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2018.10.153144view
秋から冬にかけて楽しめる「ビネガードリンク」

ちょい足し薬膳ドリンク Vol.9

脾は「燥」を好み、肺は「潤」を好む

夏から比べると、空気もだいぶカラッと過ごしやすくなりました。
水分代謝が悪く、むくみや重だるさを感じやすい方にとっては、湿気が少ないこの時季は快適に感じることでしょう。
漢方の考え方に、「脾は湿を嫌い、燥を好む」とあります。
脾は湿が苦手ということに関しては、これまで数々のコラムでも取り上げられてきました。

10年以上前に中国に研修に行った時のことです。季節は11月でした。
研修に一緒に参加した女性の中に、痩せ型で脾(胃腸)の弱い方がいました。
その方は、研修期間の約一週間、北京で連日かなり油っこいものを食べたのに「翌朝全く胃もたれしない!」と驚いていました。
「日本で同じものを食べていたら、間違いなくもたれていたのに、なぜだか身体が軽く感じる」と。
中国という乾燥した土地のうえ、「11月の乾燥した気候の相乗効果ですね」と話していました。
人間は、こんなにも天の気(空気)の影響を受けるんだな、と改めて感じたのを覚えています。

脾にとっては快適な乾燥ですが、燥が嫌いな肺にとっては秋冬はつらい季節。
空気が乾燥すると、お肌のカサカサやのどの痛みが現れやすいのは、誰もが体験済みだと思います。
漢方で「肺」とは、のどや鼻などの呼吸器の他、皮膚や大腸までをも含みます。
漢方相談をしていても、秋になるとコロコロ便や便秘のご相談が増えるのは、腸の粘膜が乾燥するからと考えられます。

「肺は燥を嫌い、潤を好む」
秋冬の乾燥時季を快適に過ごすためには潤い補給が必要なのです。

酸味と補血(ほけつ)・補陰(ほいん)素材で、
潤いのある身体に

潤い補給にまず欠かせないのが酸味。
酸味と甘味を一緒に摂ると、潤いに変わります。これを「酸甘化陰(さんかんかいん)」と言い、これまで多くのコラムで取り上げられてきました。

甘酸っぱいものを口に入れると、ジワ~ッと唾液が出てきます。
これこそ自ら作り出す陰液(いんえき)、潤いです。空気が乾燥する時季は甘酸っぱいものを積極的に取り入れるのも漢方養生です。

酸味の収斂作用は、身体の潤いを保持するために上手に活かしたいですね。
ただし、酸味の摂り過ぎは胃壁に刺激を生じるため、胃酸が多い方や胃が弱い方はほどほどにしましょう。

酸味以外で潤いを養うには、漢方で言う補血や補陰の素材を用いることです。
身体に栄養を与える補血素材と保湿に優れた補陰素材は乾燥対策に役立ちます。

クコと干し葡萄の潤いドリンクビネガー

今月はお酢を使ったドリンクビネガーをご紹介します。

薬膳でお酢は収斂の他に、身体を温め血の巡りを良くする働きがあるため、冷えや肩こり、婦人科トラブルの養生に応用されます。
また、殺菌効果もあるので、お酢を沸騰させてお部屋の浄化にも用いられます。
我が家では、私も主人も毎晩足湯をしていますが、その際、血流を良くするべく、お酢を入れています。つま先までポカポカになるので、二人とも気に入っています。冬に手足が冷える方は、ぜひお試しください。

*クコと干し葡萄のドリンクビネガー*
【作りやすい分量】
□りんご酢(穀物酢・米酢・黒酢でも可) ・・・ 400cc
□氷砂糖(ハチミツでも可)       ・・・ 200g
□クコの実・干し葡萄         ・・・ 合わせて100g
□玫瑰花(お好みで)          ・・・ 適量

素材をガラスの保存瓶に入れるだけ。氷砂糖が溶けたらできあがりです。
お湯で割って飲みましょう。お好みで豆乳や牛乳、炭酸水で割っても良いですよ。

干し葡萄は補血に働き、心身の疲れをとる他、疲れやすい人の咳止めにも効果的です。
クコの実は、足腰のだるさや白髪などのエイジングケアに用いられる他、空咳にも有効です。
気血を巡らせる玫瑰花をプラスしても良いでしょう。

酸味と甘味を上手に用いて、みずみずしい身体を作りたいですね。

小林 香里 - Kaori Kobayashi
[ 国際中医師,国際中医薬膳師,登録販売者 ]
20代の頃、過労とストレスで身体をこわしたことをきっかけに、北京中医大学日本校にて中医学や薬膳を学び始める。2005年、薬日本堂(株)に入社。店舗での漢方相談をはじめ、取材対応や薬膳レシピ監修、漢方スクール講師を務める。2017年10月退社の後、目黒区自由が丘に漢方薬店と鍼灸院を併設する漢方・鍼灸「和氣香風」を設立。自店にて漢方相談を行う傍ら、薬日本堂漢方スクールでも講師として活動。
漢方鍼灸和氣香風HP: kakikofu.com
小林香里個人ブログ: kaori-kampo.seesaa.net
インスタグラム  : kaori_kampo

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