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2019.05.101454view

脾胃の健康こそ若さのカギ「鶏肉と山芋団子のスープ」

未病を癒す美養生 Vol.1

美容が〝治未病〟の入口に

みなさんこんにちは! 今月から新連載を担当する国際薬膳師・国際中医師の岡尾知子です。
連載のテーマは、「未病」そして「美容」。美容・健康エディターとして仕事をしてきた私が、東洋医学に出合い、学びを続ける中で、常に頭の中で温めてきたテーマです。隔月奇数月の更新となりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

高齢化が進む日本では、健康長寿が国民全体の目標になっています。病気の早期発見のために、毎年、人間ドックを受けている人も多いと思います。
でも、それとは別の角度から、健康長寿を実現するためのキーワードがあります。それは、東洋医学の〝治未病〟。つまり、病気になる前の段階でケアを行う「養生」の習慣です。

日々自分の体調に目を向けながら、自分自身の手でケアを施す「養生」という発想は、人間ドックに行くのと同じくらい、健康長寿に貢献できるもの。でも、忙しい日常生活の中で、どうやって養生を行っていけばよいのか……。養生が大切とわかっていても、現代人の多くは、忙しい生活の中で無理をしたり、頑張りすぎたり、自分の体の声に耳を傾けることができずにいるのではないでしょうか。

実は、そんな私たちが、最も簡単に実践できる未病対策があります。それが「美容」です。
朝の洗顔で鏡を見たり、電車の窓に映った顔に老いを発見したり、お腹のたるみや脚のむくみに悩んだり、白髪や抜け毛を気にしたり。女性も男性も、若さの衰えには非常に敏感です。実はこうした見た目の変化こそが、体全体の変化の表われ。変化に気づき、「何とかしなくては」と手を打つ美容ケアは、未病を癒す第一歩になると私は考えます。
何より素敵なのは、ケアを行えばきれいになれること! そして「お肌ツヤツヤですね」なんてほめられたりもすること! これなら、楽しく実践できそうですね。

肌のたるみは陽明(ようめい)経絡に現れる

さて、今回はその第一回。肌老化のバロメーターであるたるみやシワについて、考えていきたいと思います。
中国医学の古典『黄帝内経』には、こんな記載があります。

「男性は40歳、女性は35歳で陽明経絡が衰え始め、顔色が悪くなってシワができ始める」

どうですか? 思いあたる方が多いのではないでしょうか。
これは、有名な「女性は7の倍数、男性は8の倍数で命の節目がやってくる」という部分に出てくるフレーズです。

陽明経絡とは、体に走る気血の通り道のひとつで、五臓六腑の胃につながる経絡。この経絡が、顔に分布していることから、陽明経絡の衰えは老け顔につながるとされるのです。
陽明経絡が通るところにはたるみが気になるほうれい線があります。
そういわれてみると、30代半ばくらいになると小鼻の両脇のほうれい線ができ始め、40代、50代になるにつれ、口角、口の下へと伸びていくのがわかります。
陽明経絡の衰えを示すほうれい線は老いの印。これらが気になりだしたら、肌も体もそろそろ下降モードに入ったと考えて正解です。

脾胃を助ける鶏肉と山芋で若さを底上げ!

肌や体の下降変化を感じたら、まず始めたいのが脾胃(消化機能)のケアです。
なぜなら、陽明経絡は胃、そして大腸の経絡。肌にたるみが出始めたら、消化機能も衰え始めるのです。「若さの衰えとともに食が細くなった」「お腹がゆるくなりがちになった」という方は、特に消化機能を元気にすることが大切。日々の食事で、消化機能を健やかに保つ工夫をしましょう。

薬膳でお勧めしたいのは、脾胃の元気を補う鶏肉や山芋。脾胃に負担のかからないスープにしてとるのがよいでしょう。脂っこい料理、濃い味付け、砂糖をたくさん使った甘いものは脾胃の元気を消耗させるので控えめにしましょう。

食生活以外では、顔の表情筋をしっかり使っていくことも大切です。特にスマホやパソコンで下向きの姿勢になることが多い方は、重力の影響で顔のたるみが加速しやすくなります。前かがみの姿勢が続いたら、天を見上げて前頚部を思い切り伸ばしながら、大きな笑顔をつくる顔の体操を行うようにしてください。もちろん、テレビを見たり、友達とおしゃべりしながら顔全体で大笑いするのも効果的。楽しい時間を過ごせば、心のリフトアップにもなるでしょう。

今回は、若く、生き生きとしたハリを保つのにおすすめのスープをご紹介します。ポイントは、すりおろした山芋団子。老化防止にいい山芋の目先の変わった食べ方を、ぜひお試しください。

鶏肉と山芋団子のスープ
《材料》2人分
鶏モモ肉…150g
たまねぎ…1/4個
キャベツ…1枚
卵…1個
山芋(粘りの強いもの)…100g
(片栗粉…小さじ1~2)
青ネギ…少々
塩…小さじ1/2
しょうゆ…少々
こしょう…少々

【作り方】
①鶏肉は小さめの一口大に、キャベツは小さめのざく切りに、たまねぎは1㎝角に切る。
 青ネギは小口切りにする。
 鍋に水600㏄と鶏肉を入れて火にかけ、沸騰したらキャベツ、たまねぎを加え、フタをして20分ほど煮る。
②塩・こしょうで味を調えたら、皮をむいてすりおろした山芋をスプーンですくって静かに落とす。
(※水気の多い山芋の場合は、片栗粉を加えてよく練ってから落とすとまとまる)
③山芋が固まったら、溶き卵を回し入れ、ふんわり固まったら青ネギを散らす。 

岡尾知子 - Tomoko Okao
漢方養生指導士(漢方上級スタイリスト)、国際中医師、国際薬膳師。美容・健康をテーマに美容・健康エディターとして仕事をする中で東洋医学に関心をもち、漢方、中医学、薬膳を学ぶ。雑誌やラジオ、イベントなどを通じて、美容と健康のための薬膳や養生についての啓発活動を行う。著書に『美★薬膳』(主婦と生活社)がある。
現在「食べて学べる月イチ薬膳教室@TUMUGU東京青山」開催中。詳細は「TUMUGU東京青山」で検索を!「FYTTE Web」にて「不調知らずの体になる! 季節の薬膳レシピ」連載中。
◎薬膳教室:「TUMUGU東京青山」http://www.tumugu-aoyama.jp/
◎HP:「薬膳ノート」http://www.yakuzennote.com
◎ブログ「Eat & Run! 岡尾 知子の美・薬膳な日々」http://ameblo.jp/yakuzen-navi/

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