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公開日:2025.09.14 更新日:2025.09.1460view

のどに全集中?!感染対策と秋ののどケア

漢方であなたを応援vol.42「のどの痛みと咳」

入口でガード!鼻・のどからのサインを見逃さないで
新型コロナウイルスの感染が再び拡大しています。電車の中でも咳込んでいる人を多く見かけるようになりました。
現在流行している「ニンバス」は、「ガラスの破片やカミソリを飲み込んだような激しい痛み」が特徴です。想像するだけでのどがキューと絞まってきそう・・・

カゼやインフルエンザ、コロナウイルスなどの感染症は、体表に空いている穴から病邪の侵入を受けて発症します。次のような症状が侵入を受けたサインです。

□首肩や背中がゾクゾクして寒気がする
□鼻がムズムズしてくしゃみや鼻水が出る
□のどがイガイガして腫れや痛みが起こる
□のどの奥が乾いて空咳、または痰の多い咳が出る

鼻やのどは関所、体内への入口で何とかガードしている段階ですので、早めに対処して侵入を防ぎたいですね。

粘膜を潤して予防、炎症を鎮めて改善
鼻やのどは,病邪の侵入を防ぐために粘膜で覆われています。潤っていれば、鼻水や痰などで絡めとって外に出すこともできます。
残暑厳しい9月はまだ冷房が必要で、ハンディファンの風なども体表の潤いを飛ばしてしまいます。真夏の汗で体内の水分を消耗しているケースもあります。10月に入って秋を感じ始めると、急に空気が乾燥して鼻やのど、体表の潤いが奪われます。
潤いを奪われた粘膜は傷つきやすく、少しの刺激でひび割れたり、炎症をおこして腫れてしまいます。

予防のために大切なのは、鼻やのどを乾燥させない、潤いを補うこと。空気を清浄に保つことも大事です。エアコンのフィルタ掃除、空気の入れ替えはもちろんのこと、マスク着用やうがい、こまめな水分補給を意識しましょう。体力が落ちると免疫力も下がるので、夜更かしせずにしっかり休みましょう。

◆大根飴でのどを潤し炎症を鎮める
(作り方)
①大根を1cm角に切り、小さめのビンに入れて蜂蜜を注ぐ
②冷蔵庫で一晩置くと水分が出てくるので、小さじ1杯をお湯で薄めて飲む
大根:辛甘/涼 消化の促進、咽の不快感や咳・痰の解消

◆梨入り甘酒で肺を潤し咳を鎮める
(作り方)
①梨1/4個をすりおろす
②市販の甘酒に①と蜂蜜小さじ1を加えて飲む
梨:甘酸/涼 肺に潤いを与えて熱を冷ます、空咳を解消

のどの痛みを解消する「小柴胡湯加桔梗石膏」
「小柴胡湯加桔梗石膏(しょうさいことうかききょうせっこう)」はカゼの中期に用いる小柴胡湯に桔梗と石膏を加えた漢方薬です。
桔梗はのど飴にも応用されるくらい有名で、痰や咳を鎮めます。石膏は炎症を鎮める生薬です。この2つだけをエキス錠剤にしたものも市販されていますので、のどの炎症がひどい時にはおすすめです。

これ以外にも、カゼの初期、のどの腫れと痛み、咳の解消につながる漢方薬は多数あるので、わからない時には専門家に問い合わせましょう。きっと役立つものがみつかりますよ。

▽動画もcheck!
【薬日本堂】今すぐ知りたい!熱はなくても喉が痛い時の漢方と栄養補給

齋藤 友香理
齋藤 友香理 - Yukari Saito[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年北海道生まれ。東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務めていた。多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら社員教育にも携わり、「養生を指導できる人材」の育成に励んでいる。分かりやすい解説と気さくな人柄で、幅広い年齢層から支持されている。

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