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2016.11.0147670view
あなたの咳はどのタイプ? ~麦門冬湯(ばくもんどうとう)・五虎湯(ごことう)

知っておこう!漢方薬の意外な力 vol.18

漢方薬を服用したことのある方、それはどこで手に入れましたか?病院でお医者様が処方してくれた、漢方専門店で本格的な煎じ薬を選んでもらった、雑誌で紹介された漢方薬をドラックストアで購入したなど、経路はさまざまでしょう。その中で最近は、ドラックストアで扱う漢方薬が増えているようです。
今回は、秋に症状が出やすい咳の症状に有効な漢方薬を2種類紹介しましょう。使い分けがわかれば、安心して服用できますね。

【異なる咳のタイプ】
人は呼吸する時に、鼻・のど・気管・肺を使っています。ここに冷たい空気や乾いた空気、ほこりや花粉などアレルゲンが入りこむと、それを取り除くための反応によって咳が出ます。カゼ、アレルギー性鼻炎、喘息などさまざまな要因がありますが、まずはカゼなどをひかないように、睡眠や食事をしっかりとって体力や自然治癒力を高めておくことが大切です。

咳は大きくわけると2種類あります。

ひとつは体力がある人の強い咳。カゼなどで高熱を伴う場合もありますが、呼吸が荒く、口が渇いて黄色い痰が出る傾向にあります。夜、布団の中で体が温まると悪化して、ひどいと胸が痛くなり一晩中眠れないようなことも起こります。顔を真っ赤にして咳き込んでいる方がいますが、このタイプです。
このような時は、五虎湯(ごことう)の出番です。石膏が肺の熱をさまし、桑白皮がからまった痰を出しやすくしてくれます。石膏は胃を冷やすことがあるので、お腹が冷えて痛くなったり下痢する場合はやめておきましょう。

もうひとつは体力がない人の空咳。慢性病や老化などで鼻やのどの潤いが不足すると、少しの刺激でも咳が出ます。口も乾いて、痰が作れないのでむせるような乾いた咳となるのが特徴です。実は抗生物質を長く服用した時にも、本来の潤いがなくなって咳だけ残るということがあります。
このような時は、麦門冬湯(ばくもんどうとう)の出番です。麦門冬が肺を潤し、人参・粳米・大棗で胃腸の元気を養い、潤いを作れるようにしてくれます。麦門冬で少し胃が重く感じる人もいるので、お通じがゆるくなってきたら注意しましょう。


麦門冬湯麦門冬、半夏、大棗、人参、甘草、粳米体力中等度以下で、痰が切れにくく、時に強く咳こみ、咽頭の乾燥感があるものの次の諸症…空咳、気管支炎、気管支喘息、咽頭炎、しわがれ声
五虎湯 麻黄、杏仁、石膏、甘草、桑白皮体力中等度以上で咳が強く出るものの次の諸症…咳、気管支喘息、気管支炎、小児喘息、感冒

【のどを潤す大根飴】
咳が長びくと、呼吸の通り道に炎症が起きて悪循環。日頃からのどによいものを摂り入れましょう。外出時のマスク、帰宅時のうがいは必須です。
スクールの講師をしている私は、のどを傷めると仕事になりません。そこで役立つのが大根飴。簡単に作れるので、大根の切れ端があると日頃から作り置きしています。冷蔵庫で保管できるのでとっても便利ですよ。

大根飴
①大根を約1cm角に切る
②大根とハチミツを1:1の割合で広口ビンに入れる(大根が浸かるくらい)
③3時間以上おいて大根がしんなりしてきたら出来上がり
④上澄みをそのままなめる(お湯で薄めてもOK)

齋藤 友香理 - Yukari Saito
[ 薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]
1969年北海道生まれ。東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務めていた。多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら社員教育にも携わり、「養生を指導できる人材」の育成に励んでいる。分かりやすい解説と気さくな人柄で、幅広い年齢層から支持されている。薬日本堂漢方スクール:http://www.kampo-school.com/

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