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公開日:2021.04.20 更新日:2021.07.152200view

穀物と野菜の甘味を活かした「きびと人参のサラダ」

季節を感じて気軽に薬膳 vol.2

穀物に恵みをもたらす雨「穀雨」
二十四節気の穀雨(こくう)は、この時期のやわらかい雨が穀物を筆頭に、植物たちの成長をうながします。
新しい年度になり、生活リズムに変化が起きた方々にとっては、ひと息つくための恵みの雨かもしれません。

春の陽気は肝の高ぶりをもたらします。訳もなくイライラしたり、頭痛やめまい、目の充血などがあらわれがち。これを放置すると、消化吸収を担う五臓の脾(ひ)に不調が生じてしまうことがあります。

気分が落ち込んで食事がのどを通らなくなってしまったり、腹痛や下痢を起こすことも。
身体が示すサインを見逃さず、早めに対処しましょう。

穀物と野菜の甘味が脾をいたわる
春に芽吹く穀物と、旬の野菜は甘味に特徴があります。
今回は甘味の食材、穀物のきびと、野菜の人参、食薬のクコの実を使った簡単レシピを紹介します。

食材の5つの味にはそれぞれ役割があり、甘味は脾をいたわるのに最適です。

【酸味】ひきしめて、もれを防ぐ
【苦味】熱をさまし、便を下して出す
【甘味】元気を補い、お腹の調子を整える
【辛味】気血を巡らせ、発汗をうながす
【鹹味(かんみ)=塩味】硬いものをやわらかくする

普段からお腹が弱い方、ストレスでお腹の不調が起きている方は、自然な甘味を摂るように心がけましょう。
野菜では春キャベツや人参、アスパラガス、穀物ではハトムギやあわ、きびなどがおすすめです。

きびと人参のサラダ
桃太郎のきび団子で有名なきび。使ったことがないという方も多いようなのですが、気軽に使える穀物です。

甘味が強い春の人参と合わせてサラダとしていただきましょう。
トッピングとしてクコの実を添えると、彩りも鮮やかになります。
サラダ菜をひいたり、キャベツの千切りを加えて量を増やすなど、アレンジは自在です。

【材料】
人参 1本
きび 大さじ2
クコの実 小さじ1
お好みのドレッシング 大さじ2程度
(今回は、亜麻仁油 大さじ2、リンゴ酢 大さじ1、塩・はちみつ少々を混ぜて作りました)

【作り方】
①人参1本を千切りにし、クコの実は少量の水で戻しておく。きびは洗ってざるにあける。
②鍋にきびと100ccの水を加え、中火で5分炊く。時々混ぜて、こげないように注意。
③ボウルに人参ときびを入れ、ドレッシングを加えて、あえる。
④最後にクコの実を加え、さっくり混ぜてから器に盛る。

【薬膳食材メモ】
きび:お腹の調子を整えて元気を補う
人参:お腹をいたわり、目の不調にも有効
クコの実:滋養強壮効果があり、目や耳の衰えに用いる





齋藤 友香理
齋藤 友香理 - Yukari Saito[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年北海道生まれ。東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務めていた。多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら社員教育にも携わり、「養生を指導できる人材」の育成に励んでいる。分かりやすい解説と気さくな人柄で、幅広い年齢層から支持されている。

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