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公開日:2021.09.05 更新日:2021.09.051362view

苔がべったり厚い、原因と養生

舌は口ほどに物を言う ~舌診の話 Vol.13

健康的な苔は薄くて白い
健康的な苔の色は白ですが、白くても苔が厚ければ健康的ではありません。
苔は舌の根元部分では少し厚くなりますが、中央では均一に薄い状態が正常です。

厚い苔は痰湿(たんしつ)
痰湿(たんしつ)とは、身体に余分な水分が停滞している状態をあらわす漢方用語です。
代謝が不調となり、身体に悪いものが溜まっていると考えてもよいでしょう。

苔の状態は、胃腸が負担なく元気に働いているかどうかをあらわします。
ですから、主には飲食の摂り方に影響を受け、食べすぎや夜遅い飲食、お酒の飲みすぎなどにより消化不良となり、未消化物が多いと苔が厚くなります。

また、便秘によって体内の悪いものを排泄できない場合や、疲労などにより胃の消化力が弱っているときにも苔が厚くなります。

苔は“色“と“厚さ“をセットで診ます。
身体に余分な水分が溜まっていたり飲食の消化不良があると苔が白くて厚くなるわけですが、この「痰湿(たんしつ)」が進み、熱をもつようになると苔が黄色くなります。
「白→黄」この方向への変化は不調が増しているのでしたね。(『苔の色と変化を診る』舌は口ほどに物を言うVol.12

つまり、“白くて厚い苔”より“黄色くて厚い苔”の方が体調は良くないです。

「肥甘厚味は痰湿のもと」
苔が厚い場合、食生活において食べすぎ、飲みすぎ、夜遅い飲食がないかどうかを振り返ってみましょう。

“食べすぎ”といっても人と比べて多いか少ないかではなく、自分にとって適量かどうかが大切です。
“満腹を感じる“ことと“胃が膨らむこと“には時間差がありますので、あと少し食べたいなというところでやめるようにしましょう。

お酒はもちろんですが、飲料水であっても飲みすぎると滞ります。
一気にガブガブ飲むのではなく、“少量ずつこまめに”を心掛けてください。
眠ると胃は休みますので、就寝直前の飲食は消化不良や水の滞りが起こりやすいです。

また、漢方では「肥甘厚味(ひかんこうみ)は痰湿(たんしつ)のもと」という考えがあります。
「肥」…脂っこいもの
「甘」…甘いもの
「厚」…味の濃いもの

脂を多く使った料理や味の濃いもの、甘いものは消化不良=痰湿(たんしつ)を引き起こしやすいです。
薄味を心掛け、野菜や海藻、発酵食品などバランスのよい食べ方で痰湿(たんしつ)の発生を防ぎましょう。
生ものや冷たいものの過食も痰湿(たんしつ)を生じますのでご注意を。

苔が厚いときの対処法としては、まずは胃腸を休めることが基本です。
食事を抜く、量を減らす、お粥のような消化のよいものに変えるなどして、胃腸の負担を減らして回復させましょう。
消化を促進する大根、シソの葉、梅干し、山芋、ミカンの皮などを活用するのもよいでしょう。

日々変化する苔は、“いまの自分の状態“がわかります。
いまの体調を確認して、昨日の食生活を振り返り、今日の飲食の仕方へ活かす。
苔の観察は身体と対話するきっかけになります。

飯田 勝恵
飯田 勝恵 - Katsue Iida[薬剤師・薬日本堂漢方スクール講師]

静岡県立大学薬学部卒業。1998年薬日本堂入社。約10年間の臨床と店長を経験。店舗運営や相談員教育などに携わり、その後「自然・人・社会に役立つ漢方の考えをより多くの人に伝えたい」と講師として活動。薬だけではない漢方の思想や理論に惹かれ、気功や太極拳、瞑想なども生活に取り入れながら漢方・養生を実践している。

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