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公開日:2022.11.10 更新日:2024.02.212396view

更年期をうまく乗り越え、100歳時代を満喫しよう!

季節の不調と漢方相談 Vol.18

男性にも訪れる更年期とは
横浜髙島屋店で上級相談員をしています、董再学(とうさいがく)です。
今回は、女性だけではなく男性ともに訪れる更年期についてご紹介致します。

中国の古典『黄帝内経(こうていだいけい)』には、「女性は7の倍数、男性は8の倍数の年齢の時に身体の節目が訪れる」と書かれています。
個人差はありますが、女性は閉経の時期である50歳前後、男性は女性よりも少し後の50代後半に更年期が訪れやすいと言われています。

あらわれやすい不調は、イライラしやすい、不安になる、眠れない、めまい、汗がでやすい、冷えのぼせ、太りやすいなど多岐に渡ります。
男性の場合は上記以外に、テストステロン値(男性ホルモン)やPSA値(前立腺から分泌されるタンパク質)などの検査値異常、精力減退や排尿トラブル、睡眠障害、鬱(うつ)などの症状がみられます。

男女共にホルモンが減少してあらわれる更年期障害を、漢方では生命力の貯蔵やホルモンと関りが深い、五臓の「腎」が弱まることによって起きる症状と捉えます。

更年期の時期は自分の体調の変化だけではなく、仕事が忙しかったり、子供の受験、親の介護、退職などのライフイベントも重なり、不調を助長してしまいます。
ストレスでダメージを受けやすい五臓の「肝」の活動が悪くなることも、この時期の体調不良を後押しする原因となります。

更年期には肝腎要を養おう
男性、女性ともに五臓の「腎」を補うことが大切です。
食材としては黒いもの、黒豆、昆布、ひじき、黒米などがおすすめです。

さらに「肝」を養うことも大切です。「肝」がのびやかに働けるように、気分を穏やかに保ちましょう。
「肝」に貯蔵している栄養と潤いの液体「血(けつ)」が不足すると、視力の低下や足がつる、抜け毛や白髪が増えるなどの不調があらわれます。
「血」を補う赤色の食品を摂り、腰を温めストレッチなどで血行をよくしましょう。

イライラしたり、気分がすぐれないときは、香りの良い物を生活の中へ取り入れることが効果的です。
香りにはリラックス効果があるので、ジャスミン茶やバラの花のお茶、大葉茶を飲んだり、布で香り袋を作り、中へ陳皮を入れて携帯するのもおすすめです。
気分転換に簡単なストレッチや、1日30分のウオーキングなども良いでしょう。

デリケートな時期に身体にやさしい漢方を
いずれにしても身体の変わり目ですので、身体をいたわることが重要です。
基本は、赤色や黒色の食材を中心に脂っぽいものは控えめに、身体にやさしい食事を摂ること、睡眠をしっかり摂ること、適度な運動をすることです。
無理をしないで休息をし、加齢とともに不足するエネルギー「気」や栄養の液体「血」をしっかりと補い、身体の変わり目を少しでも快適に過ごせるようにしましょう。

そうはいってもなかなか生活改善が難しいところもあります。そんな時、身体にやさしい漢方がサポートしていきます。
つらい不調には個人差がございますので、その方にあったメンテナンスの方法を一緒に考えさせて頂きたいと思います。
まずはお気軽にご相談下さい。

董再学 - To Saigaku
[ニホンドウ漢方ブティック横浜高島屋店上級相談員]
横浜高島屋店に長年在籍し、ベテラン相談員としてカウンセリングや店舗管理に携わる。柔らかな語り口と中医学の豊富な知識を交えた漢方相談が人気で、お客様からの信頼も厚い。
ニホンドウ漢方ブティック横浜高島屋店

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