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公開日:2022.12.15 更新日:2022.12.154726view

小腸経のツボを使って肩こり改善!!13-15時の過ごし方

漢方と体内時計~健康を導く24時間の過ごし方 vol.9 

肩こりは国民病!
肩や首周辺の緊張やコリ感など・・・
不快な肩こりに悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
それもそのはず!厚生労働省が行なった「国民生活基礎調査」で、女性が自覚している症状の第1位、男性は第2位が「肩こり」という結果が出ています。肩こりは日本の国民病と言っても過言ではないですね。
また15時前後から、肩こりの不調が気になる!との調査結果も出ています。

「肩こり」の原因は、デスクワークなど同じ姿勢での作業や、スマホの使い過ぎなど生活習慣によるものが大きな原因と言われていますが、東洋医学で見てみると、「肩周り」の気の流れには、“小腸の経絡”が関わっています。

今回紹介する時間である、「未(み)の刻」(13~15時)は、漢方では五臓六腑の小腸(しょうちょう)が担当する時間です。
小腸と肩こりがどのように関わっていくのか・・・漢方で考える小腸の働きと、小腸経とその時間帯の過ごし方について話していきます。

漢方で考える小腸の働き
●清濁の分別
小腸は、飲食物を栄養分の“清(せい)”、残渣の“濁(だく)”に分ける消化吸収の働きがあります。
体に必要な栄養や水分は“清”として吸収され、不要な“濁”は大腸(だいちょう)や膀胱(ぼうこう)に運ばれ排泄されます。
この働きが失調すると・・・消化不良、食後の膨満感、大小便の異常などが現れます。

小腸の気が通る経絡は、「手太陽小腸経(てたいようしょうちょうけい)」といいます。
手の小指外側からはじまり、腕・肘を通り、肩の後ろから肩甲骨を巡って、首の付け根で左右の流れが合わさり鎖骨の上の凹みから体内に入って小腸に向かいます。また別の流れとして、首の付け根から顔に入り、頬骨から耳の中に入って終わる流れもあります。

小腸経は肩甲骨などの肩や首回りを中心に巡っているので、
「肩こりが強い・・・」「肩回りが固くて動きづらい・・・」方は、小腸経の巡りが滞っているかもしれません。

小腸の働きを活かす 13時~15時の過ごし方
①激しい運動は控える
小腸で消化吸収が行われている時間帯です。
体を動かす気(エネルギー)を使いすぎると、小腸の気が不足し消化吸収力が低下します。
昼食後は激しい運動は控えてゆっくりと動きましょう。

②首や肩のストレッチをしよう! 
小腸経が通っている首や肩を回してストレッチすることで小腸の気が巡ります。
この時間帯に首や肩を軽くストレッチしておくだけでも、仕事終わりの肩こりがだいぶ軽減されます。

簡単な肩のストレッチ方法と、小腸経の代表的なツボを紹介します。

肩こりのツボ&肩すっきりストレッチ
肩こりにおススメな小腸経のツボ:天宗(てんそう)
肩甲骨のちょうど真ん中にあるツボです。
自分で押す場合、手が届かない!?
そんなときには左手で右の肩甲骨、右手で左の肩甲骨を押すとなんとか届きます。
毎日ツボを押したいという方は、孫の手のようなツボ押しグッズを使うと楽に押せますよ。

●肩すっきりストレッチ
1.両ひじを曲げて肩より上に上げる(腕が上がらない人はできるところまででOK)手は軽く握って鎖骨のあたりに置きましょう。

2.両ひじを、ゆっくりと後ろに引く。5秒かけて息を吐きながら、ひじの位置はできるだけ下げないように。肩甲骨を強めに寄せましょう。

3.肩甲骨を寄せたままひじを下げて脱力。これを5回繰り返す。

肩甲骨にある“天宗”を刺激した後、ストレッチのセットで行うのがおすすめです。
昼休みの後の13時~15時にほぐしておくと、一日の終わりに肩こりが軽減されているのが実感できます。
仕事や勉強などやるべきことが多い時間帯ではありますが、一度肩の荷をおろして労わってあげましょうね。

次回は申の刻(15-17時)夕方からむくみやすい方 必見!
「“むくみ”を楽にするティータイム!15-17時の過ごし方」
担当する膀胱経とその時間帯の過ごし方について語ります。お楽しみに。

<共著>

荒毛 克麻
荒毛 克麻 - Katsuma Arake

[カガエ カンポウ ブティック パルコヤ上野店店長・薬日本堂漢方スクール講師]
自身の体調を崩した事をきっかけに、薬日本堂漢方スクールにて漢方を学び始める。養生・漢方の魅力を多くの方に伝えたい想いから、2012年薬日本堂に入社。現在はカガエ カンポウ ブティック パルコヤ上野店店長として、漢方相談を行いながら、スクール講師を務める。ダイエットや美容の相談を得意とし、笑顔になれるカウンセリングに定評がある。テレビ新潟では、漢方コーナー「おしえて漢方」の出演経験も持つ。

漢方スクールでの担当コース・セミナーはこちら
カガエ カンポウ ブティック パルコヤ上野店

原口 徳子
原口 徳子 - Noriko Haraguchi[中医師・薬日本堂漢方スクール講師]

1963年仙台市生まれ。高校生の頃に太極拳を学び、経絡や気の流れに興味を持つ。家族の転勤で2003年から10年ほど中国に住む間に、上海中医薬大学で中医学と鍼灸推拿学を7年間学ぶ。修士号(中医学)を取得して卒業、中医師の資格を取得後2014年に帰国。「お母さんと子供を元気にする漢方と養生」の普及のために活動中。

漢方スクールでの担当コース・セミナーはこちら

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