漢方ライフ読む(コラム一覧) > のどのイガイガやつらい咳に、潤いトリオで作る「柿の白和え」
公開日:2021.11.05 更新日:2021.11.054143view

のどのイガイガやつらい咳に、潤いトリオで作る「柿の白和え」

季節を感じて気軽に薬膳 vol.15

木枯らしが冬の始まりを告げる「立冬」
二十四節気の立冬、日中も気温が上がらず、木枯らしが吹いて冬の始まりを告げる時季です。

11月に入り、気温がぐっとさがってきました。
衣類を冬用の温かいものに入れ替え、所によってはこたつを準備します。
外に出る際は、首元と手首から風邪(ふうじゃ)と寒邪(かんじゃ)が入り込まないように、マフラーや手袋で守りましょう。

あなたはどちら?ゾクゾク寒気とイガイガ炎症
冬の冷たい風にさらされると、身体を守る力が低下してカゼをひきやすくなります。
カゼの症状でよくみられるのが、「ゾクゾクした寒気」と「イガイガするのどの炎症」です。
どちらの症状があらわれやすいのかは、その人の体調によって異なります。

ゾクゾクした寒気が強い時は、熱いお茶に生姜やシナモンを加えて飲みましょう。
夕飯のみそ汁には、長ねぎをたっぷり添えていただくのがおすすめです。
いずれも辛温(しんおん)の食材で、カゼの原因となる風邪を払いのけてくれます。

のどがイガイガして咳き込むような時は、緑茶の出がらしによるうがいや、菊花とミントを加えたお茶がおすすめです。
今が旬の柿は、のどの熱を冷まして咳を鎮めてくれます。

そのまま食べてもよいのですが、冷えが気になる方はひと工夫してみましょう。
柿は皮をむいて、厚さ5mm程度のいちょう切りにします。
耐熱容器にシナモンシュガーを混ぜた柿を入れて、電子レンジで1分ほど加熱すれば、温性のシナモンと熱が加わって温かく食べることが出来ます。

柿と白色食材で冬の乾燥にも負けない身体作りを
呼吸器を担う五臓の肺は乾燥に弱いので、潤いを補う白色食材や柿を活用した薬膳で養生しましょう。
柿の白和えは、手軽に作れて箸休めにもよい一品です。
少しボリュームを増やしたい時は、ひじきを煮たものやほうれん草、小松菜を和えてもよいでしょう。

【材料】(2人分)
柿 1個
豆腐 半丁
白すりごま 大さじ1
砂糖 大さじ1(好みで減らしてもよい)
醤油 小さじ1

【作り方】
①柿は皮をむいて1cm角くらいに切る。
②キッチンペーパーで包んだ豆腐を電子レンジで1分加熱し、水気を切る。
③②をへらで崩しながら白ごま、砂糖、醤油を混ぜる。
④③に柿を加えてさっくり混ぜる。

【薬膳食材メモ】
柿:寒性/甘味 肺を潤して熱をさますため、咳やのどの渇き、二日酔いにもよい
白ごま:平性/甘味 気を補い、腸を潤す
豆腐:涼性/甘味 腸の渇きを改善するため、便秘によい

齋藤 友香理
齋藤 友香理 - Yukari Saito[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年北海道生まれ。東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務めていた。多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら社員教育にも携わり、「養生を指導できる人材」の育成に励んでいる。分かりやすい解説と気さくな人柄で、幅広い年齢層から支持されている。

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