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公開日:2018.03.15 更新日:2020.05.199264view

桃の花でデトックス「桃花と二子の甘酒」

ちょい足し薬膳ドリンク Vol.2

開花の時期は体内お掃除を

3月に入って、春らしい暖かな日が増えてきました。
白梅が咲き、紅梅、桃の花、と次々に開花を眺める楽しみはこの時期ならではですね。
このまま一気に暖かくなって欲しいとは思いますが、そうはいきません。
暖かな日の翌日に真冬の寒さが戻ることもしばしば。朝晩はまだ冷えます。

漢方では春は、冬にたまった古いものを発散することが養生になると考えます。
体を温めて巡りを良くし、体内のお掃除をして、すっきり過ごしたいですね。

見て楽しみ、飲んで排毒

先日、劉先生のコラムで桜の花がピックアップされていました。
桜の花の塩漬けは私たちにとって昔からある身近な素材です。
日本では桃の節句が終わったところですが、桃はどうなのでしょう。

漢方薬では桃の種を「桃仁(とうにん)」と呼び、生薬として使われています。
理血薬(りけつやく)に分類され、血行を良くしながら腸を潤しお通じをつける働きがあるため、
婦人科トラブルをはじめ、打ち身や捻挫、便秘の改善に用いられます。
生薬として用いるのは桃の種の部分ですが、中国の文献を色々探っていくと
桃の花を薬膳茶として飲む記述がみられます。

桃の花はどのような働きがあるのでしょう。

1.通便(つうべん)・・・ 桃仁と同様に、お通じをつけるため、便秘に良い
2.利水(りすい)・・・ 水分の代謝を良くするため、むくみに良い
3.潤膚(じゅんふ)・・・ 皮膚や腸を潤すため、シワや乾燥に良い
4,祛斑(きょはん)・・・ 血行を良くし、経絡を通すため、シミやそばかすに良い

桃仁と同じような働きが期待できる上、美肌にも良いと女性には嬉しい素材ですね。
ただし、妊娠中は禁忌になります。

「桃花と二子の甘酒」

桃花をお茶として飲む場合は、お湯を注いで数十秒も蒸らせばできあがり。
何とも不思議に、杏仁のような香りがするのです。

今回は、滋養強壮に良い甘酒をベースに桃の花と相性の良い二つの実を加えました。
二子のひとつ、松子(しょうし)=松の実は、気血水を養い、潤いをつけるため、空咳や肌の乾燥、便秘に良いとされます。
南瓜子(なんがし)=かぼちゃの種は、水の巡りを良くするため、むくみに良いとされます。

栄養満点の甘酒で、元気を補いながら、体内に停滞したものをデトックスして、
新生活に臨みましょう。

小林 香里
小林 香里 - Kaori Kobayashi

[ 国際中医師,国際中医薬膳師,登録販売者 ]

20代の頃、過労とストレスで身体をこわしたことをきっかけに、北京中医大学日本校にて中医学や薬膳を学び始める。2005年、薬日本堂(株)に入社。店舗での漢方相談をはじめ、取材対応や薬膳レシピ監修、漢方スクール講師を務める。2017年10月退社の後、目黒区自由が丘に漢方薬店と鍼灸院を併設する漢方・鍼灸「和氣香風」を設立。自店にて漢方相談を行う傍ら、薬日本堂漢方スクールでも講師として活動。

漢方鍼灸和氣香風HP:kakikofu.com

小林香里個人ブログ :kaori-kampo.seesaa.net

インスタグラム   :kaori_kampo

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