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公開日:2021.10.20 更新日:2021.10.203024view

植物の恵みで潤いプラス「ほうじ茶豆乳ラテ」

季節を感じて気軽に薬膳 vol.14

朝晩の寒さと日中の乾燥が進む「霜降」
二十四節気の霜降、朝の露が霜にかわり、木々の葉が色づき始める時季です。

10月も後半になると秋が深まり、気温もぐっと下がり始め、北の方から木々が紅葉し始めます。
漢方では、木々を枯らす秋の気を「粛殺(しゅくさつ)の気」と呼んでいます。
この気が鼻やのどの粘膜と皮膚から潤いを奪っていくため、乾燥対策が養生のポイントになります。

動物も人も植物の恵みで潤う
植物たちはこの時季、果実や種実などの実りをつけます。
これらは動物が寒い冬を乗り切るための栄養です。
果実は水分と糖分、種実は脂肪分が豊富で、どちらも乾きを癒しながら栄養を補充します。

薬膳では、赤いクコの実が肌や髪を潤してツヤを与え、ドライアイや視力低下にも有効です。
そのままでも食べられますが、お茶やお粥、煮物、味噌汁に添えると彩りも華やかになります。
私は小瓶にクコの実とブランデーを入れて漬け込み、紅茶を飲むときに4~5粒添えて香りを楽しんでいます。

他にもレンコンや白菜、ハスの実、白ごま、松の実など色の白い食材は、五臓の肺を潤すので、秋の乾燥を癒してくれます。
おやつに落花生やくるみ、アーモンドなどナッツ類を食べると、肌だけでなく腸内も潤して便秘を解消してくれます。

松の実と白ごまで潤いをプラスした薬膳ドリンク
手軽に潤いを補充したい時には、潤いプラスの薬膳ドリンクがおすすめです。
今回は、ほんのり甘いほうじ茶ラテをご紹介しましょう。

お茶には様々な種類がありますが、紅茶やプーアル茶、ほうじ茶のような赤いお茶は、身体を温める働きがあります。
豆乳や牛乳を加えることで潤いを補充、同じく潤いを補う白ごまと松の実を加えることで、デザート感覚の薬膳ドリンクに仕上がります。

冷えが気になる方は、はちみつを黒糖に替えると温める力も増しますよ。
夜、小腹がすいたときにもおすすめのドリンクです。ぜひお試しください。

【材料】
濃い目のほうじ茶 100cc
豆乳または牛乳 50cc
松の実(フライパンで炒ったもの) 大さじ1
白ごま(すりごま 又は いりごま) 大さじ1
はちみつ 適量

【作り方】
①カップに濃い目に作ったほうじ茶と豆乳をそそぐ。
②はちみつを好みで加えて混ぜる。
③白ごまと松の実を加えて出来上がり。

【薬膳食材メモ】
松の実:温性/甘味 血を補い、肌や髪、腸を潤す
白ごま:平性/甘味 気を補い、腸を潤す
クコの実:平性/甘味 肝腎を補い、目を養う

齋藤 友香理
齋藤 友香理 - Yukari Saito[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年北海道生まれ。東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務めていた。多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら社員教育にも携わり、「養生を指導できる人材」の育成に励んでいる。分かりやすい解説と気さくな人柄で、幅広い年齢層から支持されている。

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