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公開日:2022.02.20 更新日:2022.02.202110view

まだ間に合う!玉・蓮・参トリオで花粉対策

季節を感じて気軽に薬膳 vol.22

芽吹きを誘う「雨水」
二十四節気の雨水、少しずつ気温が上がり、雪が雨に変わる時季。
この雨は植物の芽吹きも誘います。

と言っても、本格的な春の到来はもう少し先。
先週はかなり冷え込んで、雪に見舞われた地域もありました。
春の準備を始めている身体にとって、寒の戻りはつらく、手足末端の冷えや筋肉のこわばりにつながります。
手浴や足湯で温めましょう。

今からでも遅くない花粉対策
芽吹きの時季と聞いて思い浮かぶのが花粉症。
コロナ禍でマスクをしているため、ひどい症状で悩む方は減っていると聞いています。
それでもつらい症状が少しでも起こりにくいように、予防はしたいですね。

漢方では、ウイルスや花粉など外から侵入して不調をもたらすものを外邪(がいじゃ)と呼びます。
そして外邪に抵抗し、身体を守ってくれるのが衛気(えき)。
前回もお話ししましたが、衛気を高めて外邪の侵入を防ぐことが大切です。

衛気は身体が冷えると発揮しづらくなります。
温めることにも力を注いでいるからです。
春は気温の揺り戻しが大きいので、手足、首元、お腹と腰が冷えないように注意しましょう。

衛気を増やすためには、十分な睡眠とバランスのとれた食事が大切です。
生活リズムが乱れても衛気は消耗するので、今のうちに生活習慣を見直しておきましょう。

玉・蓮・参のトリオで負けない身体作り
薬膳で花粉対策をするならば、三段構えがおすすめです。
①外邪を辛味で発散
②潤いを補い粘膜強化
③衛気を高めて守る

これに役立つのが、①玉ねぎ、②レンコン、③人参、略して玉蓮参トリオ
煮物やスープ、炒め物など、さまざまなレシピに活用できます。

今回は玉蓮参トリオのシンプルなコンソメスープです。
具材は食べやすいようにサイコロ状に切るもよし、小ぶりの玉ねぎが手に入ったらそのまま使って甘味を楽しむのもよいですね。
まだまだ寒い日が続くので、スパイスも加えた温かいスープで内側から温めましょう。

【材料】(2人分)
玉ねぎ 小ぶり2個
レンコン 100g程度
人参 1/2本
ベーコン 2枚
コンソメキューブ 1個
クミン、コショウ、塩 少々

【作り方】
①小ぶりの玉ねぎは皮をむいて、上下に十字の切り込みを入れる
②人参、レンコンはやや大きめの乱切り、ベーコンは適当な大きさに切る
③鍋に水と具材、コンソメを加えて煮る
④柔らかくなってきたらクミン、コショウ、塩を加えてさらに煮る
※冷えが気になる人は生姜すりおろしを加えても◎

【薬膳食材メモ】
玉ねぎ:温性/甘・辛味 身体を温めて血行をよくする
レンコン:寒性/甘味 潤いを補うので咳やのどの痛みにもよい
人参:平性/甘味 気血を補い消化を助ける

齋藤 友香理
齋藤 友香理 - Yukari Saito[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年北海道生まれ。東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務めていた。多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら社員教育にも携わり、「養生を指導できる人材」の育成に励んでいる。分かりやすい解説と気さくな人柄で、幅広い年齢層から支持されている。

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