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公開日:2023.11.25 更新日:2024.01.101437view

冷えは妊活の大敵!足腰を温めて授かり体質に

漢方であなたを応援vol.20「冬の妊活」

冷えで起こる防御機能の低下と血行不良
まもなく12月、年末年始に向けて忙しさと寒さが増してくる時期です。
多忙によるストレスや睡眠不足は、エネルギーである「気(き)」、栄養と潤いの源である「血(けつ)」の消耗や滞りを招きます。ここに冷えが加わると、身体を守る働きが低下してかぜなどの感染症にかかりやすくなり、さらに血行不良も起こりやすく、痛みや慢性疾患の悪化など様々な不調につながるので注意が必要です。

妊娠を希望されているカップルにとっても冷えは大敵です。
皆さん、寒いと身体を丸めて縮こまりますね。この時、やる気がわかず、活動力も鈍り、男女の生殖機能にもエネルギーと栄養が行き渡りにくくなるため、妊娠の妨げになってしまいます。

冷えが生殖機能を鈍らせる
女性の場合、卵巣で卵子を育てて毎月排卵しています。冷えで血行不良が生じると、栄養が不足して卵子が成熟しづらくなるため、受精がうまくいかない可能性が高まります。
また、子宮は受精卵を迎え入れるためのベッドを内壁に準備します。下半身の冷えにより血行が悪くなると、受精卵のためのベッドを充実させることが出来ないため、着床しづらく流産を起こすこともあるのです。

男性の場合、冷えで血行が悪くなると男性ホルモンの分泌量が減ると言われています。
男性ホルモンは精子の数、精子の運動率、卵子へ向かう力、やる気、精力などにも関わっているので、減少すると男性不妊の原因となります。

漢方では、男女の生殖機能は五臓の「腎(じん)」が担っていると考えます。
五臓は解剖学的な臓器だけを指すのではありません。「腎」の場合は、泌尿器、生殖器、生命力維持機能による成長と老化への関与、耳や髪、骨の健康などにも関わっています。
だからこそ、妊活には腎の強化と冷え対策が欠かせません。

冬の妊活は腎の強化と保温から
五臓の「腎」は黒い食材を好み、冷えを嫌います。冬の妊活養生で「腎」を強化することは、生命力を高めることにもつながります。ぜひご夫婦そろって取り組みましょう。

◆足元を温める
厚手の靴下をはく、ひざ掛けを使う、足湯に浸かるなどで足元を温めましょう。妊活には「頭寒足熱」がおすすめです。
◆腰を温める
腰は「腎の府」と呼ばれます。腰を冷やさないように下着を1枚多くする、下半身の運動で温めるなどしましょう。
◆三陰交のツボを刺激する
足の内くるぶしから指幅4本分上にある三陰交(さんいんこう)は、気血を巡らせて婦人病に効果のあるので、お灸やマッサージなどをしましょう。妊娠前、月経痛や月経不順のあるかたにおすすめです。(妊娠中は禁忌)
◆温める食材を摂る
生姜やねぎ、玉ねぎ、にんにく、にら、シナモンなどは身体を温める力があります。寒い日には積極的に摂りましょう。
◆黒色食材を摂る
黒豆や黒ごま、黒米を入れたご飯はおすすめです。他にも、昆布やひじき、わかめなどの海藻類を食卓に乗せるように意識しましょう。
◆腎を強化する食材
薬膳では、山芋、くるみ、えび、羊肉。椎茸、黒きくらげなどが腎を強化すると考えます。

妊活はご夫婦の共同作業、お二人で始められそうなことから取り組んでみませんか?

薬日本堂では妊活相談も受け付けております。何から始めたらよいか悩んでいる方、病院で不妊治療をしているけれどもう一歩踏み込んで対策したい方など、様々なニーズにお応えします。ぜひご利用ください。

動画でも!「からだと心は繋がっている 漢方的視点から妊活を応援!からだを整える漢方のすすめ」


齋藤 友香理
齋藤 友香理 - Yukari Saito[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年北海道生まれ。東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務めていた。多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら社員教育にも携わり、「養生を指導できる人材」の育成に励んでいる。分かりやすい解説と気さくな人柄で、幅広い年齢層から支持されている。

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