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2018.11.151324view
乾燥する季節には「杏仁茶」でほっこりしたひとときを

ちょい足し薬膳ドリンク Vol.10

秋冬は肌やのどだけでなく大腸も乾燥する!?

11月に入り、朝晩はだいぶ冷え込んできました。
我が家でもホットカーペットが活躍しはじめ、身体を冷やす陰気(いんき)が増していくことを日々実感しています。

私は鍼灸師の主人と共に、漢方薬店兼鍼灸院を営んでおりますが、10月半ば頃から乾燥による不調を抱えたお客様が増えてきたように感じます。
「肌が乾燥する」、「のどが乾燥して痛い」、「空咳が出る」、「髪がパサつく」、「抜け毛が増えてきた」、そして、「便が硬い」、「コロコロ便」、「便秘」・・・等、乾燥による不調を良くしたい!という漢方のご相談をよく受けます。

これはまさに「燥邪(そうじゃ)は肺を傷める」という事実をあらわしています。
乾燥した空気も、度を超すと燥邪となり、のどや鼻などの呼吸器、皮膚、そして大腸の粘膜までをも乾燥させてしまうというのが漢方の考え方です。
もちろん、体質によっては乾燥をものともしない方もいらっしゃいますが、アトピーなど皮膚が敏感な方、アレルギーを含めのどや鼻が弱い方は、特に乾燥対策が必要です。

生薬の杏仁(きょうにん)と食材の杏仁(あんにん)

潤す働きがあり、乾燥したこの時季に大活躍する素材の一つに杏仁があります。
杏仁とは、バラ科アンズの種子で、アーモンドを丸くしたような形をしています。

杏仁には、薬用に使う苦杏仁と、食用にされる甜(てん)杏仁があります。
味によって区別されるのですが、鎮咳去痰薬としての有効成分でもある「アミグダリン」の含有量が多いものが薬用の苦杏仁、少ないものが食用の甜杏仁とされています。杏仁豆腐に用いられるのは甜杏仁です。
原植物の種類ではあまり明確には分けられていないのが現状のようですが、
江蘇、河南などの暖かい地方で栽培されるものに甘いものが多く、北部のものに苦いものが多いため、苦杏仁を北杏仁、甘い甜杏仁を南杏仁と呼ぶこともあります。

【杏仁の働き】
止咳平喘・・・ 咳を鎮める
潤肺  ・・・ 呼吸器や皮膚を潤す
潤腸通便・・・ 腸の粘膜を潤し、お通じをつける

漢方薬では、麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)麻黄湯(まおうとう)麻子仁丸(ましにんがん)潤腸湯(じゅんちょうとう)などに用いられています。
潤いを養う杏仁は、秋冬の乾燥対策にとっても便利な素材です。

「杏仁霜」で手軽に作る「杏仁茶」

台湾に行くと街中あちこちで目にする杏仁茶。お店によってレシピや味は様々で楽しめます。

台湾や中国へ行くと私は必ず買ってくる甜杏仁。日本では中華街で購入が可能ですが、
今回はスーパーなどで購入できる杏仁霜(きょうにんそう)を使ったお手軽杏仁茶をご紹介。

【材 料】
□ 杏仁霜 ・・・ 小さじ1
□ 豆乳(または牛乳) ・・・ 150cc
□ ハチミツ ・・・ 適量
□ クコの実、松の実 ・・・ 適量

【作り方】
鍋に豆乳を沸騰直前まで温め、そこに杏仁霜を入れてよく混ぜる。
コップに注ぎ、お好みでハチミツ、クコの実、松の実を加えて混ぜる。

【似たもの同士を組み合わせる】
もうおなじみのクコの実ですが、クコの実も空咳などの乾燥対策に便利な素材。
杏仁×クコの実は、杏仁豆腐の名コンビですね。
そして、松の実にも杏仁と同じような働きがあります。
肺を潤し、咳を鎮め、腸を潤しお通じをつける、似たもの同士で効果アップが期待できます。

乾燥してきたな、、、と思ったら、杏仁茶を飲んで香りに・味に・効果に癒やされてはどうでしょうか。

小林 香里 - Kaori Kobayashi
[ 国際中医師,国際中医薬膳師,登録販売者 ]
20代の頃、過労とストレスで身体をこわしたことをきっかけに、北京中医大学日本校にて中医学や薬膳を学び始める。2005年、薬日本堂(株)に入社。店舗での漢方相談をはじめ、取材対応や薬膳レシピ監修、漢方スクール講師を務める。2017年10月退社の後、目黒区自由が丘に漢方薬店と鍼灸院を併設する漢方・鍼灸「和氣香風」を設立。自店にて漢方相談を行う傍ら、薬日本堂漢方スクールでも講師として活動。
漢方鍼灸和氣香風HP: kakikofu.com
小林香里個人ブログ: kaori-kampo.seesaa.net
インスタグラム  : kaori_kampo

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