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2015.03.01682view
「五禽戯」はなりきることが大切。動物の動きで健康に!

劉梅先生の気功のおはなし⑧

五禽戯は「調身」、つまり体を動かすことを中心とした医療気功です。春秋戦国時代は「二禽戯」でしたが、後漢の名医華佗によって「五禽戯」が発展したといわれています。5種類の動物の動きを真似て、リアルに体で表現した功法です。華佗は漢方薬の麻酔薬「麻沸散」を発明し、それを使って1800年前に腹部手術を行ったことで有名です。名医でありながら、養生の達人でもありますね。

なぜ動物の動きを気功に取り入れたのでしょう?人間はもともと動物と同じく、四つん這いで歩いていました。高い場所にある食べ物を取るためにだんだん立つようなり、このため足腰などを傷めやすく、呼吸も腹式呼吸から胸式呼吸に偏るようになりました。これらの偏りを矯正するためであると考えられています。足腰を傷めやすく、呼吸の浅い現代人にぴったりですね。

天真爛漫な心で動物の動きを真似て、元気な身体を手に入れましょう。五禽戯の「戯」は遊び、ゲームの意味です。虎戯、鹿戯、熊戯、猿戯、鳥(鶴)戯の5つで構成されており、すべての動きは経絡を通して、五臓にリンクしています。

【虎戯】
虎は勇猛、目力が強く、前足の力で素早く獲物を押さえる印象ですね。腰と下肢を強くするので、腎(泌尿、生殖、水分代謝など)にいいでしょう。

【鹿戯】
鹿は優雅で、美しい体のライン、2つの角が堂々と上を向き、伸びやかな印象ですね。首と両脇をよく伸ばして、筋を柔軟にします。肝(気血のめぐり)にいいでしょう。

【熊戯】
熊はどっしりとして体が重たく、のんびり、ゆっくり歩いている印象ですが、実際は走り出すと軽やかです。熊のどっしりした動作をまねると、腰とお腹と脾(消化吸収)にいいでしょう。

【猿戯】
猿は賢く、鋭い目を持ち、素早い動きで、森の中で樹と樹の間をジャンプして木の実を取る印象です。素早い動きが、関節、頭と肩と心(脳、心臓など)にいいでしょう。

【鳥戯】
鳥(鶴)は軽快に羽を広げ、細い足で優雅に飛んだり歩いたりして、自由自在な印象ですね。鳥のように軽やかな動きで、肩と上肢、背中、気血の流れをよくするので、肺(呼吸)にいいでしょう。

五禽の動きだけでなく、それぞれの特徴、たとえば虎の鋭い目つき、猿の軽やかな動き等も真似て動物になりきり、呼吸を合わせ、最大の効果を得られるように行いましょう。
次の2つの動作を通して五禽戯をより理解しましょう。

①鹿戯
両手は体の上に。指で鹿の角の形をイメージして上半身は後ろを振りむき、両脇の筋を伸ばすと、ストレス発散にもつながります。

②鳥戯
両手は翼をイメージして体の後ろに伸ばします。背筋や腰を強くするので、デスクワークの方におすすめ。

次回(4月1日)は「易筋経(えききんきょう)」を紹介したいと思います。
話によると整体師の方が自分の健康維持、かつ体力をつけるためよく練習しているそうです。

関連ワード
五禽戯 動物 華佗 経絡
劉 梅 –リュウ・メイ
[中医師 ・薬日本堂漢方スクール専任講師]
中国黒龍江省生まれ、黒龍江中医薬大学卒業後、ハルビン医科大学付属二院に内科医として臨床を経験。1994年に来日、北海道大学医学部客員研究員を経て、2001年、薬日本堂に入社。薬局勤務の傍ら漢方相談員の指導・育成に参加、TV・雑誌でも活躍する。主な著書『中国の女医さんが教えるおいしくて身体にいい中華』『病気・症状を改善 これならできる漢方ごはん』。

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