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2019.01.153441view

「薬膳生姜シロップ」で寒さを吹き飛ばそう!

ちょい足し薬膳ドリンク Vol.12

我が家の漢方常備薬
~いざ!という時に便利なカゼの漢方薬~


小寒が過ぎ、いよいよ寒さの本番です。
乾燥対策には保湿が必要ですが、一方で冷え対策には温めが必要な日本の冬。
「陰」(うるおい)と「陽」(温める力)、バランスよく保養するのが大切ですね。

我が家には冬を乗り切るために漢方常備薬が沢山そろっています。

□のどの乾燥対策・陰を養う漢方薬として
 麦門冬湯(ばくもんどうとう)、滋陰降火湯(じいんこうかとう)、枇杷(びわ)の膏薬
□のどの痛み対策・炎症を鎮める漢方薬として
 荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)、清肺湯(せいはいとう)、桔梗石膏(ききょうせっこう)

荊芥連翹湯は、鼻づまりや皮膚の炎症など幅広く対応できる便利ものです。そしてお気に入りは桔梗石膏。
桔梗石膏は名前の通り、2つの生薬で構成されていて効き目がシャープ。
嬉しいのは、葛根湯や小青竜湯、麦門冬湯などに併せて服用できること。お客様にもよく処方しますが、効き目がとっても良いのです。

□ゾクゾク悪寒寒気対策・温める漢方薬として
 葛根湯(かっこんとう)、桂枝湯(けいしとう)
□透明の鼻水に
 小青竜湯(しょうせいりゅうとう)

葛根湯は、寒気や悪寒がするカゼのひきはじめの定番薬、首や肩周りが一気に温まってじんわり汗をかき、寒気や悪寒を吹き飛ばしてくれます。
心臓が弱い私にとっては少し強いお薬なので、代わりに桂枝湯を服用します。

我が家では、葛根湯や桂枝湯を飲んだ後には、温かい生姜のお粥を食べるようにしています。
相乗効果で寒気が発散されるのです。
実際、漢方の古典「傷寒論(しょうかんろん)」の桂枝湯の項にも、桂枝湯を服用した後に「熱い粥をすする」との記載があります。
お粥まで食べることが一つの処方、まさに「薬食同源」です。

生姜は加工で効果が変わる!? 生姜と乾姜

日本人にとって、薬味として欠かせない生姜ですが、これも立派なお薬になります。
漢方薬の生薬には、生姜(しょうきょう)と乾姜(かんきょう)があります。
ともに、ショウガ科ショウガの根茎ですが、日本では、生のまま乾燥させたものを生姜、蒸してから乾燥させたものを乾姜としています。

生姜は温性で、発汗や発散、お腹を温めて吐き気をとめることに優れています。
一方で乾姜は熱性で、お腹を温めて陽のエネルギーを回復させることに優れます。
例えば、カゼのひきはじめで、寒気や悪寒がする時、魚介類などの生ものや冷たいものを飲食し、胃が冷えてしまった時は生姜が良いということです。生の生姜でも勿論効果はあります。(薬学の古典、「神農本草経」では生を生姜としています)
これに対し、熱を加えて加工された乾姜は芯から身体を温めるため、強い冷えなど体質改善に用いられます。

他に、
○煨姜(わいきょう)・・・紙で包んだ生姜を水に十分含ませた後、熱灰中で焦げるまで蒸し焼きにしたもの
温性で発汗力はなく、代わりにお腹を温める力が強い
○生姜汁(しょうきょうじゅう)・・生の生姜のしぼり汁
微温性で、吐き気止めに優れる
○生姜皮(しょうきょうひ)・・・生姜の皮
涼性で、利水の効果があるためむくみに良い

生姜は、加工法や使用部位によって少しずつ効果が変わります。
こういったことを発見した古代の人々には頭が下がります。

オリジナルの 「生姜シロップ」を作ってみよう

今回は、生姜シロップをご紹介します。
出来たシロップはお湯割り、紅茶割り、甘酒に入れて飲むと美味しいですよ。
スーパーで売っている生姜に、スパイスや漢方素材を加えて、自分が美味しいと思う味に仕上げてみましょう。

【材 料】
□生姜(薄切り)  ・・・ 200g
□黒糖      ・・・ 200g
□お好みのスパイス
 シナモンスティック  ・・・ 1本
 八角         ・・・ 少々
 胡椒         ・・・ 小さじ1
 陳皮         ・・・ 小さじ1
□水  ・・・ 200cc
□蜂蜜 ・・・ 大さじ2

【作り方】
あらかじめ、保存瓶を煮沸消毒しておきます。
① 鍋に、生姜と黒糖を入れて50分ほど待つ(黒糖が溶けて水が出るまで)。
② ①に、シナモンスティック、八角、胡椒、陳皮、水を入れて中火で沸かし、弱火で10分ほど煮る。
③ 火を止め、蜂蜜を加えてよく混ぜて出来上がり。お好みでレモン汁を加えても美味しい。

黒糖の代わりに、グラニュー糖やてんさい糖でも良いですが、今回は身体を温める目的のため、理血効果のある黒糖を使用。
シナモンや八角、胡椒はともに強い冷えを取り除く働きがあります。陳皮は、身体を温め気血を巡らせます。

※のぼせ、ほてり、出血過多の方はお控え下さい。

ゾクゾクッと寒気を感じたら、冷えて首や肩が凝り固まったな~と感じたら、生姜シロップの出番。
おいしくカゼ予防をしましょう。

小林 香里 - Kaori Kobayashi
[ 国際中医師,国際中医薬膳師,登録販売者 ]
20代の頃、過労とストレスで身体をこわしたことをきっかけに、北京中医大学日本校にて中医学や薬膳を学び始める。2005年、薬日本堂(株)に入社。店舗での漢方相談をはじめ、取材対応や薬膳レシピ監修、漢方スクール講師を務める。2017年10月退社の後、目黒区自由が丘に漢方薬店と鍼灸院を併設する漢方・鍼灸「和氣香風」を設立。自店にて漢方相談を行う傍ら、薬日本堂漢方スクールでも講師として活動。
漢方鍼灸和氣香風HP: kakikofu.com
小林香里個人ブログ: kaori-kampo.seesaa.net
インスタグラム  : kaori_kampo

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