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2019.04.20822view

体内に潜む周期~自然の法則に従って一生を生きる

黄帝と一緒に『素問』を学ぶ vol.2

女性は7年、男性は8年

『素問』は内容ごとに章立てされて、各章に○○論扁というような名前がつけられています。
短い言葉の中に、これから伝えたいことが盛り込まれていて、お!と思うことがあります。

第一扁の上古天真論(じょうこてんしんろん)は、「大昔、自然(天)の意向に沿った真の生き方をしていた」というところから黄帝と岐伯の問答に至っています。今回はその続き…

「女性は7年、男性は8年」という言葉、耳に残っている方もいるのではないでしょうか。
ある会社がCMで『黄帝内経:素問』から引用していたものです。
 
健康長寿の秘訣について考えた黄帝は、次にこんな疑問を持ちます。
「年老いると子供を産めないのは、材料(子種)がなくなったからだろうか」
岐伯の答えが、男女の一生を周期でとらえた冒頭の内容になります。抜粋してまとめるとこういうことでしょうか。

「女性は7年周期、男性は8年周期で体調に変化があらわれる。
14歳と16歳で身体は充実し、子供を作る能力を得る。
さらに精気が満ちてたくましくなり最盛期を迎えるが、35歳と40歳で少しずつ老化の症状が見え始める。
女性は49歳で閉経を迎え子供を作れなくなり、男性も64歳には全身の機能が衰えるので子供を作るどころではなくなる。」

男性女性特徴
×18歳 7歳 成長して永久歯が生え、髪の毛もしっかりしてくる
×216歳14歳子供を得る準備が整う(第二次性徴)
×432歳28歳肉体的な最盛期を迎える
×540歳35歳少しずつ衰えが見え始め、顔のシワや抜け毛がみられる
×756歳49歳衰えが進み、更年期を迎え、女性は閉経する
×864歳56歳さらに衰えが進み、身体機能が弱ってしまう

自然の法則に従って生きる

これは自然の法則です。ここから学ぶべきなのは、自分が今、どのステージにいるか認識することです。

3・4番目のステージ(女性21~34歳、男性24~39歳あたり)は心身ともにエネルギーに満ち溢れています。
多少の無理がきくのもこの時期。だからといって無理を続けては心身ともに疲弊してしまいます。

5番目のステージ(女性35歳、男性40歳)は老化がスタート。
アンチエイジングという言葉がありますが、アンチは「抵抗する」「抗う(あらがう)」という意味です。
人は生まれた瞬間から死へと歩みを進めます。老いに抵抗するよりは、老いに対処、ケアするほうが自然でしょう。
この時期にはエイジングケアを始めておきたいですね。

6・7・8番目のステージ(女性42~56歳、男性48~64歳)は俗にいう更年期です。
人によって期間や不調のあらわれ方は異なりますが、この時期に身体は大きく変調をきたします。
自分自身の生活を振り返りながら、いたわることが大切です。

仙人、聖人、賢人の差は?

上古天真論扁の最後に、黄帝は寿命についても考えています。

真人、至人という仙人に属す者たちは、自然の法則を熟知してそれに逆らわずに、むしろ宇宙のエネルギーすらも取り込みながら深い山奥で生活するので、寿命は天地と同じく無窮(無限)。
聖人は自然のリズムに調和し、人とのつきあいもほどほどに、過労や心労、欲望などを控えたので、100歳以上の寿命を得ます。
賢人は季節の法に則って生き、真人をまねて養生をしたのでほどほどに寿命を延ばすことが出来ます。

いずれにしても、自然とのつながりが重要であることが伝わってきます。
次回以降、人と自然のつながりについて、黄帝と共に学びましょう。

齋藤 友香理 - Yukari Saito
[ 薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]
1969年北海道生まれ。東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務めていた。多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら社員教育にも携わり、「養生を指導できる人材」の育成に励んでいる。分かりやすい解説と気さくな人柄で、幅広い年齢層から支持されている。薬日本堂漢方スクール:http://www.kampo-school.com/

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