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公開日:2022.12.20 更新日:2022.12.201156view

肩こりと葛根湯

漢方薬のつぶやき vol.2

肩こりのタイプ

葛根湯の効能に「肩こり」があるのをご存じでしょうか?
肩こりを目的に葛根湯が使われることがあります。

今回は、葛根湯はどのくらいの期間服用できるのか?についてお伝えする予定ですが、まずは肩こりの話から。

前回紹介した「同病異治(どうびょういち)」という考え方。覚えていますか?
漢方は、同じ病気でも原因によって治し方が異なります。
肩こりは肩こりでしょ。と思いたいですが、漢方でみると肩こりにもやっぱり種類があります。

同じ姿勢を続けている、パソコンに向かう時間が長い、姿勢が前かがみ、運動不足。これらが原因の肩こりは慢性的でなかなか解消されない頑固な肩こりで、「気血の滞り」タイプです。

体力を消耗して疲れきっているときや、胃腸の弱い人の食後。
なんだか肩がずっしり重く感じることはありませんか?
休めば解消されますが、疲れるとまた肩が重くなります。このような重石が肩にのっているような肩こりは「血(けつ)不足」タイプです。

上記2つのタイプは慢性的であったり、断続的に起こる肩こりで、葛根湯が適用する肩こりとはいえません。

葛根湯が効く肩こり
では、葛根湯が効く肩こりは?
冷えからくる一時的な肩こりです。
外気によって身体が冷えて起こるもの。例えば、寒いところに長居し、身体を縮こまらせていたために首や肩が凝ってしまったときです。

冷たい北風、エアコンの冷風など、自然であれ人工的であれ、外から冷やされると身体は無意識に縮こまります。すると筋肉が緊張して血行が悪くなり肩が凝ります。
こんな肩こりに葛根湯はよく効きます。
葛根湯が身体を温め、筋肉のこわばりを和らげて、首や肩の凝りを改善します。

ちなみに、同じような状況下で生じた症状が、肩こりでなく頭痛であったとしても、効きます。
これを「異病同治(いびょうどうち)」といいます。
あれ?さっき出てきた用語と似てますね。よく見ると違います。
こちらは「異なる病気・症状であっても、原因が同じであれば同じ治し方をする」という意味です。

葛根湯の期間服用
さて、葛根湯はどのくらいの期間服用できるのか?という疑問です。

葛根湯に関していえば、1回の服用で症状が改善されることは珍しくありません。
改善されたら服用は止める。これが基本です。

1回の服用で改善されない場合、
カゼなら、数回~数日間。肩こりでも同じです。

葛根湯においては、定められた用法用量で継続服用するのは、長くても2~3日程度だと私は思います。

「肩こりで葛根湯を一ヶ月分処方されたけど、どうしたらよいですか?」と漢方スクールの生徒さんから質問されたことがあります。

私でしたら、何かと役立つ葛根湯を一ヶ月分もいただいたら嬉しいです。
なので、大事にとっておいて、風寒のカゼ(コラム『漢方薬のつぶやき』vol.1)をひいたとき、冷えて寒気を感じた際の頭痛や首・肩のこわばりに使います。
ポイントは改善されたら服用を止める。連続服用は数日程度が目安です。
改善されず症状が長びく場合は病院や薬局に相談するようにしましょう。



飯田 勝恵
飯田 勝恵 - Katsue Iida[薬剤師・薬日本堂漢方スクール講師]

静岡県立大学薬学部卒業。1998年薬日本堂入社。約10年間の臨床と店長を経験。店舗運営や相談員教育などに携わり、その後「自然・人・社会に役立つ漢方の考えをより多くの人に伝えたい」と講師として活動。薬だけではない漢方の思想や理論に惹かれ、気功や太極拳、瞑想なども生活に取り入れながら漢方・養生を実践している。

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