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公開日:2023.04.01 更新日:2023.04.015577view

目のピクピクはなぜ起こる?~漢方で考える原因と対策法~

プチ不調は自分でカイゼン Vol.48

この時期に多くなるのは理由がある!

"目の周りがピクピクと勝手に動いて止まらない・・・。
何もせず、しばらくしたら治っていた。でも忘れたころにまた同じようなことが起こる・・・。そんな経験はありませんか?

まさに、今その症状が出ています!という方もいるのでは?

この症状、現代医学では「眼瞼(がんけん)ミオキミア」といい、まぶたの周囲にある筋肉が収縮している状態です。通常は片目だけで、自然に治まることが多いですが、人によっては数日症状が続きます。長時間のパソコン・スマホによる目の疲労、睡眠不足、自律神経の乱れなど、色々なストレスが重なって症状が出ると言われています。

では、漢方でどのように考えるのでしょうか?

漢方では、風(ふう)の影響を受けている状態と考えます。
風の影響を身体が受けると、ふるえ、しびれ、かゆみ、けいれん(ピクピク)、などの症状があらわれます。
風の症状は、気まぐれに吹く風のように、急に症状が出たと思ったら、すぐに落ち着くという特徴がありますね。

また、風は春に起こりやすいとされており、五臓の肝(かん)が乱れている人ほど影響を受けます。肝の乱れは目を通じてあらわれるので、目の周りのピクピクは、風の影響で肝が乱れているという身体からのサインと考えることができますね。

五臓の肝が乱れると、他にも以下のような症状もあらわれやすくなりますので、チェックしてみましょう。

□イライラしやすく怒りっぽい
□ストレスをいつもより感じやすい
□目が充血しやすい
□めまいや立ちくらみを起こすことがある
□こむら返りがおきやすい
□生理痛がひどくなった
□生理不順やPMSが気になる
□爪が薄くてもろい
□気になる症状が変化しやすい
□視力低下、目が疲れやすい

目=五臓の肝を整える養生法

●肝の高ぶりを抑える
セロリ、三つ葉、パクチー、シソの葉、春菊、などの香野菜を積極的に取りましょう。
香り野菜が苦手な方は、柑橘類をとるといいですよ。
お茶では、桑の葉やハブ茶(決明子)がおススメです。
栄養補給も必要ですね。旬の食材を意識して摂るように心がけましょう。

●ツボ
太衝(たいしょう):足の甲にあるツボです。
親指と人差し指の骨と骨の合流点にあるくぼみを痛すぎない程度にマッサージしましょう。
湯船の中でマッサージしたり、寝る前にほぐしておくといいですね。

●リズムを整える
朝起きる時間は一定にし、疲れ具合によって夜は早めに寝るようにしましょう。
音楽に合わせて身体を動かすラジオ体操や、散歩などの単純な繰り返し運動がおススメです。

クコの実と菊花で平肝(へいかん)対策!
肝の高ぶりを抑えるのが、菊花。
肝に栄養を与えるのが、クコの実。
合わせて、杞菊(こぎく)といいます。この2つの組み合わせは、肝を整える最高の組み合わせです。

杞菊茶
クコの実10g、菊花2gにお湯500mlを注いでお茶代わりに飲む。
ミントやレモングラス、桑の葉、ハブ茶をトッピングで加えてもいいですね。

杞菊酒
クコの実20gと菊花2gに氷砂糖8gをホワイトリカ―300mlに約1カ月漬け込む。
おちょこ1杯程度をお好みの割り方で飲む。

杞菊が使われている漢方薬もあります。

◎杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)
杞菊地黄丸は、六味地黄丸(ろくみじおうがん)に、菊花とクコの実を加えた処方です。
効能効果:
体力中等度以下で、疲れやすく胃腸障害がなく、尿量減少又は多尿で、ときに手足のほてりやロ渇があるものの次の諸症:かすみ目、つかれ目、のぼせ、頭重、めまい、排尿困難、頻尿、むくみ、視力低下

春から夏へ
快適に生活するためにも、肝のケアは大切ですね。

鈴木 養平
鈴木 養平 - Youhei Suzuki[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年宮城県生まれ。東北医科薬科大学卒業後、薬日本堂入社。臨床を経験し、店舗運営、教育、調剤、広報販促に携わる。札幌に勤務中、TVの漢方コーナーにてレギュラー出演。漢方薬による体質改善の指導・研究にあたる一方で、“漢方をより身近に”とセミナー講師・雑誌・本の監修(『おうちでできる漢方ごはん』『かんたん・おいしい薬膳レシピ』)で活躍中

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