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公開日:2019.06.30 更新日:2020.07.278123view

夏に多い!?めまい・たちくらみ…夏野菜、お茶で改善

プチ不調は自分でカイゼン Vol.3

どんな時に回る?揺れる?

めまいや立ちくらみはありますか?と尋ねると多くの方が「たまに…」と答えます。
耳や脳の病気などが原因の方もいらっしゃいますが、ここでは「たまに…」という方を2つのタイプに分けて考えてみましょう。

「のぼせ」タイプ
寒い季節より、春から夏にかけて、めまいや立ちくらみが起きやすくないですか?
ガスコンロに火をつけたら上の空気が揺れるように、身体に熱を帯びるとめまいが起きます。
目がピクピクとけいれんをする、お風呂でのぼせてふらふらする、ストレスをためて感情が高ぶっている、キーンという耳鳴りがする、血圧が高くて頭痛がする・・・などの症状もこのタイプに入ります。

釣藤散(ちょうとうさん)抑肝散(よくかんさん)などはこのタイプでよく使われる漢方薬です。

「チャポチャポ」タイプ
身体にたまった余分な「水」が波打つようにめまいが起きます。
慢性的なめまいの方もこのタイプです。いつ起こるかわかりづらいのもこのタイプで、横になっている時や、座っている時にめまいが起こる方もいます。
雨の日に調子が悪い、車酔いや体調が悪いと嘔吐してしまう、だるくて倦怠感がある・・・などの症状もこのタイプに入ります。

苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)などは、このタイプでよく使う漢方薬です。

この時期は、暑くて(のぼせタイプ)湿度が高い(チャポチャポタイプ)ので、めまい・立ちくらみが起きやすいのも想像がつきますね。

めまいの簡単養生法

身体の基礎となる「気」や「血」が整っていることが大切です。生活リズムの乱れ、食事、睡眠を規則正しくとり、適度に体を動かすことが基本です。どのような生活と環境の時にめまいや立ちくらみが起きるかを観察すると養生もしやすくなりますね。

●耳マッサージ
耳には、全身を調整するツボが分布しています。
温度差や気圧の変化に敏感に反応して身体のバランをとるので、家事やデスクワークで疲れた時や朝スッキリ起きられないとき、天気が悪い日などに実践してみましょう。

① 親指と人差し指で耳をつまんで上のほうから5~10回外側に引っ張ります。
② 親指と人差し指で耳を5~6回ひねっていきます。

●夏野菜を積極的に摂りましょう
トマト、スイカ、ナス、キュウリなど・・・
夏野菜は、身体の余分な熱を冷まし、水分代謝を上げてくれます。
旬のものをその時期に食べるのは食養生の基本ですね。

羅布麻(ラフマ)で、のぼせめまい対策

のぼせタイプにおすすめのお茶は、ドクダミ、ハブ茶、羅布麻など、チャポチャポタイプには、ハトムギ、黒豆、ハスの葉などがありますが、ここでは羅布麻について紹介しましょう。

羅布麻は、中国の西部から北西部にかけて自生しているキョウチクトウ科の多年草です。

お茶として利用されている他に、茎が良質の繊維質に富むため、麻のように使用され、衣類や寝具に用いられています。「羅布麻(ラフマ)」の名前の由来は、原産地である中国の地名 「ロプノール(羅布泊)」と、繊維として同様に使われる「麻」 からきたといわれています。

中国では健康茶として古くから利用され、中国薬典には「肝臓を鎮め、精神安定、 解熱、利尿、高血圧、めまい、動悸、不眠」に用いると記載されています。

日本では、燕龍茶(ヤンロンチャ)と呼ばれており、血圧が高めの方に対する特定保健用食品としても売られています。

成分としては、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄などのミネラル類、アミノ酸、フラボノイド、ルチン、カテキン 、アントラキノン 、フェノール物質、多糖類などが含まれます。

せっかく飲む水分なら自分が必要としているものを飲んでみる・・・くらいの感覚で始めるのがいいですね。

鈴木 養平
鈴木 養平 - Youhei Suzuki[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年宮城県生まれ。東北医科薬科大学卒業後、薬日本堂入社。臨床を経験し、店舗運営、教育、調剤、広報販促に携わる。札幌に勤務中、TVの漢方コーナーにてレギュラー出演。漢方薬による体質改善の指導・研究にあたる一方で、“漢方をより身近に”とセミナー講師・雑誌・本の監修(『おうちでできる漢方ごはん』『かんたん・おいしい薬膳レシピ』)で活躍中

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