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公開日:2023.01.01 更新日:2024.01.103891view

胃の調子が今一つ・・重い!痛い!・・の対処法

プチ不調は自分でカイゼン Vol.45

暴飲暴食していないのに・・なぜ!?
暴飲暴食はしていないのに、消化が悪く感じる、胃が重たい、胃がなんとなく痛く感じる、酸っぱいのがこみ上げる、お腹が張った感じがして便の調子も今一つ・・・などの症状が出ていませんか?

この時期にこれらの症状がある場合、冬の特徴である、『寒邪』(かんじゃ)の影響を身体が受けているためと考えられます。

寒邪は、身体の流れを止めてしまう性質があります。
流れている川の水が、寒さで凍ってしまうイメージですね。

寒邪が消化機能に影響することで動きが悪くなり、普段と変わらない食事なのに、胃の調子がちょっと・・・と感じる場合が多くなります。

寒邪により消化機能以外にも、腰痛や神経痛、歯痛などの痛み、便が出にくい、末端の異常な冷え、などの症状が起こりやすくなるので、防寒対策はもちろん、身体の中から温め対策が必要ですね。

消化を助け、胃を整える簡単養生法

●消化をよくするためには、胃に程よい隙間をあたえることが大切です。
そのためには、0.8食を心がけましょう。2割の隙間を作ることで格段に動きやすくなります。
大皿ではなく、はじめから小皿に分けておくと実践しやすいですよ。
食べ過ぎた時は、夕食を抜き、一度空っぽにしてリセットするのもいいですね。

さらに、消化を助けるために、腰を立てて姿勢を良くすること。
食後すぐに横にならず、少し散歩することを心がけましょう。

●身体が冷えて消化吸収が悪くなり胃がキリキリ痛む場合は、温飲温食を心がけましょう!
白湯に梅干を入れた、梅白湯、生姜やネギ、シソ、シナモンなどを意識して摂りましょう。
腹巻きもいいですね。

●食欲不振で食が細く、食べても太れない場合は、無理に食べようとせずによく寝ること!
油っこい物、堅すぎるもの、刺激のある食材もNGです。

このような症状に対し、漢方薬もおススメです。
代表的な漢方薬を紹介しましょう。

【安中散】(あんちゅうさん)
効能効果:体力中等度以下で、腹部は力がなくて、胃痛又は腹痛があって、ときに胸やけや、げっぷ、胃もたれ、食欲不振、はきけ、嘔吐などを伴うものの次の諸症:
神経性胃炎、慢性胃炎、胃腸虚弱

【六君子湯】(りっくんしとう)
効能効果:体力中等度以下で、胃腸が弱く、食欲がなく、みぞおちがつかえ、疲れやすく、貧血性
で手足が冷えやすいものの次の諸症:
胃炎、胃腸虚弱、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐

※ここで紹介した漢方薬は、あくまでも代表的なものです。実際利用する場合は、きちんと相談してくださいね。
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茴香(ういきょう)でお腹を温め消化アップ

茴香(ういきょう)は、八角(大茴香)と区別され、小茴香と言われることもあります。
フェンネルとも呼ばれ、魚料理やカレー粉、ハーブティーなどによく使われています。

漢方薬では、果実を用います
茴香の効能 : 健胃、去痰、止痛
胃が冷えて痛む、胃痛はもちろん、腰痛などにも使われます。
お腹を温め、「気」の巡りをよくしてくれるので、ガスがたまりやすいお腹の張りにもおすすめです。
漢方薬の安中散の構成生薬の1つでもあります。

主成分は、アネトール(精油)
消化を促進して胃腸の機能を高めたり、おなかの張りを改善する働きがあります。
フラボノイド配糖体、ビタミンA,Cなども含まれます。

ちょっとしたスパイスとして活用されてはいかがですか。


おなかが痛い・・・胃の不調を4タイプに分類。タイプ別の対策方法をご紹介します!


鈴木 養平
鈴木 養平 - Youhei Suzuki[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年宮城県生まれ。東北医科薬科大学卒業後、薬日本堂入社。臨床を経験し、店舗運営、教育、調剤、広報販促に携わる。札幌に勤務中、TVの漢方コーナーにてレギュラー出演。漢方薬による体質改善の指導・研究にあたる一方で、“漢方をより身近に”とセミナー講師・雑誌・本の監修(『おうちでできる漢方ごはん』『かんたん・おいしい薬膳レシピ』)で活躍中

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