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2015.10.012720view
生理前に性格が変わる貴女に… ~加味逍遙散(かみしょうようさん)

知っておこう!漢方薬の意外な力 vol.5

「うちの嫁さん、毎月、人が変わったようにイライラしたり、急に泣いたりする時期があって怖いんだよね。一度精神科に連れて行くべきかなあ。」

近所に住む中学時代の同級生Aくんに、こんな相談をされました。
答えはもちろん否。「一度、ゆっくりお話ししましょう。」ということになったのです。

生理前のさまざまな不調
Aくんの奥様Bさんにお話を聞くと、「生理の10日前辺りから気分が落ち着かなくなり、脇から締めつけられるような、胸がザワザワするような感じがある」とのこと。「ちょっとしたことにイライラしたり、訳もなく悲しくなって夜中に泣いてしまう」こともあるのだそうです。

この時期は食欲も異常で、「夕食の後に菓子パンが食べたくなったり、ポテトチップスを1度に2袋食べてしまうこともある」のだとか。「子供や旦那は怖がるし、自分でコントロールがきかないので、どうしてよいかわからず困っている」ということでした。

Bさんの生理前の不調は精神的なものにとどまりません。胸の張り、頭痛も強く、お腹にガスがたまって便秘がちになります。鏡を見ると、シミも濃くなったような気がして憂鬱になるとおっしゃいます。しかもこれらの症状、生理が来るとピタッとうそのように止まるのだそうです。

これはまさにPMS、月経前緊張症。漢方では気血の巡りが滞っていると考えます。

申し分の多い婦人に加味逍遙散
このようなPMSの症状に効果を発揮するのが加味逍遙散(かみしょうようさん)です。頑張りすぎて疲れやすく、肩こりやのぼせが気になる人の、生理痛や生理不順、更年期障害や不眠などにも用います。10種類の生薬で出来ていますが、特徴的なのは薄荷でしょうか。薄荷はスーッとする芳香をもつ生薬で、気のつまりをほどいてくれます。

ある文献には「申し分の多い婦人にはまず本方を考える」と書いてあります。Bさんと話していて気付いたのは、話があちらこちらに及ぶことです。自分の不調、子供のこと、旦那さんのこと、お姑さんのこと…とにかく、こちらが伺う前にどんどん話が出てくるのです。
まさに加味逍遙散の証!さっそく服用していただくと、翌月から生理前の不調が随分減ったそうです。

肝気のつまりは緑の葉で解消
漢方では「女性の先天は肝」といって、肝血が充足し、肝気が巡ることで生理の不調もなく元気に過ごせると考えます。五行説では肝は青色に該当しますので、青々とした緑の濃い野菜、ミントやシソ、春菊など香りのよい葉を摂り入れることで肝気を巡らせましょう。

次回は髪の栄養と「四物湯」のお話です。お楽しみに!

齋藤 友香理 - Yukari Saito
[ 薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]
1969年北海道生まれ。東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務めていた。多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら社員教育にも携わり、「養生を指導できる人材」の育成に励んでいる。分かりやすい解説と気さくな人柄で、幅広い年齢層から支持されている。薬日本堂漢方スクール:http://www.kampo-school.com/

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