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公開日:2021.09.10 更新日:2021.09.142755view

夏の疲れに! 香りを楽しむリラックスバスタイム

季節の不調と漢方相談Vol.4

心や身体の「疲れサイン」を見逃さないで
札幌大通店相談員の工藤です。
日本で最も早く紅葉が始まるといわれている大雪山では、8月下旬には山頂付近から木々が色づきだし、秋の訪れを教えてくれます。

この時期増える相談内容の一つに『夏の疲れ』があります。
疲労は私たちに「休息の必要性」と「身体の異常」を教えてくれる大切なサインです。

本来は一時的な物であり、睡眠や休息を取ることで回復することが出来ると考えられていますが、「寝ても疲れがとれない」、「休んでもやる気がでない」方は、知らず知らずのうちに疲労が慢性化しているのかもしれません。

心と身体はつながっている「心身一如」という考え
漢方には「心身一如(しんしんいちじょ)」という大切な考え方があります。
日頃別々に考えてしまいがちな心と身体ですが、密接に関わり合っています。

例えば、筋肉(身体)が緊張している時は心が落ち着かず、呼吸は浅くなりますし、リラックスして落ち着いている時の呼吸は深く、身体は緩んでいます。
全ての不調は、主に身体の構成成分である『気・血・水』の不足や滞りで起こりますが、心の疲れは、人間関係や悩み事などのストレスを原因とするものです。

漢方では
・血虚(身体の栄養不足)…寝つきが悪い、眠りが浅い、記憶力の低下、不安感
・気虚(身体のエネルギー不足)…動悸、息切れ、不整脈、胸苦しさ、発汗過多
・気滞(エネルギーの滞り)...イライラして怒りっぽくなる、喉のあたりに何か詰まっているような気がする 
と考えます。

これに対して身体の疲れは、筋肉疲労や眼精疲労、寝不足や長距離運転(緊張)など、動き続けた後の倦怠感や肉体疲労を原因とするものです。

漢方では
・血虚...こむら返りや筋肉痛、目がしょぼしょぼする
・気滞...ガスが溜まる、お腹や脇が張る、締め付けられるような頭痛 
・水滞(水の巡りの滞り)...むくみや身体の重だるさ、めまい
と考えます。

このような心身の疲れにおススメのリフレッシュ、リラックス法が“香り”と“入浴”です。

ラベンダーとローズマリーの香りで心身ともにリフレッシュ!
心身を休ませ、疲労回復におススメの養生法は、「粗塩+精油を使用した入浴」です。
好きな香りをかぐと気分がよくなった経験があるかと思いますが、今回はラベンダーとローズマリーをご紹介します。

ラベンダー…心を落ち着かせる、筋肉を緩める、安眠作用がある 
ローズマリー...呼吸を深くする、痛みを和らげる、発汗作用がある 
といわれ、これらは同じシソ科の植物なので相性が良く、清涼感があるので暑さが残る夏の終わりにおススメです。

まず、38℃〜40℃程度の少しぬるめのお湯を浴槽にはります。
次に、精油を3〜5滴加えた粗塩を、浴槽に入れて混ぜます。
そして、じんわりと汗をかくくらい(10〜15分程度)、のんびりつかりましょう。

目を閉じて深呼吸しながら、香りが身体のすみずみまで行きわたることをイメージします。
目と耳を静かにする事で頭を休めることが出来ます。

時間が無く、疲れている時ほど入浴は面倒かもしれませんが、その日の疲れはその日のうちに何とかしたいですね。
香りで頭と心を休め、発汗=血流促進で身体の疲れもとりましょう。
ラベンダーは安眠効果もありますのでお休み前におススメです。
是非お試しください。

※妊娠中の方や3歳未満の乳幼児がいるご家庭は、アロマセラピストにご相談の上、精油を使用しましょう。

工藤 かおり - Kaori Kudo
[ニホンドウ漢方ブティック札幌大通店 相談員]
漢方スタイリスト、ヨガ講師、アロマテラピー検定1級。幼少期からのアレルギーをきっかけに漢方に興味をもち、2004年薬日本堂入社。相談員としてお客様のカウンセリングに携わる他、ヨガ講師としても活躍中。漢方とヨガを組み合わせたワークショップの開催や季節の薬膳メニュープロデュースなど、活躍の範囲は多岐にわたる。
ニホンドウ漢方ブティック札幌大通店

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