■材料(作りやすい分量)
黒ごまペースト・・・大さじ3杯
山芋・・・100g
だんご粉・・・100g
豆乳・・・300cc
本くず粉・・・10g
はちみつ・・・大さじ3
すりおろし生姜・・・適量

■作り方
1.山芋はすりおろす。だんご粉は適量の温水とこねて山芋と混ぜておく。
2.鍋に湯をわかし、その中に山芋だんごをスプーンで落とす。浮き上がったら取り出しておく。
3.鍋に豆乳を入れ弱火で温め、黒ごまペースト、はちみつを入れ撹拌する。
4.本くず粉10gを水150mlで溶き、電子レンジ500Wで50秒温める。(透き通るまで10秒ずつ加熱する)
5.2の鍋に3のくず湯を少しずつ入れて撹拌する。お好みの量のおろし生姜を加えて混ぜ合わせる。
6.器に4を注ぎ、山芋だんごを加えて完成です。

【薬膳食材メモ】
黒ごま:腎を補う、黒い食材               
山芋:脾を補う、滋養強壮に              
豆乳・はちみつ:潤いの働きがある 
生姜:体を温める   
              

岩田 和代 Kazuyo Iwata
[ニホンドウ漢方ブティック柏髙島屋店店長・薬剤師・国際中医師]
製薬会社MR、薬局勤務を経験後、2003年薬日本堂入社。調剤薬局勤務時に「病気にならない体づくりが大切」との想いから「未病を治す」という考え方のある漢方に興味を抱く。
漢方相談では、お客さまとの信頼関係を大切にしながら「日々の習慣が体を作っていく」養生の大切さをお伝えしている。
ニホンドウ漢方ブティック柏髙島屋店

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