漢方ライフ読む(コラム一覧) > 風邪の予防法と対策に『皮むき緑豆と野菜のスープ』
公開日:2019.10.15 更新日:2020.05.152885view

風邪の予防法と対策に『皮むき緑豆と野菜のスープ』

アーユルヴェーダ:季節の養生術vol.2

アーユルヴェーダ担当の藤井です。『天高く馬肥ゆる秋』『実りの秋』『食欲の秋』到来ですね。
さて、今年は例年より早くインフルエンザが流行し始めているようですが、夏の酷暑の疲れによる影響かもしれませんね。いよいよ、日本はこれから風邪の流行の季節を迎えます。
そこで、今回は『アーユルヴェーダによる風邪の予防法と対策』についてご紹介したいと思います。

アーユルヴェーダでは、冷たく乾燥した風が吹き始める季節に、風のエネルギーであるヴァータが増加すると考えます。そして、風邪は、主にヴァータと水のエネルギ―であるカパの増悪により起こると考えています。また、風邪の症状は、心身で消化しきれないものが浄化されていく過程でもあります。
それでは、風邪の予防には、手洗いやうがいの他にどの様な方法があるでしょう?そのポイントは、ヴァータが乱れないよう、過度に身体を冷やさないよう気をつけ、食事の内容や量に配慮し、体力を養い、ストレスを溜め込まないことです。

ヴァータを整える生活のポイント
・外出時は帽子やスカーフなどを使い、身体が冷えないように気をつける
・同じ時間に寝て、同じ時間に起きるようにする(十分に休息し、前日の疲れを残さないようにする)
・食事は、温かく消化の良い物や少々油分のある物を食べるようにする
・ニンニクやショウガ、コショウ、シナモンなど、身体を温めるものを食事に活用する
・食事は腹八分目。暴飲暴食は消化しきれない物を作ってしまうので注意する
・白湯を摂るようにする
・適度な朝の体操や呼吸法、瞑想もオススメ(テレビ体操や散歩など)

風邪対策にオススメのスパイス『トリカトゥ』

『トリカトゥ』とは、3つの辛いスパイス『ショウガ末、黒コショー末、長コショー末』がミックスされたものです。このミックススパイスは、食物の消化吸収を良くし、消化しきれなかった食物を燃やす働きがあります。
トリカトゥは、日々の食事にも利用できますが、とくに寒気がする時は、お茶かスープに加えて飲むと、身体がポカポカと温まりますので、温かいうちに休みましょう。また、喉がイガイガする時は、トリカトゥとターメリック(ウコン)とハチミツを混ぜたものを、1日3回ほど舐めるのもオススメです。
トリカトゥは、その他にも様々な使い方があり、摂取の仕方で働きが変わります。今回はスープをご紹介します。

カラダの内からポッカポカ!
風邪にオススメ『皮むき緑豆と野菜のスープ』

【材料(4人分)】
皮むき緑豆・・・1/4カップ(洗っておく)
ダイコン・・・・1/4本(1㎝角に切る)
ニンジン・・・・1/3本(1㎝角に切る)
A:フェヌグリークシード(ホール)・・・小さじ1/2
A:クミンシード(ホール)・・・・・・・小さじ1/4つまみ
A:コリアンダーシード(ホール)・・・・小さじ1/2
ショウガのみじん切り・・・・・・・・小さじ2杯
塩・・・・・・・・・・・適宜
スープの素・・・・・・・適量(量はそのメーカーの指示をしている通りに)
お好みで無塩バター・・・適宜

※季節や好みのお野菜を入れてください。フェヌグリークシードがない時は入れなくても良いです。
※トリカトゥパウダーがあれば、小さじ1/4位をショウガのみじん切りの代わりに入れてみましょう。

【作り方】
① 鍋に水とA(お茶パックに入れた3種スパイス)とショウガのみじん切りを入れて沸騰させる。
② 沸騰したら火を弱めて10分ほどグラグラさせて煎汁を作る。
③ ②に皮むき緑豆とダイコンとニンジンを入れてさらに煮る。
④ 緑豆が少し開いてきて、ダイコンも柔らかくなったらスープの素、トリカトゥ、塩を加えて、さらに煮る。ここでAは取り除く。
⑤ 緑豆が柔らかくなったらできあがり。(最後に無塩バターを加えてひと煮たちするとコクが出る)

気をつけていても、風邪を引いてしまうことはあります。そんな時は、浄化の始まりと考えて温かいものを摂り、ゆっくりと休みましょう。『風邪は万病のもと』という諺もあります。発熱や症状が重い時は、医療機関で受診しましょう。

No!!風邪の時のアイスクリーム・・・

アーユルヴェーダの実習中、ドクターと風邪の話題になった時、「小さいころは風邪を引くと、母親がアイスクリームを買ってくれて、あれが嬉しかったんだよね~」という話になりました。これは、日本人には、よくある話ではないでしょうか。
それを聞いたドクターが一言「No!!」。
私達は、「いいよ」と言ってほしいものだから、言葉を変えて何度も聞いてみたのですが、やはり答えは「No!!!」。よくよく考えてみれば、冷たいし、乳製品で消化に負担もかかるのでダメなのはわかるのですが…
ちなみに、花粉症の方は、いくら温かいお部屋といえど、冬のアイスクリーム「No!!!」です。

藤井 早苗
藤井 早苗 -Sanae Fujii-

『あたまから元気!』『ヘッド・リラクゼーション』等の著者、パティル・シーマ氏に師事。渡印を重ねアーユルヴェーダの知識、技術を学ぶ。現在は、おうちサロン『アーユルヴェーディックサロンあーと』を開き、仙台を拠点にアーユルヴェーダやヨーガセラピーの普及をしている。また、ハーブやスパイスを使った手軽にできる、美容・健康法のワークショップ・講座も行っています。

HP:http://ato8ayurveda.web.fc2.com/

FB:https://www.facebook.com/ato8ayurveda

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

ページトップへ