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2019.05.20670view

春夏秋冬の法則に従って、聖人・賢人として生きる

黄帝と一緒に『素問』を学ぶvol.3

四季のリズムに人も抗えない

「元気で長生きしたいなあ」と思っている方、今回も黄帝と一緒に学びましょう。
前回の最後、黄帝は仙人、聖人、賢人の寿命について、語っていました。賢人は春夏秋冬の法則に従い、努力して生活態度を調整することで寿命をある程度延ばすことが出来る。聖人は当然のように自然界の法則に従って生きるので、100歳以上の寿命を得ることが出来ると。

『素問』の第二扁「四気調神大論」では、四季の特徴を陰陽(参照)のリズムと関連づけています。この法則は森羅万象、すべての事象の根底にあり、始まりから終わりまでをあらわすものです。人も、他の動物、植物もこの法則に逆らっては生きていけない、逆らうと災いが降りかかってくるとまで言っています。
参照:漢方の基礎知識「陰陽五行説」

だからこそ漢方では、災いが起き、病気になってから対処するのではなく、未病の段階での予防を重視します。四季の法則に従って、太い根を張り、幹を充実させ、青々とした葉が生い茂る大樹を目指しましょう。

春は発陳(はっちん)、夏は蕃秀(ばんしゅう)

春は発陳、誕生の季節。種が土から芽吹くように、様々なものがいきいきと発生し、動き出します。「陳」には古いという意味があります。新陳代謝という言葉からもわかるでしょうか。冬にためて古くなったものを外に発散させる動きが春の原則です。

この時期、なぜか新しいことがしたくなりませんか?部屋の模様替えをしたり、習い事始めたり。さらに、のんびり散歩したり、陽だまりでボーっとしたくもなります。これは春の外気がそのように私たちに働きかけるからです。
発陳の法則に従って、締めつけずにゆるめて、のびやかに過ごしましょう。そういえば、春の服装はやわらかいパステルカラーで、ふんわりしたシルエットのものが増えます。これも法則に従っていると言えますね。

夏は蕃秀、生長の季節。「蕃」には若草が鮮やかに生い茂るという意味があります。この時季の過ごし方として、勢いをとめないことが大切です。鬱々と部屋にこもることなく、お出かけしたり運動しましょう。この法則に従わないと、冬に冷えを筆頭とした重い病にかかってしまいます。

秋は容平(ようへい)、冬は閉蔵(へいぞう)

秋は容平、収穫の季節。「容」は形という意味で、植物は実りをつけます。私たちも、「読書の秋」「芸術の秋」「食欲の秋」というように、自分自身の収穫とする動きが多くなります。秋の夜長に物思いにふけったり、あたたかいお茶を飲んでゆったりするなど、激しい運動を控えるとよいでしょう。

また秋の空は空気が澄み渡り、遠くまで見通せます。この空気は植物の葉を色づけ枯らすものですから、鼻やのど、皮膚など体表の不調に気をつけなければなりません。

冬は閉蔵、貯蔵の季節。「蔵」を閉じて外にもれないように貯える動きが冬の原則です。植物は地上の茎や葉を枯らして根に養分を貯えます。動物は動きを抑え、冬眠するものもいます。なるべく省エネで過ごすことになりますから、代謝も下がり太りがち。それも自然の流れに従っているので、仕方がないことなのです…

春夏秋冬の移り変わりは、生長収蔵という動きの繰り返しになります。この法則を知った黄帝は、最後に政治にも言及しています。世の中が乱れ切ってから対処するのではなく、乱世を予測して未然に防ぐことが出来ると。私たちも、病気になってからではなく、病気にならず元気に長生きするために、四季の法則を活用しましょう。

齋藤 友香理 - Yukari Saito
[ 薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]
1969年北海道生まれ。東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務めていた。多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら社員教育にも携わり、「養生を指導できる人材」の育成に励んでいる。分かりやすい解説と気さくな人柄で、幅広い年齢層から支持されている。薬日本堂漢方スクール:http://www.kampo-school.com/

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