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公開日:2023.07.20 更新日:2024.01.101385view

夏バテの漢方薬~清暑益気湯

漢方薬のつぶやき vol.9

夏の土用の夏負けに
あまり知られていませんが、夏バテによい漢方薬があります。処方名は清暑益気湯。
「清暑」は暑邪を取り除く、「益気」は気を増やすという意味です。
清暑益気湯はその名の通り、暑さで身体にこもった熱を除き、元気を回復する漢方薬です。

夏の土用の頃に食欲がなくなり、固形物を欲せず、水分ばかり摂っている。身体がだるく、やる気がでない。暑気あたり、下痢、夏痩せして元気がない。このようなときに清暑益気湯を用います。

清暑益気湯の効能は次の4つはたらきによって発揮されます。
①元気を補う、②汗で失った水液を補う、③こもった熱を除く、④胃腸を助ける。

これらのはたらきから、逆に身体を見てみると、夏バテ対策のヒントが見えてきます。

汗をかいたら益気する
まずは、「①元気を補う」「②汗で失った水液を補う」です。
汗をたくさんかくと、身体の水液が消耗します。その結果咽が渇き水分を補います。実は汗をかいたとき、身体から失われるのは水液だけではありません。気も一緒に消耗しています。

ですから、水分を補充するだけでなく、気を作りだすもの、つまり主食・主菜である穀類、豆、芋、魚、肉などをきちんと食べることが大切です。

そもそも暑いと食欲が減退します。気をつけたいのは、飲み物だけでお腹が満たされて、主食を摂ることがおろそかになること。とくに甘い飲料水は空腹を感じにくくなります。汗をかいたら気も補う。水分は補給しつつ、主食をしっかり摂りましょう。

夏野菜と果物で清暑
夏バテ対策、次のヒントは、「③こもった熱を除く」「④胃腸を助ける」です。
暑いときの冷たい飲み物は美味しく感じ、清涼感で身体がスッキリしますね。でも冷たい飲み物で身体を冷やせるのは一時的です。すぐまた欲しくなり、摂り過ぎると胃腸が弱って、結果として疲れと倦怠感を引き起こし、夏バテしやすくなります。

胃腸は湿度に弱く、冷たいものは苦手。
湿度の高い夏場、胃腸は元気がありません。そこへ冷たい飲食が続くとさらに弱っていきます。

ということで、冷たい飲み物だけで暑さをしのごうとせず、夏野菜や旬の果物を摂るようにしましょう。夏野菜や果物の多くは身体にこもった熱を取り除き、かつ潤いを補充してくれます。胃腸の元気を損なわずに暑邪を除く工夫のひとつとして、食材の効能を活かしてください。

夏バテに清暑益気湯を紹介しました。漢方薬の面白さはその効能を知ることで養生に活かせることです。清暑益気湯からわかる夏バテ対策で夏を上手に過ごしましょう。

動画で!暑さで身体にこもった熱を除き、元気を回復する漢方薬『清暑益気湯』
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飯田 勝恵
飯田 勝恵 - Katsue Iida[薬剤師・薬日本堂漢方スクール講師]

静岡県立大学薬学部卒業。1998年薬日本堂入社。約10年間の臨床と店長を経験。店舗運営や相談員教育などに携わり、その後「自然・人・社会に役立つ漢方の考えをより多くの人に伝えたい」と講師として活動。薬だけではない漢方の思想や理論に惹かれ、気功や太極拳、瞑想なども生活に取り入れながら漢方・養生を実践している。

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