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2015.11.012228view

『養生訓』~ご存知ですか?江戸時代の健康おたく3人

古典DE養生 第6巻

数年前にテレビで、「江戸時代3人の健康おたく」という番組を見ました。
その3人とは、徳川家康水戸光圀、そして貝原益軒(かいばらえきけん)

徳川家康は、『天下統一のために』
水戸光圀は、『大日本史の編纂のために』
貝原益軒は、『妻のために』
長生きしなければならなかったのだそうです。

もともと身体が丈夫ではなかった儒学者の貝原益軒は、38歳のとき、初(はつ)という16歳の娘と結婚するのですが、初もかなりの病弱でした。20歳以上離れた年の差婚でしたが、初を残し先に死ぬことはできないという思いを持ちながら、毎日夫婦で養生を実践したのでしょう。

『養生訓』は、貝原益軒が83歳の時に書き上げ、出版されました。中国の養生法をベースに、初と共に自ら経験してよいと思ったことを書き加えたことと、和文で庶民にも読みやすく書かれた、最初の養生書であったことから、江戸時代最も広く読まれた健康本でした。

現代では“当たり前のことである健全な生活の仕方”が丁寧に書かれているので、読むと心が洗われ、子供のころおばあちゃんに言われたことのような錯覚になります。

養生訓は全8巻、総論上、総論下、飲食上、飲食下、飲酒、飲茶煙草、慎色欲、五官、二便、洗浴、慎病、択医、用薬、養老、育幼、鍼、灸、の17項目から構成されています。

以下、総論からの一節です。

「人としてこの世に生まれたからにはひたすら父と母に孝養を尽くし、人倫の道を踏み外さず義理を通すことによって、できることなら長寿をとげることによって人生の喜びをかみしめることこそがひとの願いではあるまいか。」

『養生訓』「総論上」より


養生の道は多言を要しない。ただ、飲食を少なくし、病気を悪化させるものを少なくし、病気を悪化させるものを食べず、色欲を慎み、“精気”を惜しみ、怒り・哀しみ・憂い・思いなどの感情を過度に抱かず、心を平らかにして気持ちを和らげ、無駄なおしゃべりを少なくし、無用のことを省き、風・寒さ・暑さ・湿気の外邪を防ぎなさい。また、ときどき身体を動かし、歩行し、その時間でないときに横になったり眠ったりせずに食べ物の消化吸収をはかりなさい。これらが養生の要である。」

『養生訓』「総論下」より



養生訓を書きあげた年に、夫人の初が亡くなります。益軒は、夫人を亡くした寂しさからか、健康を害しその翌年、84歳で亡くなりました。平均寿命が40歳~50歳といわれる江戸時代に、長寿を全うした益軒が書いているからこそ、説得力があり難しく厳しいと思える事柄も、心地よく伝わってきます。

本屋さんに行くと、口語訳された養生訓が、様々な出版社から販売されています。今も読まれ続けている健康・養生の大ベストセラーで、“読むだけ健康法”してみませんか。
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鈴木 養平 - Youhei Suzuki[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]
鈴木 養平 - Youhei Suzuki[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]
1969年宮城県生まれ。東北医科薬科大学卒業後、薬日本堂入社。臨床を経験し、店舗運営、教育、調剤、広報販促に携わる。札幌に勤務中、TVの漢方コーナーにてレギュラー出演。漢方薬による体質改善の指導・研究にあたる一方で、“漢方をより身近に”とセミナー講師・雑誌・本の監修(『おうちでできる漢方ごはん』『かんたん・おいしい薬膳レシピ』)で活躍中
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