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公開日:2026.03.14 更新日:2026.03.1429view

私だけ地震?ふわふわ、くらっと揺れてしまう春のめまい

漢方であなたを応援vol.49「春のめまい養生」

なぜ「春」にめまいが起こりやすいの?
春の訪れとともに、ふわふわとした浮遊感や、立ち上がった瞬間のふらつきを感じることはありませんか?
漢方の視点で春は「めまい」が起こりやすい季節と考えられています。今回は、今日から実践できる、心と体を整える「春のめまい養生」を紹介しましょう。

漢方のバイブルである『黄帝内経(こうていだいけい)』では、春は「発陳(はっちん)」の季節と呼ばれます。冬の間に蓄えていたエネルギーが、芽吹く植物のように一気に外へ、そして上へと向かう時期だからです。

この時期、頑張りすぎてしまうのが五臓の「肝(かん)」。「肝」には、全身の「気(エネルギー)」の流れをスムーズにコントロールする働きがあります。
春の激しい寒暖差や環境の変化、新生活のストレスなどは、「肝」の働きを乱してしまいます。
「肝」のコントロールが効かなくなると、「気」や熱が頭部を過剰に突き上げます。これが春特有のめまいやのぼせ、イライラ、キーンという高音の耳鳴りなどの原因となります。

あなたはどのタイプ?めまいのセルフチェック
漢方では、同じ「めまい」でも原因によって対処法が異なります。
まずは自分のタイプをチェックしてみましょう。
<イライラ・のぼせ型>
症状:顔が赤くなる、目が充血する、耳鳴り、怒りっぽい。
原因:ストレスにより「肝」の熱が上がりすぎている状態。

<水たまり・重だる型>
症状:体が重い、吐き気、天気が悪いと悪化する。
原因:体内の水分代謝が悪く、余分な水分(痰湿)が頭の動きを邪魔している状態。

<お疲れ・フラフラ型>
症状:顔色が白い、立ちくらみ、動悸、疲れやすい。
原因:エネルギー(気)と栄養(血)が不足し、脳まで栄養が届いていない状態。

食養生で春のめまい対策
まずは日々の食事で、昂った「肝」をなだめ、「気」の巡りを良くしましょう。
1)ほどよい「苦味」で熱を冷ます
菜の花、ふきのとう、タラの芽といった春の山菜には、体にこもった余分な熱を逃がす働きがあります。緑茶やごぼうにも苦味があります。

2)香りの良い食材で「気」を巡らせる
セロリ、パセリ、三つ葉、ミント、菊花茶などの香り成分は、「肝」の緊張をほぐし、停滞した「気」をスムーズに流してくれます。
3)控えたいもの
辛すぎるものやアルコールの過剰摂取は、体内に熱を生み、めまいを悪化させるため、春先はほどほどに。

「のんびり」「ゆったり」が春の合言葉
食事以外にも、ちょっとした意識で「肝」を労わることができます。春の養生で最も大切なのは、頑張りすぎないこと。深呼吸を心がけ、散歩などでのんびりする時間を持ちましょう。

1)目を休ませる
漢方では目と「肝」はつながっていると考えます。スマホやPCの長時間利用は「血」を消耗し、「肝」が疲弊します。1時間に1度は遠くを眺めたり、温かい蒸しタオルなどで目を癒しましょう。

2)睡眠をしっかりとる
「血は横になると肝に帰る」と言われます。夜23時までには布団に入り、「肝」が「血」を蓄えて回復できる時間を確保しましょう。

3)ゆったりとした衣服を選ぶ
春は体も心ものびのびさせることが大切です。体を締め付ける服を避け、リラックスして過ごしましょう。

4)今すぐできる「ツボ」押し
太衝(たいしょう)
足の甲、親指と第二指の骨が交わる手前のくぼみ。「肝」の昂ぶりを鎮めます。
内関(ないかん)
手首の内側のシワから指3本分肘寄りのところ。乗り物酔いやめまいに伴う吐き気に有効です。

齋藤 友香理
齋藤 友香理 - Yukari Saito[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年北海道生まれ。東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務めていた。多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら社員教育にも携わり、「養生を指導できる人材」の育成に励んでいる。分かりやすい解説と気さくな人柄で、幅広い年齢層から支持されている。

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