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公開日:2020.06.01 更新日:2023.12.068940view

ジメジメ ベタベタ 梅雨時期のむくみ対策!!

プチ不調は自分でカイゼン Vol.14

雨=湿邪で身体をだるくする!?

雨の日が続くと、身体がだるくてやる気が起きないという方は多いのでは?
漢方では、湿邪(しつじゃ)が身体に影響している状態と考えます。

□疲れたというより、身体がだるい
□手足が重だるい
□頭が重だるい(頭重)、雨の日に頭が痛い
□便がベタつき、なかなか拭ききれない
□夕方からの足のむくみがいつもに増してひどい
□胃がつかえた感じがする


このような症状があるときは、湿の影響を受けているサインです。

湿の影響を受けている時は、五臓の脾(ひ)のケアが必要です。
脾はお腹の真ん中にあるとされる臓腑で、消化吸収の働きとエネルギーを運ぶ働きがあります。
“中“という漢字が使われている漢方薬は、お腹の薬と考えてみましょう。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、小建中湯(しょうけんちゅうとう)、安中散(あんちゅうさん)
などは全てお腹に関係した漢方薬ですね。

同じような水巡りの不調からくるむくみでも、
鼻水や鼻づまり、イボやジュクジュク肌は、肺のケアタイプ
尿のトラブル(頻尿や夜間尿、尿の勢いなど)、膝の水などは腎のケアタイプ
と考えます。
どのタイプも、むくみの症状はありますね。

梅雨時期簡単養生法

脾は食べた飲食物をエネルギーに変える役割があります。
エネルギーを作り出すのを邪魔するのが、‟寒さ“と‟湿気”です。
寒さと湿気対策になる簡単養生法を紹介します。

●お腹は冷やさない
温飲温食を心がけましょう。
熱すぎるものも負担をかけますので、体温程度の飲食がベストです!
生姜、ネギ、シソなどの薬味を上手に使うと、お腹は冷えにくくなります。
もちろん、夜いくら暑くてもお腹にはタオルケットですね。

●食事中の水分は取り過ぎない
食事はよく噛んで、唾液で咀嚼して胃液に持っていくのが、消化を良くして脾をケアする一番のポイントです。
水で流し込むように食事をすると脾に負担がかかり、食後とても眠くなりますよ。

●お腹を空っぽにする
夜寝る前の飲食は、だるさを増強させてしまします。
むくみやだるさが気になりすぎたら、夜ご飯を抜いてみるのもおススメです。
朝お腹が空っぽの状態で目覚めると、体が軽く感じますよ。
朝は、白湯にお粥と梅干し!!最高の養生食です。

●おススメのツボ
足三里(あしさんり): 足のむくみ、疲労回復、だるさ、消化不良などに
足の外側、膝の下のくぼみから指の幅4本分下がったところ。
棒などを横にあてて上下にマッサージしてもいいですね。

南蛮毛(なんばんげ)でだるさ解消

とうもろこしのヒゲを乾燥させたものが、南蛮毛といわれ漢方としても利用されています。

スーパーで売っているトウモロコシは、きれいにヒゲを切ってあるのが多いですが、青果売り場の方に掛け合って是非ヒゲを手に入れてほしいですね(笑)

作り方:
良く水洗いをしてからタオルなどで良く、水気をきってください。
そのまま乾かしてもいいですが、乾かす前か後で軽くフライパンで煎ると香ばしくなります。
水:600cc
南蛮毛:10g~30g(軽いので結構な量です)
沸騰後、弱火で15分ほど煎じる
ほのかなとうもろこしの香りのあるお茶が出来上がります。

働き:利水
お茶としてそのまま飲んでもいいですし、料理の水代わりに活用してもいいですね。
むくみ対策には最適!
身体にたまりがちな余分な湿気をとってくれますよ。

黄疸、血圧、糖尿、胆石などでも活用されています。

湿度が高くなるこの夏は、トウモロコシのヒゲ生活をしてみてはどうでしょう?

動画でも!「症状を自覚している人もしていない人も。身体の湿気対策してますか?むくみについて」

鈴木 養平
鈴木 養平 - Youhei Suzuki[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年宮城県生まれ。東北医科薬科大学卒業後、薬日本堂入社。臨床を経験し、店舗運営、教育、調剤、広報販促に携わる。札幌に勤務中、TVの漢方コーナーにてレギュラー出演。漢方薬による体質改善の指導・研究にあたる一方で、“漢方をより身近に”とセミナー講師・雑誌・本の監修(『おうちでできる漢方ごはん』『かんたん・おいしい薬膳レシピ』)で活躍中

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