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2020.03.264061view

漢方養生で見る感染症対策Vol.2 酢による消毒と胃腸の強化

中医学(中国伝統医学)では、流行性伝染病は時期(季節)や地域(場所)と深く関係があると考えます。感染症は一年を通して発生しますが、特に春先に最も多く発生します。このため、自然の変化に留意し、自然と調和することがとても重要です。

前回はもぐさによるの「部屋の消毒」を紹介しましたが、海外に在住の日本人にはもぐさが手に入りにくいと聞きましたので、今回は「酢による消毒」を紹介します。
このほか、「胃腸の強化と冷え対策」に関する知識を皆さんと共有します。

感染が広がらないように「酢による部屋の消毒」
1.まず部屋の窓を締めます。
2.酢の量は、部屋の広さや酢の濃度に比例します。量が少ないと効果が薄くなります。
3.20~30平方メートルの部屋に対する目安は次の通りです。
小さめの鍋に大さじ2杯のお酢と約300ccの水を入れて火にかけ、強火で沸騰したら弱火にして15~30分。鍋に酢が若干残っても大丈夫です。空炊きにならないよう注意しましょう!
4.火を消したらそのまま15~30分放置し、その後窓を開けて換気しましょう。

中医学でみる身体のしくみ:呼吸器と消化器の関係
今回新型肺炎になった方の中には、胃腸の症状が多く見られ、食欲不振、嘔吐、下痢などを伴っていました。これらの症状は、中医学では消化吸収を担当する内臓の「脾胃(ひい)」の問題と考えます。

脾胃は温かいものが好きで、冷えに弱いという特性があります。そのため、胃腸の調子が悪いときは、生もの(サラダ・果物類)と冷たいものを控えるべきです。温かいものと加熱したものを食べるようにしましょう。

また、脾は身体の中に水分を運ぶはたらきも担当するため、不調になると身体に余分な水が溜まり、やがて澱んで汚れてきます。汚れた水は肺に運ばれ、「痰」となって肺に溜まります。このときウイルスなどが侵入すると更に「痰」が増え、ますます呼吸がしにくくなります。

一般的に、「痰」は肺で作られると考えますが、実は「痰」は脾胃で作られ、肺に溜まることが多いのです。下記の図をみると、脾から肺に向かって矢印があり、肺は脾の力によって支えられていることを意味します。このため、脾胃の健康は肺にとっても大変重要になります。

胃腸に不調はないけれど、弱り気味。元気にしたいと感じたら
胃腸を強くする食べ物を摂りましょう
●穀類(米粟、麦、豆など)、肉、魚、卵など。
●野菜なら山芋、ニンジン。やわらかく煮たナツメやピーナッツ。
●漢方処方では補中益気湯、人参養栄湯がよいでしょう

胃腸の不調が発生したら!
身体が重だるい、食欲不振、舌苔が普段より多くて白い場合は、冷えと消化不良のどちらも起こっていると考えます。こんなときは、
●食品:生姜、ネギ、しそ、大根、キャベツ、カリフラワー、ブロッコリー、アスパラガス。香辛料を適度に使うのがおすすめです。軟らかく煮込むなどの加熱調理で、温かいうちにいただきましょう。
●生薬:生姜、陳皮、半夏、厚朴、茯苓、白朮、藿香
●漢方薬:半夏厚朴湯、六君子湯、安中散、平胃散
普段から胃腸の不調が発生したときは、上記を参考にして、対策を立てましょう。
ただし、漢方薬の服用は専門家に相談してください。

次回は鈴木養平先生による「漢方で考える睡眠や食事、免疫力アップ」を予定しています。
ぜひご覧ください。

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劉 梅 –リュウ・メイ
[中医師 ・薬日本堂漢方スクール専任講師]
中国黒龍江省生まれ、黒龍江中医薬大学卒業後、ハルビン医科大学付属二院に内科医として臨床を経験。1994年に来日、北海道大学医学部客員研究員を経て、2001年、薬日本堂に入社。薬局勤務の傍ら漢方相談員の指導・育成に参加、TV・雑誌でも活躍する。主な著書『中国の女医さんが教えるおいしくて身体にいい中華』『病気・症状を改善 これならできる漢方ごはん』。

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