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公開日:2019.06.25 更新日:2020.05.187467view

梅雨時期のむくみに「とうもろこしと茄子のスープ」

家族の薬膳〜家族を守るママの養生 Vol.1

家族の薬膳、はじまります

一年間「子供の薬膳〜乳幼児編」をお伝えしてきました。
乳幼児に起こりやすい体調不良時での薬膳対応を四季を通してお伝え出来たので、今月からは乳幼児だけではなく、家族全員に視野を広げた「家族の薬膳」をお伝えしていきます。

初回は、梅雨時期に起こりやすいむくみに対応する薬膳をご紹介します。
むくみは子供は縁遠いテーマなので、生姜を少し効かせたお料理です。

そもそも、なぜ大人ばかりむくみが起こるのでしょうか。
子供の時は、むくみなんて全く気にしていなかったのに。

むくみの原因は、色々あります。冷え、運動不足、暴飲暴食、過労などなど。

子供は体温も高めですので、冷えも起こりづらいですし、毎日公園や学校で体を動かしているので、運動不足にもなりづらいですね。
暴飲暴食も、外食やお酒の付き合いが始まることで起こり始めるように思います。

原因は様々ですが、いずれも体内を巡る力が低下したことにより、余分な水分が排出されずにむくみが生じています。
薬膳で、巡る力をサポートしていきましょう。

とうもろこしはヒゲも芯も大切な食材

むくみの薬膳レシピでは、体を温めて水分代謝を促進する具沢山の食べるスープをご紹介します。

みなさん、「南蛮毛(なんばんげ)」はご存知でしょうか。
とうもろこしのヒゲで作られる生薬ですが、最近は健康茶としても販売されていて身近になりました。
南蛮毛は、利水作用といって、体内の水はけを良くする働きがあります。

この時期はとうもろこしがスーパーなどでも販売されていますが、むしって捨てられがちなヒゲも大切な生薬です。(私はとうもろこしの販売が始まると、ヒゲが取り放題だとワクワクしてしまいます。)
家でとうもろこしを蒸す際には、皮をむいて取れるヒゲは捨てずに調理で利用しましょう。むくみが気になる人にとっては宝物のヒゲです。

今回のスープは、コーン茶をベースにしつつ、だしパックにヒゲも入れて利水の働きを更にサポートします。
とうもろこしの芯も一緒に煮ることで甘みが増しますので、捨てずにスープの出汁にしましょう。
具材は、今が旬で体の余分な水分を取り除く働きのある、とうもろこしと茄子を使います。
茄子は体を冷やす働きがあるので、生姜を入れて温める働きをアップさせましょう。
茄子の皮にはポリフェノールのナスニンがあり、高い抗酸化力で日焼け対策にもなるので、皮も剥かずに利用します。その為、少し色の濃いスープになります。

【材料】
とうもろこし:1/2〜2/3本(他の野菜のサイズに合わせて調整下さい)
茄子:1本
にんじん:1/2本
たまねぎ:1/2個
生姜:1片(少量にするとお子様も食べやすくなります)
とうもろこしのひげ:適量
水:800ml
コーン茶茶葉:8g(パック入)
コンソメ顆粒:2つまみ
塩:2つまみ

【作り方】
① とうもろこしを蒸しておきます。皮を剥いた際のヒゲを取っておき、使用分をだしパックに入れておきます。
 *分量外のとうもろこしも蒸しておくと、おやつにもなります。
② 生姜をみじん切りにします。とうもろこしの実を削ぎ落とし、芯を鍋に入りやすいサイズにカットします。
③ 鍋に水とコーン茶の茶葉、生姜、とうもろこしのヒゲ、②で残ったとうもろこしの芯を入れ火にかけ、沸騰したら中火にします。
④ にんじん、たまねぎ、なすをみじん切りにして、③の鍋に加え15分中弱火で煮込みます。
 *火の通りづらいにんじんから先に切って鍋に入れていくと、完成までの時短になります。
⑤ ②のとうもろこしの実を加え、コンソメ顆粒と塩で味を整えたら完成です。

【食材メモ】
とうもろこし:胃の働きを助け、身体の余分な水分を出します。とうもろこしのヒゲは尿の排出を促し、むくみ改善をサポートします。
なす:胃の働きを助けます。体の余分な熱を冷まし、余分な水分を排出します。

コーン茶の香ばしさと、コーンや野菜の甘みが後を引くスープです。小粒の具材が食べやすく、忙しい朝でもサッと食べられます。

むくみ対策としては、温めたスープでお召し上がり頂きたいのですが、暑い日は冷製スープにしても、生姜の辛さが隠し味のさっぱりスープとしてお召し上がり頂けます。
寒天や葛を加えて冷やし固めると、冷製の前菜になります。

これから毎月、パパやママをはじめ家族みんなで役立てていただける内容をピックアップしていきます。

お子様がいるご家庭でのご飯作りのベースは「お子様でも食べやすい味付け」だと思いますので、濃すぎず辛すぎない味付けのお料理を基本的にご紹介していきますが、
日頃の疲れで起こる身体の不調に対する薬膳や、子供の季節行事で消耗した時に食べたい薬膳、どうにもイライラしてしまう時の薬膳など大人の症状もテーマに取り上げますので、ぜひご家庭で役立ててみてください。

市川 三弓
市川 三弓 - Miyumi Ichikawa

漢方スタイリスト、養生薬膳アドバイザー、ハーバルセラピスト、フードコーディネーター。一児の母。自身の体調不良をきっかけに漢方・薬膳を学ぶ。肉親の病も薬膳でサポートし克服。飲食店舗での薬膳イベント開催や薬日本堂でのセミナー講師を経て、現在は子供向けの薬膳を日々研鑽中。

◎レシピ協力
『薬日本堂の漢方で体をととのえる穀菜食』(主婦の友社)
『はじめての漢方ライフ 薬膳レシピ&食材べんり帳』(主婦の友社)
◎子供のご飯記録:https://www.instagram.com/ikumeshi2017

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