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2017.01.0110314view
つらい膀胱炎に効果あり、猪が入った漢方薬? ~猪苓湯(ちょれいとう)

知っておこう!漢方薬の意外な力 vol.20

寒い冬は排尿トラブルが多発します。特に女性に多いのが膀胱炎ですが、漢方薬の中に対処する薬があるのをご存知ない方もいるようです。

膀胱炎は、大腸からの細菌が膀胱内に侵入し、増殖して炎症を起こす細菌感染症です。急性と慢性のものがあります。女性の場合、尿道が男性と比較して短く、また尿道口の位置からも細菌が膀胱内に侵入しやすいので全体として発症頻度が高くなります。

症状として出やすいのが排尿痛、頻尿、混濁尿(血尿含む)、下腹部の違和感などです。かかったことのある方はおわかりだと思いますが、「トイレに行きたい」→「行ったけどちょっとしか出ないし、痛い」→「出なくて引き上げてきても、また行きたい」→「出にくい・・・」の繰り返しで、まさに地獄のような状態です。私も経験があるのですが、本当につらくて泣けてきます。

泌尿器科にかかると尿検査をして、細菌があれば抗菌薬を服用することで症状がおさまります。
水分をしっかり飲んで排尿で流すことが大切です。

ただ、「病院に行けない」「なんとなく違和感あり、膀胱炎かもしれない」という状況もあるでしょう。
そのような時に使うとよい漢方薬が猪苓湯です。

猪苓湯猪苓 茯苓 沢瀉
滑石 阿膠
排尿異常があり口が渇くものの、排尿困難、排尿痛、残尿感、頻尿、むくみ

猪苓湯は5つの生薬で構成されています。猪苓(ちょれい)、茯苓(ぶくりょう)、沢瀉(たくしゃ)は、体内の水めぐりを良くするもので、排尿トラブルやむくみなどに有効です。滑石(かっせき)という石の生薬には、膀胱や尿道の炎症を抑えて痛みをやわらげる働きがあります。さらに阿膠(あきょう)というロバなどの動物の皮にある成分から作られた生薬は、血を補い止血に働くので血尿などを改善してくれます。

石や動物の皮が薬になるというだけでも驚きですが、この漢方薬、効き目が割と早くあらわれるので強い味方なのです。

膀胱炎は、足腰を冷やしてしまった、睡眠不足、過労で疲れている、水分摂取が少ない、トイレに行くのを我慢してしまったなどでも発症し悪化します。予防にも改善にもまずは温かい白湯を飲み、トイレは我慢しないことが大切。小豆や黒豆の煮汁なども利尿効果を高めるのに有効ですよ。

関連ワード
膀胱炎 猪苓湯
齋藤 友香理 - Yukari Saito
[ 薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]
1969年北海道生まれ。東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務めていた。多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら社員教育にも携わり、「養生を指導できる人材」の育成に励んでいる。分かりやすい解説と気さくな人柄で、幅広い年齢層から支持されている。薬日本堂漢方スクール:http://www.kampo-school.com/

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