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2018.10.051172view
悠久のロマン!数千年前から実践されてきた灸治療

鍼灸雑話 その9

アイスマンとお灸

1991年、イタリアとオーストリア国境付近にあるアルプス山脈エッツ渓谷の氷河の下から、
一体のミイラが発見されました。
研究の結果、約5300年前の男性であることがわかりました。
人は彼のことを「アイスマン」と呼び、今も研究されています。

彼の背中や脚には、数多くの刺青の痕があり、最近ではそれが何らかの治療の痕ではないか?
また、刺青からは炭を使った顔料が検出され、これはいわゆる「お灸」に似たようなことをしていたのではないか?
そういう説が出ています。

鍼灸医学の基礎は、中国の漢(前漢)でまとめられた「黄帝内経」という医学書に始まります。
これが紀元前200年頃の話ですので、今から約2200年前になります。

実際には、書物としてまとめられる以前に鍼灸の技術や道具は存在しており、灸は約3000年前の中国大陸北方で発明されたと考えられています。

アイスマンは、それよりさらに2000年ほど前の人物で、彼の身体にお灸治療をしたらしい痕があるというのは、とてもロマンのある話だと思いませんか!?

お灸をすると白血球が増える!

先日、某番組で東洋医学の特集が組まれ、お灸に関する話も出ていました。
あくまでも現代科学から見た内容でしたが、それでも「よくぞテレビで放送した!」と思いました。

お灸をすると皮下細胞が火傷し、「ヒストトキシン」と言う毒素(タンパク質)が生成され、やがて白血球によって捕獲され血中に吸収され排出されます。
つまり、お灸をすることで自動的に白血球が増えるということです。さらに、数日はその効果が持続するという研究論文もあります。

現代科学的な、お灸の効能をまとめてみました。
・白血球を増加させ、外敵(細菌やウイルス)からの抵抗力を高める(強心作用)
・赤血球を増加させ、血流を促進させる(増血作用)
・血小板を増やし、組織の治癒を促進させる(止血作用)
・黄色ブドウ球菌に対する白血球の食菌力の増加
・ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)の活性化
・血液のコルチゾン(副腎皮質ホルモンの一つ)水準アップ

気や経絡、経穴(ツボ)がわからなくても、お灸をすれば何かが起きる。まずはそこからで良いと思いますので、ぜひお灸を多くの方に実践して頂きたいと思います。

何事もまずは実践・継続しよう!

東洋医学理論から見れば、気血の巡りが悪くなったもの、気血が少なくなったもの、これらにお灸は効きます。

家で実践したい方は、ツボの場所など難しく考えず、「ここがいいな!」という部位にお灸をしましょう。
指で圧して気持ちよいところ、少しズンと痛むところ、そういう部位を見つけて、そこにお灸をすると良いです。
それだけでも、身体の機能は高まるのです。

初心者は1回1~5個までにとどめ、それ以上はやらないようにしましょう。
これは、湯あたりのように、灸あたりを起こす人がいるためです。

しびれ、痛み、麻痺、炎症、ケガ、何にでも活用できます。
まずは実践し、体験し、自分で実証してください。それが一番です。ぜひ3ヶ月は続けてみましょう。
さらにお灸に興味が出たなら、ぜひ薬日本堂漢方スクールへ!!
「ツボ・お灸のレッスン」でお会いしましょう。

1000年以上前から日本に伝わり、戦国武将や徳川将軍にも重用されたお灸。
アイスマンでさえ実践していたかも知れないお灸。

使う道具や技法自体は、その当時からさほど変化をしていません。
ヨモギの葉から艾(もぐさ)を作り、それを小さく丸めて線香で火をつけ、皮膚を焼いたり温めるだけです。
たったそれだけで、昔から本当に多くの病気や症状を治してきたのです。

そんな古代の医術を、現代で体験できる!と考えると面白いですよね。
次回は「望診(ぼうしん)」の話でもしようかと思います。では!

山本浩士 - Hiroshi Yamamoto
鍼灸師(厚生労働大臣免許・国家資格) 兵庫県西宮市出身。
幼少より武術修行を始め、師より医武同源の考えを教わり、武術と医術の両立を志す。
高校卒業後、大阪のアクションチームに所属し、映像や舞台などで仕事をする。
2009年、はり師・きゅう師の国家資格を取得し、地元兵庫県西宮市で「はり灸楊鍼堂」を開院。千葉の恩師から、参禅や滝行の修行を通して伝統医術を学ぶ。また、数名の先生から江戸時代の鍼術や道家気功鍼などを学び、難病や慢性疾患に対する臨床経験を多く積む。2015年に東京へ移転。2016年から、ポーランドやイタリアで鍼灸、気功、武術、導引按腹の出張講義を開始。2017年11月から、自由が丘で「漢方鍼灸 和氣香風」を妻とともに開業。

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