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公開日:2021.08.05 更新日:2021.08.053771view

「舌先が赤くプチプチしている」ときの原因・養生

舌は口ほどに物を言う ~舌診の話 Vol.10

舌先が赤くなる原因はストレス
ココロも活動も慌ただしく、忙しい日々を送っている“アカプチ”さんの体調と生活を前回お伝えしました。
舌先が赤くプチプチしているのは、心身のストレスが原因です。

そして、ストレスで舌が赤くなるのは、体内で起こっている「気の滞り」と「熱の発生」が関係しています。
「ストレス」「気の滞り」「熱の発生」は次のような関係になります。

緊張が続く、気分がふさぐ、怒りの感情やイライラが多いなどの精神的ストレスがあると、気の流れが滞ります。
“気”は温かい性質のため、気が滞ると熱が発生します。

舌の色は淡い赤が健康的な色で、濃い赤は体内に熱がこもっていると『舌の色でわかること(舌は口ほどに物を言うvol.8)』でお伝えしました。
気が滞ると熱が発生し、熱は赤くなる性質があるため舌の色が濃い赤になります。
プチプチと小さな膨らみが生じるのも熱が原因です。

そして困ったことに、熱は上昇する性質がありますので、上半身の特に頭部にこもり、イライラしやすい、気が高ぶる、目がさえて眠れないなどの状態を生み出し、悪循環になります。

“気を巡らせる”、“頭部の熱を下げる”養生
そこで、「舌先が赤くプチプチしている」ときは、気を巡らせる養生と、頭部にこもった熱を下げる養生を実践してみましょう。
「気を巡らせる」には、身体を動かすことと、”香り“を活かすことがおすすめです。

“ストレッチ”は気の巡りを整えます。
どこでも隙間時間で出来ますから手軽で効果的です。

“香り”には気を巡らせる効果があります。
アロマ、ハーブ、入浴剤などを活用し、食養生では香り野菜や柑橘類、ハーブティーなどを生活に取り入れるとよいでしょう。

「頭部にこもった熱を下げる」には、“頭寒足熱”を心がけてください。
半身浴や足浴で下半身をほどよく温めると、頭部の熱は自然と下がっていきます。
ほかにも、お腹や脚のマッサージをしたり、深い呼吸を意識することでも上昇し過ぎた気と熱を下げることが出来ます。

今、どんな気分?自分を観てケアする
「舌先が赤くプチプチしている」人は、自分のペースよりも周囲のペースを優先する生活を送っている傾向があります。そのため「今、どんな気分?」と自分の気持ちを観ることが大切です。

自分本来のペースや気持ちに意識を向けて、自分自身を丁寧にケアする時間を持ちましょう。

飯田 勝恵
飯田 勝恵 - Katsue Iida[薬剤師・薬日本堂漢方スクール講師]

静岡県立大学薬学部卒業。1998年薬日本堂入社。約10年間の臨床と店長を経験。店舗運営や相談員教育などに携わり、その後「自然・人・社会に役立つ漢方の考えをより多くの人に伝えたい」と講師として活動。薬だけではない漢方の思想や理論に惹かれ、気功や太極拳、瞑想なども生活に取り入れながら漢方・養生を実践している。

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