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公開日:2020.01.15 更新日:2020.07.1412975view

花粉症対策/鼻の健康法~鼻は脳の入り口~

アーユルヴェーダ:季節の養生術vol.3

今日から始める花粉症対策~カパが優勢になる季節にむけて

アーユルヴェーダ担当の藤井です。今年もよろしくお願い致します。
小正月を迎え、もうじき日本は花粉症シーズンに入ります。花粉症での方が最も悩まされるのは、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの鼻の症状。そこで、今回は『鼻の健康法』についてご紹介します。「えっ!もう?」と思われるかもしれませんが、花粉症は症状が出る前からのケアが肝要です。

アーユルヴェーダの智慧に基づいた花粉症対策は、水のエネルギー『カパ』の調整がポイントです。
冬に蓄積されたカパが、気温の上昇とともに自然界にカパが増大し水の要素が多くなります。カパ体質の方や冬にカパが増えるような生活をしていた方は、この時期に、カパが増悪し花粉症の症状があらわれやすくなります。
また、朝はカパが優勢な時間で、カパは頭部に増大しやすく、特に鼻に症状が出やすいと考えられます。アーユルヴェーダには、頭部に増大したカパを鼻ケアで浄化していく方法があります。

花粉症対策にオススメの鼻の浄化法『オイル点鼻と鼻洗い』

アーユルヴェーダで『鼻は脳の入り口』と言います。
顔の真ん中にある鼻の不調は脳の働きに影響を与えるだけでなく、目や耳にも影響を及ぼすといわれ、鼻の健康は大切です。例えば、鼻づまりが改善されると、頭部がスッキリするとか、睡眠の質が良くなり疲れがとれる、目や耳の不調が改善するなど。
そこで、今回は、日常生活にすぐに取り入れられる鼻のケア方法をご紹介します。

スリランカのアーユルヴェーダ薬局/ユーカリの木

オイル点鼻法(ナシヤ)
アーユルヴェーダには、鼻の浄化法ナシヤ(※1)があります。これは、鼻腔にゴマ油(※2)やハーブ煎液、ハーブ粉末を点鼻する方法です。ナシヤは、鼻腔にゴマ油を点鼻し、鼻粘膜を刺激し、くしゃみや鼻水などを誘発しながら、頭部のカパドーシャを取り除く方法です。
今回は、手に入りやすいゴマ油を使った点鼻法をご紹介します。ゴマ油点鼻法は、鼻の通りが良くなり、鼻の不快感が取り除かれ、粘膜を保護し、乾燥を予防します。また、呼吸が楽になることから、睡眠が深まり、リラックス効果もある、といわれています。

方法は、仰向けになり、頭を後ろにそらせて、片方の鼻孔からゴマ油を2滴ほど滴下し、もう一方の鼻孔を押さえ、ゆっくりと吸いこみます。反対側も同じように行いましょう。喉の奥にゴマ油が垂れてきたら、ぬるま湯でうがいをするとさっぱりします。点鼻するのが不安な方は、綿棒などで鼻腔に優しく塗布するだけでも良いです。
※1ナシヤは、他にもナスヤやナシアと表記されたりします。
※使用するゴマ油は焙煎していない茶色くないゴマ油です。

鼻洗い(ジャラ・ネーティ)

この方法はもともとヨーガの浄化法のひとつです。最近、日本でも鼻うがいをされている方が多くなりましたが、コップやボウルを使って行っている人も多いのではないでしょうか。インドにはネーティポットという鼻洗い専用の容器があり、これで容易に鼻洗いが行えます。

方法は、0.9%濃度の塩の入ったぬるま湯(37℃くらい)を用意し、容器に入れます。まず、前かがみになり、顎を引き気味にして顔を少し横に傾け、「あー」と発声しながら、片鼻から容器内のぬるま湯を注入していくと、反対側の鼻孔から自然と流れ出てきます。容器のぬるま湯が半分になったら、反対側からも同じように行います。鼻づまりの時は、ぬるま湯が通り難いかもしれません。終わったら、ティッシュを鼻にあて、前屈で頭を下にし、ゆっくりと呼吸をします。
そうすると、溜まっていたぬるま湯が出てきます。出なくなるまで、2,3回行います。ジャラ・ネーティはコツをつかむのに少し練習が必要かもしれません。

鼻のケアは就寝前を避けましょう。鼻が乾燥しやすい方は、オイル点鼻だけにします。
これらの方法は、花粉症予防におすすめです。

カパを蓄積させない冬の生活のポイント

アーユルヴェーダでは、冬の過ごし方も花粉症の症状に影響すると考えています。気をつける点をまとめてみました。

 ・暴飲暴食に気をつけ、腹八分目を心がける
 ・温かい飲食物を摂るようにする(とくに冬のアイスクリームは避けよう!)
 ・乳製品、油っこい物、甘味、酸味の取り過ぎに注意!!
 ・身体、とくに頭部は冷えないように気をつける(夜の洗髪後は、きちんと乾かす)
 ・朝の早足ウォーキングやヨーガなどの運動はオススメ!

好きな物を我慢するのは大変かもしれませんが、少しずつでも日々の生活に取り入れてみましょう。

藤井 早苗
藤井 早苗 -Sanae Fujii-

『あたまから元気!』『ヘッド・リラクゼーション』等の著者、パティル・シーマ氏に師事。渡印を重ねアーユルヴェーダの知識、技術を学ぶ。現在は、おうちサロン『アーユルヴェーディックサロンあーと』を開き、仙台を拠点にアーユルヴェーダやヨーガセラピーの普及をしている。また、ハーブやスパイスを使った手軽にできる、美容・健康法のワークショップ・講座も行っています。

HP:http://ato8ayurveda.web.fc2.com/

FB:https://www.facebook.com/ato8ayurveda

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